【 2012 年度 授業概要】
科   目 構造解析 ( Structural Analysis )
担当教員 酒造 敏廣 教授
対象学年等 都市工学専攻・1年・前期・選択・2単位
学習・
教育目標
A3(20%) A4-AS2(80%)
JABEE
基準1(1)
(c),(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
本講義では,本科の構造力学関連科目を基礎として,平面骨組と連続体の有限要素解析を学ぶ.解析の流れを理解して,簡単なプログラミングができるように講義する.表計算(スプレッドシート)やFORTRAN言語を用いて,課題を解いてレポートにまとめる.



1 【A4-AS2】 有限要素法の基礎式定式化の流れを説明できる.
2 【A4-AS2】 骨組要素および四角形要素のひずみと応力を節点変位の関数として表すことができる.
3 【A4-AS2】 骨組要素および四角形要素の要素剛性マトリックスを誘導できる.
4 【A3】 有限要素法の計算プログラムを作成し計算を実行することができる.
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1 有限要素法の基礎式定式化が理解できているかをレポートおよび定期試験で評価する.
2 有限要素のひずみと応力を節点変位の関数として表すことができるかをレポートおよび定期試験で評価する.
3 骨組要素および四角形要素の要素剛性マトリックスを誘導できるかをレポートおよび定期試験で評価する.
4 有限要素法の計算プログラムを作成し実行することができるかをレポートにより評価する.
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成績は,試験70% レポート30% として評価する.100点満点中60点以上を合格とする.試験70%の内訳は,中間試験30%,定期試験40%とする.
テキスト 「構造力学(下)」:崎元達郎著(森北出版)
参考書 「よくわかる有限要素法」:福森栄治著(オーム社)
「有限要素法入門」:晴海佳三郎・大槻明著(共立出版)
「計算力学ー有限要素法の基礎」:竹内則雄ほか著(森北出版)
関連科目 本科の構造力学
履修上の
注意事項
行列計算の知識(線形代数),力のつり合い,応力−ひずみ関係などの基礎知識(構造力学,材料力学)を修得していること.また,PCの基本操作ができること.

【授業計画( 構造解析 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 構造解析概論
(1)有限要素法の歴史,(2)応力法,混合法,変位法の関係,(3)マトリックス構造解析法の進歩,(4)有限要素法の応用例について講義する.
2 マトリックス代数
有限要素法で必要となるマトリックス代数について講義を行う.
3 仮想仕事の原理
構造物に作用する外力−変位の関係,内部の応力−ひずみの関係を基礎として,仮想外力仕事=仮想ひずみエネルギーを意味する仮想仕事の原理について講義する.
4 平面トラス要素の剛性マトリックス
簡単な棒要素を取り上げて,変位関数の仮定,ひずみ−変位関係,応力−変位関係を導き,仮想仕事の原理を用いて,要素剛性マトリックスを誘導する.定式化の流れを理解する.
5 座標変換マトリックスと平面トラスの全体剛性マトリックス
トラスの全体解析を行う.要素剛性マトリックスから全体剛性マトリックスを組み立て(アセンブル),境界条件を導入して,未知変位を求める.全体解析の流れを理解する.
6 軸力と曲げを受ける骨組要素の剛性マトリックス
軸力と曲げをうける平面骨組のはり要素の剛性マトリックスを誘導する.
7 平面骨組の全体解析
門形ラ−メンの全体解析を行う.要素剛性マトリックスから全体剛性マトリックスを組み立て(アセンブル),境界条件を導入して,未知変位を求める.全体解析の流れを理解する.
8 中間試験
1〜7回目までの講義内容に関する試験を実施する.
9 弾性理論の基礎
二次元弾性・平面応力場問題の基礎式と仮想仕事の原理について理解を深める.
10 四角形要素の要素剛性マトリックス(1)
平面要素の変位関数(形状関数)を仮定して,変位関数の仮定,ひずみ−変位関係,応力−変位関係を導く.そして,仮想仕事の原理を用いて,要素剛性マトリックスを誘導できることを理解する.
11 四角形要素の要素剛性マトリックス(2)
平面要素の変位関数(形状関数)を仮定して,変位関数の仮定,ひずみ−変位関係,応力−変位関係を導く.そして,仮想仕事の原理を用いて,要素剛性マトリックスを誘導できることを理解する.
12 全体剛性マトリックスとバンドマトリックス法
境界条件を処理して,全体剛性マトリックスを組み立て,連立方程式を解いて変位を計算する一般的な方法(プログラミング等)について講義する.
13 解析のフローチャート
一般的な有限要素解析のフローチャート作成について講義する.
14 解析演習(1)
トラス,平面骨組,平面応力問題について,有限要素解析の演習を行う.
15 解析演習(2)
トラス,平面骨組,平面応力問題について,有限要素解析の演習を行う.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期中間試験および前期定期試験を実施する.