【 2011 年度 授業概要】
科   目 日本史 ( Japanese History )
担当教員 深見 貴成 講師
対象学年等 全学科・5年・通年・選択・2単位 ( 学修単位I )
学習・
教育目標
C3(80%) D2(20%)
JABEE
基準1(1)
(a),(b)
授業の概要
と方針
1990年代以降の日本社会は,戦後に作り上げてきた政治・経済体制があらゆる意味で再編を迫られた時期であり,その再編は今も続いていると言える.このような時代に日本の近現代史を学び,なぜ日本がこのような社会になったのかを知ることは非常に重要である.よって,日本の20世紀前半の動きを学び,現代社会の課題を克服する上での知識を養いたい.また同時に歴史資料の重要性についても学んでいく.



1 【C3】 帝国主義の時代における日本社会の特徴を理解できる.
2 【C3】 大正デモクラシーの時代の特徴と現代との共通性を理解する.
3 【C3】 昭和恐慌の影響とその後のファシズムの時代の特徴を理解する.
4 【D2】 近代日本における日本の植民地支配について理解し,アジア諸国と現代日本との関係を考える.
5 【D2】 第二次世界大戦へとつながる国際政治史の中に日本を位置づけることができる.
6 【C3】 歴史資料の大切さを知り,身近にあることを確認する.また史料の内容を理解する.
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1 帝国主義の時代における日本社会の特徴を理解できるか,定期試験によって評価する.
2 大正デモクラシーの時代の特徴と現代との共通性を理解できるか,定期試験によって評価する.
3 昭和恐慌の影響とその後のファシズムの時代の特徴を理解できるか,定期試験によって評価する.
4 近代日本における日本の植民地支配について理解し,アジア諸国と現代日本との関係を考えることができるか,定期試験によって評価する.
5 第二次世界大戦へとつながる国際政治史の中に日本を位置づけることができるか,定期試験によって評価する.
6 歴史資料の大切さを知り,身近にあることを確認する.また史料の内容を理解することができるか,定期試験および歴史資料に関するレポートによって評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.試験成績は定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする
テキスト  
参考書 宮地正人『国際政治下の近代日本』(山川出版社,1987年)
朝尾直弘他編『角川新版日本史辞典』(角川書店,2004年)
関連科目 歴史(1年)・歴史(2年)
履修上の
注意事項
配布資料を毎時間持参すること.

【授業計画( 日本史 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 導入―日本近現代史を学ぶ意義
日本近現代史を学ぶにあたって,その学習する意味をこれまでの研究史から考える.また歴史資料とは何か,そしてその大切さについて言及する.
2 日露戦後の日本社会の変化
明治維新後の日本の歩みの概略を確認し,日露戦争後の日本社会が再編成されていく状況を学ぶ.
3 第一次世界大戦と日本社会(1)
第一次世界大戦が日本に与えた影響と帝国主義の時代における日本の位置を知る.またアジア諸国と日本の関係について確認する.
4 第一次世界大戦と日本社会(2)
第3週に同じ.
5 社会問題の発生(1)
大戦景気とその後の不況が日本社会に与えた影響の中で,特に社会問題の発生とその対応を知る.
6 社会問題の発生(2)
第5週に同じ.
7 原敬内閣の成立とその意義
原敬内閣が成立した背景と政党政治の始まりの意義を知る.また日本のデモクラシー状況を民衆運動の中から学習する.
8 第二次護憲運動の発生
第二次護憲運動によって成立した政党内閣の意義を知る.また当時の思想状況についても学習し,その特徴を理解する.
9 大正期の地方制度の変化と地域社会
現代の地方自治と戦前の地方自治の違いを知り,その特徴を学ぶ.大正期に再編された地方自治制度の特徴について特に学習する.
10 男子普通選挙法と治安維持法の制定の意味
1925年に成立した男子普通選挙法と治安維持法の意義を学習する.また普通選挙が地域にどのような影響を与えたかについて知る.
11 二大政党制のあり方
「憲政の常道」と呼ばれた政友会・民政党の二大政党のあり方について,現代日本との関連も含めて学ぶ.またそれぞれの内閣の政策の特徴も知る.
12 昭和恐慌の衝撃(1)
昭和恐慌が日本社会に与えた影響について,地域社会の状況,国家の政策などからその特徴と意味を知る.
13 昭和恐慌の衝撃(2)
第12週に同じ.
14 満州事変(1)
満州事変が起こる国際政治状況とその勃発が日本社会に与えた影響を知る.
15 満州事変(2)
第14週に同じ.
16 五・一五事件以後の政治
五・一五事件が日本の政治体制に与えた意義について学ぶ.またこの事件が起こる背景について知る.
17 戦時期の日本社会―史料から考える(1)
1930年代の日本社会の状況を歴史資料から読み取る.
18 ファシズム期の日本と世界
1930年代の国際政治状況の中で日本がどのような位置にいて,外交政策を採ったのかを知る.
19 二・二六事件前後の日本社会
二・二六事件が日本の政治に与えた影響について学ぶ.その前後の内閣の政策についても知る.
20 日中戦争の勃発
日中戦争開始に至る過程とそれ以降の展開について知る.また戦争の勃発が日本社会に与えた影響について学ぶ.
21 総力戦体制について考える(1)
「十五年戦争」期の日本社会を「総力戦体制」ととらえ,その特徴について考える.
22 総力戦体制について考える(2)
第21週に同じ.
23 植民地と日本(1)
日本の植民地政策とその特徴,植民地における実態について学ぶ.
24 植民地と日本(2)
第23週に同じ.
25 戦時期の日本社会―資料から考える(2)
1940年代の日本社会の状況について,歴史資料から読み取り,考える.特に戦時期の帝国議会のあり方について学ぶ.
26 太平洋戦争の勃発
太平洋戦争が起こる国際政治状況と日本の外交政策について学ぶ.
27 戦時体制における国民生活
戦時期,特にアジア・太平洋戦争末期の国民生活を中心とした日本社会の状況について,歴史資料から読み取り,理解する.
28 戦後改革と日本(1)
戦後の民主化を中心とする改革について,その特徴を学ぶ.特に日本国憲法の制定の意義について考える.
29 戦後改革と日本(2)
第28週に同じ.
30 まとめ―「国民国家」としての近現代日本
「国民国家」としての日本近現代史を概観し,現代社会との共通点考える.また歴史資料の重要さについて知る.


前期定期試験および後期定期試験を実施する.