【 2011 年度 授業概要】

科　　　目			電気回路III ( Electric Circuit III )
担当教員			荻原 昭文 教授
対象学年等			電子工学科・4年・前期・必修・2単位 ( 学修単位II )
学習・ 教育目標			A4-D1(100%)
JABEE 基準1(1)			(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要 と方針			電気回路において，起電力を与えてから十分に時間が経過すれば，各部の電圧や電流は定常状態になる．本講義では，電気回路が定常状態に至るまでの電圧や電流が変化する現象（過渡現象）について，LR回路，RC回路，RLC回路及び，分布定数回路の基本方程式について学習する．
到 達 目 標		1	【A4-D1】 RL回路を微分方程式を用いて表し，過渡電圧および過渡電流が計算できる．
		2	【A4-D1】 RC回路を微分方程式を用いて表し，過渡電圧および過渡電流が計算できる．
		3	【A4-D1】 LC回路を微分方程式を用いて表し，過渡電圧および過渡電流が計算できる．
		4	【A4-D1】 RLC回路を微分方程式を用いて表し，過渡電圧および過渡電流が計算できる．
		5	【A4-D1】 分布定数回の概要について理解し，分布定数回路を基本方程式を用いて表すことができる．
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評 価 方 法 と 基 準	到 達 目 標 毎	1	RL回路の過渡電圧および過渡電流を算出できるかどうかを，中間試験およびレポートの内容で評価する．
		2	RC回路の過渡電圧および過渡電流を算出できるかどうかを，中間試験およびレポートの内容で評価する．
		3	LC回路の過渡電圧および過渡電流を算出できるかどうかを，中間試験，定期試験およびレポートの内容で評価する．
		4	RLC回路の過渡電圧および過渡電流を算出できるかどうかを，定期試験およびレポートの内容で評価する．
		5	分布定数回路を微分方程式で表し計算に応用することができるかどうか，定期試験およびレポートの内容で評価する．
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	総 合 評 価		成績は，試験85%　レポート15%　として評価する．試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする．100点満点で60点以上を合格とする．
テキスト			「基礎過渡現象」：本郷忠敬(オーム社)
参考書			「過渡現象の考え方」：雨宮好文（オーム社） 「例題で学ぶ過渡現象」：大重 力，森本義広，神田一伸 （森北出版） 「回路の応答」：武部幹（コロナ社）
関連科目			2年 電気回路I，3年 電気回路II，3年 応用数学，3年 数学I
履修上の 注意事項			授業を受けるにあたっては，微分方程式を用いた計算ができること．なお，レポートを実施するので，予習・復習を十分に行うこと．

【授業計画（ 電気回路III ）】

回	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	RL回路の過渡現象
	抵抗RとインダクタンスLから構成される単エネルギー回路における過渡現象の概要について説明し，微分方程式を用いた電流・電圧の時間変化について学習する．
2	RL回路の過渡現象（直流回路）
	抵抗RとインダクタンスLから構成される単エネルギー回路に直流起電力を加えた場合の過渡現象について学習する．
3	RL回路の過渡現象（交流回路）
	抵抗RとインダクタンスLから構成される単エネルギー回路に交流起電力を加えた場合の過渡現象について学習する．
4	RC回路の過渡現象（直流回路）
	抵抗RとコンデンサCから構成される単エネルギー回路に直流起電力を加えた場合の過渡現象について学習する．
5	RC回路の過渡現象（交流回路）
	抵抗RとコンデンサCから構成される単エネルギー回路に交流起電力を加えた場合の過渡現象について学習する．
6	LC回路の過渡現象
	インダクタンスLとコンデンサCから構成される複エネルギー回路に直流起電力を加えた場合の概要について学習する．
7	LC回路の過渡現象(直流回路）と演習
	複エネルギー回路に直流起電力を加えた場合の微分方程式を用いた取扱について学習する．また，第1週〜第6週までに学習した内容に関する演習を行い，理解度の確認を行う．
8	中間試験
	第1週〜第7週までの講義内容について中間試験を実施する．
9	中間試験の解説とLC回路の過渡現象（交流回路）
	中間試験の解答及び解説を行う．インダクタンスLとコンデンサCから構成される複エネルギー回路に交流起電力を加えた場合の微分方程式を用いた取り扱いについて学習する．
10	LRC回路の過渡現象
	インダクタンス，抵抗，コンデンサを含む電気回路の過渡現象の概要について学習する．
11	LRC回路の過渡現象（直流回路）
	インダクタンス，抵抗，コンデンサを含む電気回路に直流起電力を加えた場合の特性法方程式の導出について学習する．
12	LRC回路の減衰状態
	インダクタンス，抵抗，コンデンサを含む電気回路において，これら各要素の値に関係した異なる減衰状態における取扱について学習する．
13	分布定数回路の基本方程式
	抵抗やインダクタンスなどの回路定数が線路全体にわたって分布する回路の取扱について学習し，基本方程式を導出する．
14	LC分布定数回路
	インダクタンスとコンデンサから構成される分布定数回路について基本方程式を導出する．
15	進行波の反射と透過
	波動インピーダンスや伝播速度を求め，波動インピーダンスが異なる分布定数回路を接続した場合の電圧，電流の反射波および透過波について学習する．
備 考	本科目の修得には，30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である． 前期中間試験および前期定期試験を実施する．