【 2012 年度 授業概要】
科   目 生物 ( Biology )
担当教員 森 寿代 非常勤講師
対象学年等 応用化学科・2年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A2(100%)
授業の概要
と方針
iPS細胞,遺伝子治療,生物多様性など,「生物学」に関連した話題が日常的に取り上げられるようになっている.本科目は,身の回りの生命科学の諸問題に関心を持ち,理解するための基礎的な素養を習得することを目的とする.



1 【A2】 細胞の構造と細胞小器官の機能を理解する.
2 【A2】 細胞の増殖の方法と生物体の構造の多様性を理解する.
3 【A2】 生殖細胞の形成過程と受精のしくみを理解する.
4 【A2】 エネルギー代謝の概念と異化・同化の過程を理解する.
5 【A2】 さまざまな遺伝のしかたと遺伝子と染色体との関わりについて理解する.
6 【A2】 体液の恒常性を維持するしくみについて理解する.
7 【A2】 実験の目的を理解し,結果に対して授業内容を基に考察できる.
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1 細胞の構造や機能についての理解度を試験により評価する.
2 細胞の増殖の方法と生物体の構造の多様性についての理解度を試験により評価する.
3 生殖細胞の形成過程と受精のしくみについての理解度を試験により評価する.
4 エネルギー代謝の概念と異化・同化の過程に関する理解度を試験により評価する.
5 さまざまな遺伝のしかたと遺伝子と染色体との関わりについての理解度を試験により評価する.
6 体液の恒常性を維持するしくみについての理解度を試験により評価する.
7 実験の目的を理解し,結果に対して授業内容を基に考察できているか,レポートで評価する.
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成績は,試験80% レポート20% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト シグマベスト 理解しやすい生物I・II 改訂版 : 水野丈夫・浅島誠 共編 (文英堂)
改訂版 フォトサイエンス生物図録 : 鈴木孝仁 監修 (数研出版)
参考書 授業で随時紹介する.
関連科目 特になし
履修上の
注意事項
特になし

【授業計画( 生物 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 生命の単位:細胞
生物の構成単位である細胞の発見と細胞説の確立について述べ,細胞の基本的なつくりについて学ぶ.
2 細胞の機能と構造(1)
細胞を構成する細胞内小器官の構造と機能について学ぶ.
3 細胞の機能と構造(2)
細胞を構成する細胞内小器官の構造と機能について学ぶ.
4 細胞膜の性質と働き
細胞膜は必要に応じて物質を透過させる働きをもっている.細胞膜の複雑な構造と,生命活動に必要な物質群を選択して取り込みを調整するしくみを学ぶ.
5 細胞の増殖と分化
動物細胞と植物細胞を比較しながら,新しい細胞をつくるための体細胞細胞分裂の過程を学ぶ.
6 単細胞生物と多細胞生物(1)
単細胞生物と多細胞生物の違いを知る.
7 単細胞生物と多細胞生物(2)
単細胞生物と多細胞生物の違いを知る.多細胞生物では分化によって異なる働きをもつ組織が形成されることを,動物および植物の組織や器官を通して学ぶ.
8 中間試験
中間試験をおこなう.
9 生殖の方法
生物はその種を維持するために生殖という営みをおこなっている.生物によって異なる生殖の方法(無性生殖・有性生殖)を学ぶ.
10 実験 :薄層クロマトグラフィーによる光合成色素の分離実験
光合成色素を植物組織から抽出し,それがどのような色素群で構成されているかを調べる.
11 減数分裂
生殖細胞は,体細胞の染色体数が半分になる細胞分裂(減数分裂)により形成される.なぜ半分になる必要があるのか,その理由と分裂過程を学ぶ.
12 生殖細胞の形成と受精
精子と卵の形成と受精の過程,および動物間でみられる異なる卵割の過程について学ぶ.
13 動物の生殖と発生
受精と発生の過程をウニおよびカエルを例に学ぶ.
14 植物の生殖と発生
種子植物の生殖細胞(花粉と胚嚢(はいのう))の形成,受精と受精後の変化について学ぶ.
15 遺伝の法則
メンデルの遺伝の法則を中心に,遺伝を支配する諸法則について概説する.
16 いろいろな遺伝
遺伝現象の中にはメンデルの法則に従わないように見えるものがある.そのような遺伝子のはたらきあいにより見られる諸現象について学ぶ.
17 遺伝子と染色体
連鎖をともなう遺伝,染色体の交さと組換えについて学習し,組換えを起こす割合(組換え価)の求め方を学ぶ.
18 性と遺伝
性決定の仕組みと,性染色体にある遺伝子に起因する遺伝(伴性遺伝)について学ぶ.
19 遺伝学のまとめ
練習問題を実施し,理解度を確認する.
20 遺伝子の本体:DNA
DNAの構造と複製について学ぶ.また,遺伝子の本体がDNAであることを明らかにした研究の歴史について学ぶ.
21 タンパク質の構造とはたらき
細胞を構成する物質のうち,水の次に多いのがタンパク質でり,生物体の構造をつくるだけでなく,細胞の各所に分布して酵素,ホルモン,受容体などとして重要なはたらきをしている.タンパク質の構造と種類について確認する.
22 DNAとタンパク質の合成
タンパク質の合成は,遺伝情報の転写と翻訳によっておこなわれる.そのしくみについて学ぶ.
23 中間試験
中間試験をおこなう.
24 酵素とその働き
生物体内でおこる多くの化学反応はすべて酵素の触媒作用のもとに進行している.生体内に存在する様々の酵素とそのはたらきについて学ぶ.
25 実験:酵素の働きと性質
カタラーゼの性質をしらべ,その働きに反応条件が与える影響を観察する.
26 異化
生物体内に取り入れた物質を分解してエネルギーを取り出す反応を異化という.異化の代表的な例である呼吸をとりあげる.
27 実験:酵母のアルコール発酵
酵母菌の嫌気呼吸に関する実験をおこなう.
28 同化
単純な物質を材料に,より複雑な有機物を合成するはたらきを同化という.植物のおこなう光合成を例に学ぶ.
29 体液の恒常性1
外部環境が変化しても内部環境をつねに一定に保とうとするしくみを恒常性という.内部環境をつくる体液と循環系について学ぶ.
30 体液の恒常性2
微生物や異物の進入,増殖を抑えて自身を守ろうとするしくみを生体防御という.ここでは,食作用,免疫機構について学ぶ.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.