【 2012 年度 授業概要】
科   目 応用数学I ( Applied Mathematics I )
担当教員 横山 卓司 教授
対象学年等 応用化学科・4年・前期・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・
教育目標
A1(100%)
JABEE
基準1(1)
(c),(d)1
授業の概要
と方針
ベクトル解析および線形代数の基本的な概念を理解し,それらを道具として使えるようになることを目標とする.話が抽象的になりすぎないよう具体例を豊富に扱い, 多くの計算を実際に行うことを重視する.頭の中に,計算の背景にある数学的世界のイメージが描けるようになることを目標とする.



1 【A1】 スカラー場・ベクトル場の概念を理解する.勾配,発散,回転の概念を理解する.
2 【A1】 線積分,面積分の概念を理解し,その計算ができる.発散定理,ストークスの定理の概要を理解する.
3 【A1】 行列の基本的な演算ができる.行列の基本変形を理解し,連立1次方程式の解法に利用できる.
4 【A1】 ベクトル空間について理解する.ベクトル空間の基底と次元を理解する.ベクトルの一次独立を理解する.
5 【A1】 行列の階数を計算できる. 行列式の定義,性質を理解する.行列式の計算ができ,正則性の判定などに応用できる.
6  
7  
8  
9  
10  












1 スカラー場・ベクトル場の概念,勾配,発散,回転の概念を理解していることを,試験で評価する.
2 線積分,面積分の概念を理解し,その計算ができることを,試験で評価する.
3 行列の基本的な演算ができること,行列の基本変形を理解し連立1次方程式の解法に利用できることを, 試験で評価する.
4 ベクトル空間, ベクトル空間の次元と基について理解していることを, 試験で評価する.
5 行列の階数を計算できること,行列式の定義, 性質を理解していること,行列式の計算ができ, 正則性の判定などに応用できることを,試験で評価する.
6  
7  
8  
9  
10  




成績は,試験100% として評価する.各到達目標は, 中間試験と定期試験およびその再試験により評価する. 100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「基礎解析学コース ベクトル解析」:矢野 健太郎・石原 繁 共著(裳華房)
「演習 線形代数 改訂版」:村上 正康・野澤 宗平・稲葉 尚志 共著(培風館)
参考書 「キーポイント ベクトル解析」:高木隆司 著(岩波書店)
「多変数の微分積分学15章」:熊原啓作 著 (日本評論社)
「教養の線形代数 四訂版」 :村上 正康 他 著 (培風館)
「線形代数」:長谷川浩司 著(日本評論社)
関連科目 2年数学I,数学II, 3年数学I, 4年応用物理
履修上の
注意事項
・参考書に挙げた書籍は全部買い揃える必要はない.必要に応じて 図書館等で参照することが望ましい.・この科目の内容は, 2年数学I, 数学II, 3年数学Iおよび 4年応用物理の内容と関係が深い. 適宜,それらの教科書・問題集を参照すること.

【授業計画( 応用数学I )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ベクトル解析の概要(1)
ベクトル解析はどのような数学かを理解する.ベクトルの演算(内積)が計算できる.
2 ベクトル解析の概要(2)
ベクトルの演算(外積)が計算できる.
3 ベクトルの微分
ベクトルの演算(微分)が計算できる.
4 ベクトルの積分
ベクトルの演算(積分)が計算できる.
5 スカラー場と勾配, 勾配の性質
スカラー場とその勾配を理解する.方向微分係数や等位面を定義し, 勾配との関連を理解する.
6 発散
ベクトル場とその発散を理解する.ラプラシアンを定義する.
7 回転
ベクトル場の回転を理解する.
8 演習
ベクトルの基本的な計算についての総合的な演習を行う.
9 空間曲線
曲線の表示, 弧長, 接ベクトルなどを理解する.
10 線積分
曲線に沿っての線積分を定義する.
11 面積分
曲面に沿っての面積分を定義する.
12 発散定理
発散定理の概要を理解する.
13 ストークスの定理
ストークスの定理の概要を理解する.
14 演習
ベクトル解析についての総合的な演習を行う.
15 中間試験
中間試験を実施する.
16 線形代数学の概要/行列の演算
高等数学における線形代数学の位置づけを理解する.行列の定義について確認する.行列の和, 差, 積, スカラー倍の計算方法を理解する.
17 特別な行列
零行列, 単位行列, べき等行列, べき零行列を理解する.転置行列, 対称行列, 交代行列, 直交行列を理解する.
18 正則行列, 行列の分割
正則行列と逆行列の定義を理解する.行列をブロックに分割して積を計算し, 特に行ベクトル, 列ベクトルへの分割が有用であることを理解する.
19 行列の基本変形と階数
行列の基本変形を理解する.行列の簡約化を行い階数(ランク)を求める.
20 連立1次方程式の解法
連立1次方程式の係数行列および拡大係数行列を利用して連立1次方程式を解く.
21 連立1次方程式の解の存在条件
行列の階数を用いて連立方程式の解のあり方を分類する.
22 正則行列とその逆行列
正則行列に対する逆行列を計算する.
23 ベクトル空間
ベクトル空間を定義し, いくつかの例が実際に定義を満たしていることを確認する.
24 部分空間
部分空間を定義し, いくつかの具体例についてそれが部分空間であることを確認する.ベクトルの1次結合, ベクトルの組から生成される部分空間を理解する.
25 ベクトルの1次独立と1次従属
ベクトルの1次独立と1次従属の定義を理解し, 行列・行列の階数との関連について確認する.
26 ベクトル空間の基と次元
ベクトル空間の基と次元の定義を理解する.
27 連立方程式の解空間
連立方程式の解空間の次元と基を求める.
28 順列
行列式の定義の準備として, 順列とその符号を定義し, 計算を行う.
29 行列式の定義と性質
行列式を定義する.定義から導かれる行列式の性質を理解する.
30 簡単な行列式の計算
2次, 3次の行列式を計算する.


前期中間試験および前期定期試験を実施する.