【 2011 年度 授業概要】
科   目 応用有機化学II ( Applied Organic Chemistry II )
担当教員 根本 忠将 准教授
対象学年等 応用化学科・5年・後期・選択・2単位 ( 学修単位II )
学習・
教育目標
A4-C1(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
現在までの日本の化学工業の姿を紹介し,その基礎となる有機工業化学を歴史,製造法および製品の用途について解説する.製造法については,有機化学,高分子化学等の基礎化学をもとに解説し,これら科目の理解度を深める.



1 【A4-C1】 パルプから紙の製造工程の原理が理解できる.
2 【A4-C1】 油脂からの各種製品の製造工程および製造原理が理解できる.
3 【A4-C1】 各種ゴム化合物の化学構造と性質が理解できる.
4 【A4-C1】 天然繊維の化学と工業が理解できる.
5 【A4-C1】 化学繊維の性質が理解できる.ビスコースおよびキュプラレーヨン,アセテート,ポリアミド,ナイロン,ポリエステル繊維等の構造が記述でき,製造法および特徴が理解できる.
6 【A4-C1】 高分子の物性が理解できる.重合反応,重合法が理解できる.各種プラスチックの構造が記述でき,特徴が理解できる.プラスチックの成型加工が理解できる.
7  
8  
9  
10  












1 パルプおよび紙の製造工程の概略および原理について文章を用いて説明できるかを中間試験およびレポートで評価する.
2 油脂からの各種製品の製造工程および製造原理文章ならびに図を用いて説明できるかを中間試験およびレポートで評価する.
3 各種ゴム化合物の化学構造と性質を関連付けながら文章を用いて説明できるかを中間試験およびレポートで評価する.
4 天然繊維の化学と工業について,文章を用いて説明できるか定期試験およびレポートで評価する.
5 代表的な繊維の構造が記述でき,化学繊維の製造法および特徴について,さらに不織布,合成紙,合成皮革の違いについて,文章を用いて説明できるかどうかを定期試験およびレポートで評価する.
6 高分子の物性を文章を用いて,重合反応をスキームを用いて,各種プラスチックの構造・特徴ならびに成型加工を関連付けながら文章を用いて説明できるかを定期試験およびレポートで評価する.
7  
8  
9  
10  




成績は,試験85% レポート15% として評価する.試験の成績は中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「有機工業化学」 第6版,小川 雅弥・阿河 利男・北尾 悌次郎・木下 雅悦 (朝倉書店)
参考書 「化学工業概論」 弘岡正明 編著 (丸善)
「日本の高分子工業の危機とその打開への課題」 古川淳二 監修(ラバーダイジェスト)
関連科目 C2有機化学I,C3有機化学II,C4有機合成化学,C4高分子化学
履修上の
注意事項
上記科目を学習し,十分に理解しておくことが望ましい.

【授業計画( 応用有機化学II )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 パルプ
木材からパルプを製造する工程および原理について解説する.
2 パルプ工業・紙
パルプ工業に続けて, 製紙工業について概説する.
3 油工業 (1)
油脂の詳細について説明する.
4 油工業 (2)
油脂から各種製品を製造する工程および原理を概説する.
5 界面活性剤
界面活性剤の製造および働きについて説明する.
6 ゴム工業
天然ゴム,合成ゴムの化学構造と性質について説明する.
7 まとめ
第1−6回の講義の内容について,まとめおよび復習する.
8 中間試験
第1−7回の講義の内容について理解できているかを試験する.
9 中間試験の解答,繊維工業
中間試験の解答を行う.天然繊維の工業について解説する.
10 化学繊維(1)
ポリアミド,ナイロン−6,ビニロン,アクリル繊維,ポリエステルの製造法および特徴について解説する.
11 化学繊維(2)
ポリオレフィン繊維,ポリウレタン,炭素繊維,ガラス繊維,不織布,合成皮革の製造法および特徴について解説する.
12 化学繊維(3)
前回の講義に引き続き,ポリオレフィン繊維,ポリウレタン,炭素繊維,ガラス繊維,不織布,合成皮革の製造法および特徴について解説する.
13 プラスチック(1)
プラスチック工業の歴史と現状,高分子の物性について解説する.ラジカル重合,カチオン重合,アニオン重合について高分子化学工業的見地から解説する.
14 プラスチック(2)
塊状重合,溶液重合,乳化重合および懸濁重合について解説し,付加重合系プラスチック,重付加系プラスチック,重縮合系プラスチックについて特徴および製造法を解説する.
15 プラスチック(3)
プラスチックの成型加工について解説し,機能性プラスチックについて構造および機能について解説する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 後期中間試験および後期定期試験を実施する.