2010 年度応用物理シラバス

【 2010 年度授業概要】
科　　　目			応用物理 ( Applied Physics )
担当教員			（前期）並河努准教授（後期）芝田道非常勤講師
対象学年等			都市工学科・4年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III )
学習・教育目標			A2(100%)
JABEE 基準1(1)			(c),(d)1
授業の概要と方針			「力学」問題に，「振動」，「波の伝搬」分野も加えた内容について理解する．具体的問題を取り上げて理解度を上げることを試みる．また，自然現象のうち，電気磁気的現象を理解する上で重要な基礎的概念を修得し，それを現実の問題に応用する能力を養う．
到達目標		1	【A2】力学で用いるベクトルの基本法則を意味を理解し，極座標系などの問題を解くことができる．
		2	【A2】質点の力学に関する基本法則を意味を理解し，重力や中心力などが作用する系にこの法則を適用して解くことができる．
		3	【A2】振動に関する基本法則を意味を理解し，振動系にこの法則を適用して解くことができる．
		4	【A2】剛体の力学に関する基本法則を意味を理解し，剛体の運動問題に関してこの法則を適用して解くことができる．
		5	【A2】連続体の振動に関する基本法則を意味を理解し，弦の振動問題などにこの法則を適用して解くことができる．
		6	【A2】電荷間に働くクーロン力，近接作用としての電界，電位などの関係を理解する．
		7	【A2】電流や電気抵抗の概念とその取り扱い方を理解する．
		8	【A2】磁界における磁荷に働く力，すなわち磁気のクーロンの法則について理解する．
		9	【A2】ファラデーの法則や諸定理の応用ができるようになる．
		10	【A2】電磁波の特性とそのエネルギーについて解説する．
評価方法と基準	到達目標毎	1	ベクトルの基本法則を理解しているかどうか演習問題のレポートおよび中間試験によって評価する．
		2	質点の力学に関する問題の解を求められるかどうかを演習問題のレポートおよび中間試験によって評価する．
		3	振動に関する問題の解を求められるかどうかを演習問題のレポートおよび定期試験によって評価する．
		4	剛体の力学に関する問題の解を求められるかどうかを演習問題のレポートおよび定期試験によって評価する．
		5	連続体の振動に関する問題の解を求められるかどうかを演習問題のレポートおよび定期試験によって評価する．
		6	電荷間に働くクーロン力，近接作用としての電界，電位などの関係を理解しているか中間試験で評価する．
		7	電流や電気抵抗の概念とその取り扱い方を理解しているか演習問題のレポートと中間試験で評価する．
		8	磁気のクーロンの法則について理解しているか中間試験で評価する．
		9	ファラデーの法則や諸定理の応用ができるか定期試験で評価する．
		10	電磁波の特性とそのエネルギーについて理解しているか定期試験で評価する．
	総合評価		成績は，試験80%　レポート20%　として評価する．100点満点とし60点以上を合格とする．試験成績は中間試験，定期試験の平均点とする．
テキスト			「高専の応用物理」：小暮陽三編集（森北出版）
参考書			「力学」：原島鮮著（裳華房）「基礎演習シリーズ振動と波」：長岡洋介著（裳華房）「電気磁気学」：石井良博著（コロナ社）「100問演習電磁気学」：今崎正秀著（共立出版）
関連科目			物理
履修上の注意事項			関連科目は1年および2年の物理である．本教科は1，2年の物理の内容を踏まえ，その応用および1，2年で触れなかった範囲を講義する．相互に関連の少ない幅広い分野の内容を学ぶことになる．授業に対する理解もその都度完結するよう，予習・復習に努めてほしい．

【授業計画（応用物理）】
回	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	ベクトルと速度・加速度
1	ベクトルの基本定理，速度ベクトル及び加速度ベクトルについて学習する．
2	ニュートンの運動の法則
2	ニュートンの運動の法則の復習を行う．
3	ニュートンの運動の法則　演習
3	放物運動など質点の運動に対する解がニュートンの運動の法則を使って解けることを学習する．
4	力学的エネルギーの保存則
4	力学的エネルギーの保存則と保存力場について学習する．
5	単振動
5	単振動の運動方程式について学習する．
6	減衰振動と強制振動
6	減衰振動と強制振動について学習する．
7	振り子の運動
7	振り子の運動について学習し，力学的エネルギーの保存則と保存力場について理解を深める．
8	中間試験
8	これまでに学んだ範囲について出題する．
9	質点系の運動量と角運動量
9	質点系の運動量と角運動量について学習する．
10	質点系の運動量と角運動量　演習
10	質点系の運動量と角運動量に関する具体例として中心力を受ける物体の運動について学習する．
11	剛体のつりあいと運動
11	剛体のつりあいと運動に関する基本定理について学習する．
12	剛体のつりあいと運動　演習1
12	滑車の運動など，具体的な剛体運動に関する演習を行い，剛体運動について理解を深める．
13	剛体のつりあいと運動　演習2
13	円盤の運動など，具体的な剛体運動に関する演習を行い，剛体運動について理解を深める．
14	連続体の振動
14	細い棒の縦方向の振動について学習する．
15	弦を伝わる波動（弦の振動）
15	張力で張られた弦を横にはじいたときの弦の振動について学習する．
16	静的な電気1（電荷と力）
16	静電場における電荷と電荷に働く力，すなわちクーロンの法則について解説する．
17	静的な電気2（ガウスの法則）
17	電界とは何かを解説し，ガウスの法則を論ずる．
18	静的な電気3（電気容量，誘電体）
18	電気容量と誘電体について解説し，更にその計算方法について言及する．
19	静的な磁気1（磁荷と力）
19	磁界における磁荷に働く力，すなわち磁気のクーロンの法則について解説．
20	静的な磁気2（磁性体）
20	いろいろな磁性体の特性について解説する．
21	電流と磁界1（電流）
21	オームの法則とキルヒホッフの法則について解説する．
22	電流と磁界2（超伝導）
22	よく知られた現象である超伝導について解説する．
23	中間試験
23	後期のこれまでに学んだ範囲について出題する．
24	中間試験解答，電流と磁界3（電流磁界の計算法）
24	中間試験の解答を解説する．荷電粒子に対するビオ－サバールの法則，アンペールの法則，ローレンツ力について解説する．
25	変動する電磁界1（電磁誘導）
25	コイルの電磁誘導について解説する．
26	変動する電磁界2（インダクタンス）
26	インダクタンスについて解説する．
27	変動する電磁界3（コイルと磁界）
27	コイルと磁界のエネルギーについて解説する．
28	電磁波1（変位電流）
28	拡張されたアンペールの法則について解説する．
29	電磁波2（電磁方程式）
29	マクスウェルの電磁方程式について解説する．
30	電磁波3（電磁波）
30	電磁波の特性とそのエネルギーについて解説する．
備考	本科目の修得には，60 時間の授業の受講と 30 時間の自己学習が必要である．前期，後期ともに中間試験および定期試験を実施する．