【 2010 年度 授業概要】
科   目 送配電工学 ( Transmission and Distribution of Electric Power )
担当教員 山本 和男 准教授
対象学年等 電気工学科・5年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III )
学習・
教育目標
A4-E4(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
最初に電力系統の発展の歴史を踏まえ,伝送回路の電気方式について学び,その後送・配電線の電気的機械的特性,送・配電系統の特徴,故障計算,保護継電装置などのその他送・配電設備の構成について学び,それらを踏まえ,電力系統の制御,安定度について学習する.



1 【A4-E4】 電力伝送設備の構成,構造を理解できる.
2 【A4-E4】 送電線の伝送特性を理解し,電圧降下や送電電力などの計算ができる.
3 【A4-E4】 対称座標法の計算ができ,送電線の故障時の解析ができる.
4 【A4-E4】 安定度の概念が理解できる.
5 【A4-E4】 電力伝送設備の制御を理解できる.
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1 送電設備の構成,電気方式などを理解しているかを送電設備のレポート課題や前期中間・定期試験で評価する.前期中間・定期試験では70%以上できることが望ましい.
2 送電線の伝送特性を理解し,電圧降下や送電電力などの計算問題が解けるかを前期中間試験において評価する.前期中間試験では70%以上できることが望ましい.
3 故障計算などの計算問題ができるかを後期中間試験において評価する.後期中間試験では70%以上できることが望ましい.
4 安定度の計算に関する理解度をレポートと後期定期試験で評価する.後期定期試験では70%以上できることが望ましい.
5 保護継電方式,無効電力制御などに関する基本的な概念に関する理解度を後期定期試験で評価する.後期定期試験では70%以上できることが望ましい.
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成績は,試験70% レポート30% として評価する.試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする.60%以上の評価で合格とする.
テキスト 「送電・配電」:電気学会(オーム社)
参考書 「送配電の基礎」:山口純一(森北出版)
関連科目 電気回路I(2年),電気回路II(3年),電気回路III(4年),発変電工学(5年)
履修上の
注意事項
基本となる電気回路を理解しておくこと.

【授業計画( 送配電工学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 電力系統の発達の歴史,電気方式
電力系統の発達の歴史,電気方式,周波数,電圧などについてわが国の状況を学ぶ.
2 演習,送電線路の電気的特性(1)
電気方式に関する演習ののち,送電線路の電気的特性として,線路定数,フェランチ現象について学ぶ.
3 送電線路の電気的特性(2)
電圧降下,送電容量,安定度,電力損失について学ぶ.
4 1,2章演習問題
電気方式,送電線路の電気的特性についてテキストの演習問題を解く.
5 送配電線路の機械的特性(1)
送電線路の構造を知り,機械的特性を学ぶ.宿題として送電鉄塔を各自スケッチする.
6 送配電線路の機械的特性(2)
支持物,支線強度計算の方法を学び,演習を行う.
7 中間試験
電力系統の構成,送電線路の特性などについて評価する.
8 試験解説,架空送電線路(1)
試験の解説を行い,架空送電線路の構成,(鉄塔,電線,碍子などの部品),ねん架について学ぶ.
9 架空送電線路(2)
架空送電線路のコロナやその他の事象,直流送電について学ぶ.
10 地中電線路(1)
地中電線路の構成,電力ケーブルの種類,特性,敷設について学ぶ.
11 地中電線路(2)
地中電線路の建設,保守,新しい電力ケーブルについて学ぶ.
12 4,5章演習問題
架空送電線路,地中送電線路についての演習問題を解く.
13 配電線路(1)
配電線路の構成,電気方式について学ぶ.
14 配電線路(2)
地中配電線,配電線路の建設保守,新しい配電方式,屋内配電について学ぶ.
15 6章演習問題
配電線路についての演習問題を解く.
16 定期試験の解説 短絡,故障計算(1)
定期試験の解説を行う.単位法,パーセント法についてについて学び,演習問題を解く.
17 短絡,故障計算(2)
簡易法を用いた故障計算について学び,演習問題を解く
18 短絡,故障計算(3)
対象座標法を用いた故障計算について学び,演習問題を解く.
19 短絡,故障計算(4)
故障計算の演習として,テキストの例題並びに演習問題を解く.
20 中性点接地方式,誘導障害
中性点接地方式,誘導障害について学び,演習問題を解く.
21 異常電圧
異常電圧について学び,演習問題を解く.
22 総配電線の保護継電装置(1)
送電線の保護継電装置の構成,方式,具備すべき条件について学び,演習問題を解く.
23 総配電線の保護継電装置(2)
配電線,高圧受電設備の保護,瞬時停電について学び,演習問題を解く.
24 中間試験
故障計算などを中心とした出題をする.
25 試験解説,電力系統の電圧,無効電力制御(1)
試験について解説を行う.電力系統の電圧,無効電力制御について理解するため,電力円線図などの演習問題を解く.
26 電力系統の電圧,無効電力制御(2)
電力系統の電圧,無効電力制御の方法について学び,演習問題を解く.
27 電力系統の運用方式と潮流制御
電力系統の運用方式と潮流制御の方法,潮流計算の方法について学ぶ.
28 電力系統の安定度
電力系統の安定度の解析方法の基本的な要素について学び,演習課題を提出する.
29 電力用通信システム
電力用通信システムの概要を学ぶ,10章の演習問題を解く.
30 全般の復習
全般の復習を行い,トピックを取り上げて解説する.


本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の自己学習が必要である. 前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.