科 目 | 電子応用 ( Applied Electronic Engineering ) | |||
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担当教員 | 山口 秀樹 非常勤講師 | |||
対象学年等 | 電子工学科・5年・前期・選択・2単位 ( 学修単位II ) | |||
学習・ 教育目標 |
A4-D2(100%) | |||
JABEE 基準1(1) |
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g) | |||
授業の概要 と方針 |
電気の光への変換を学び,人間の視覚系が眼に到達した光をどのように処理しているのかを中心に学習する.人間の視覚系の特性を理解したうえで,照明環境における各種測光量や感覚量の評価手法を学び,照明環境に関してのQOL向上について講義する.また光の照明以外の利用例として画像出力デバイスの動作原理を学習し,人間の視覚特性を考慮した画像の提示手法を学ぶ. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A4-D2】 人間の視覚系の構造と特性が理解できる. | 2 | 【A4-D2】 放射量と測光量の関係が理解できる. | 3 | 【A4-D2】 白熱電球や蛍光ランプなど各種光源の発光原理を理解できる. | 4 | 【A4-D2】 人間の感覚量の評価手法について理解できる. | 5 | 【A4-D2】 照明環境の物理的・心理的評価手法を理解できる. | 6 | 【A4-D2】 人間の視覚特性を考慮した照明環境および画像提示手法を理解できる. | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 眼の光学的構造,順応と比視感度,色覚のメカニズムについて,理解できているかを中間試験にて評価する. | |
2 | 光束,照度,輝度およびXYZ表色系といった測光量と物理的な放射量との関係が理解できているかを中間試験にて評価する. | |||
3 | 白熱電球,蛍光ランプの発光原理の違いと,それぞれの特徴の違いが理解できているかを定期試験にて評価する. | |||
4 | 感覚量の評価法として,ME法,SD法,一対比較法といった手法の違いと解析の手法について理解しているかを定期試験にて評価する. | |||
5 | 照明環境において既存の測光量と人間の感覚量との関係を理解できているかを定期試験にて評価する. | |||
6 | CRTやLCDなど画像提示デバイスの特性を意識し,それを観察する照明環境との関連を議論する.あわせて定期試験で評価する. | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験100% として評価する.なお,試験成績は,2回の試験(前期中間,前期定期)の平均点とし,100点満点で60点以上を合格とする. | |||
テキスト | 建築設計講座「照明と視環境」(理工図書)から適宜プリントを用意 大学課程「照明工学(新版)」(オーム社)から適宜プリントを用意 「色彩工学入門」(森北出版)から適宜プリントを用意 |
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参考書 | 「視覚の心理物理学」:池田光男(森北出版) 「人間工学ガイド−感性を科学する方法」(サイエンティスト社) |
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関連科目 | D3「計測工学」 | |||
履修上の 注意事項 |
回 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 眼球光学系 |
人間の視覚系の入り口として,眼球の光学系の構造,および特性を理解する.また網膜における視細胞の分布とその特性を理解する. | |
2 | 視覚系の分光感度 |
閾値を求める実験手法として,恒常法,極限法,調整法,上下法について理解し,視覚系の分光感度について理解する. | |
3 | 順応と増分閾 |
視覚系の順応状態の違いによる感度の違いから増分閾を説明し,ウェーバーの法則について理解する. | |
4 | 放射量と測光量 |
放射束と光束の違いを理解し,照度,光束発散度,光度,輝度の各種測光量を理解する. | |
5 | 色覚メカニズム |
色知覚の三色性を理解し,加法混色による等色について理解する.また錐体の分光感度特性の違いから反対色応答による色覚モデルを理解する. | |
6 | RGBおよびXYZ表色系 |
RGB表色系からXYZ表色系への変換を理解するとともに,それぞれの表色系の特徴を理解する.また他の表色系としてマンセル表色系やNCS表色系の特徴を理解する. | |
7 | 網膜神経系 |
視覚の信号処理の最初の過程として,網膜神経系における受容野と側抑制について理解する. | |
8 | 発光の原理 |
熱放射およびエレクトロルミネッセンスの原理を理解し,白熱灯や蛍光ランプの発光原理の違いを理解する.また光源の色温度表示について理解する. | |
9 | 中間試験 |
1〜7回目までの内容について試験する. | |
10 | 中間試験の解説と画像提示デバイスの原理 |
中間試験の解答および解説を行う.CRTや液晶,プラズマディスプレイなど各種画像提示装置の動作原理の違いを理解し,それぞれの提示装置の特性を理解する. | |
11 | 測光量と感覚量 |
測光量と感覚量が常には等価でないことを認識し,明るさや色の恒常性あるいは同時対比といった現象を理解する. | |
12 | 感覚量の評価I |
感覚量の評価手法としてマグニチュード推定法(ME法)を理解し,その解析法であるスティーブンスの法則について理解する.また実際の評価事例を紹介する. | |
13 | 感覚量の評価II |
感覚量の評価手法としてSD法および一対比較法を解説し,その解析手法について講義する.また具体的な評価事例についても紹介する. | |
14 | 人間の視覚特性と照明環境I |
明るさやグレア,文章の読みやすさ,眼疲労といった研究事例を紹介し,人間の視覚特性を考慮した照明環境について討議する. | |
15 | 人間の視覚特性と照明環境II |
高齢者や色覚異常者の視覚特性を説明し,バリアフリーな照明環境および情報の提示方法について議論する. | |
備 考 |
本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期中間試験および前期定期試験を実施する. |