2010 年度電気機器I シラバス

【 2010 年度授業概要】
科　　　目			電気機器I ( Electrical Machinery I )
担当教員			加藤真嗣准教授
対象学年等			電気工学科・4年・通年・必修・3単位 ( 学修単位I )
学習・教育目標			A4-E4(100%)
JABEE 基準1(1)			(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要と方針			電圧を変換する変圧器について説明し，動作原理や特性などを理解する．また，電気エネルギーを機械エネルギーに，あるいは機械エネルギーを電気エネルギーに変換する交流機と直流機の動作原理や構造を説明し，特性，運転方法，速度制御法などを理解する．4年で3単位，5年で1単位習得する．4年では，変圧器，誘導機，同期機を学ぶ．5年では，直流機と小形機について学ぶ．
到達目標		1	【A4-E4】電気機器の動作原理を説明するために必要な電気，磁気および回転機械系の計算問題を解ける．また，電気機器の特性の表現する方法を修得する．
		2	【A4-E4】変圧器の動作原理を理解し説明できる．また，等価回路による特性計算やベクトル図が作図できる．
		3	【A4-E4】三相及び単相誘導電動機の動作原理を理解し説明できる．また，等価回路による特性計算や速度制御法の説明ができる．
		4	【A4-E4】同期機の動作原理を理解し説明できる．また，電機子反作用の影響や並行運転方法が説明できる．
		5
		6
		7
		8
		9
		10
評価方法と基準	到達目標毎	1	フレミングの左手及び右手の法則，ファラデーの電磁誘導の法則などを理解できているか，また，各電気機器の特性を適切に表現できるか，レポートおよび前期中間試験で60%以上正解を合格として評価する．
		2	変圧器の動作原理，等価回路による特性計算，負荷を接続した場合のベクトル図が作図できるか，レポートおよび前期定期試験で60%以上正解を合格として評価する．
		3	三相及び単相誘導機の動作原理，一相当りの等価回路を用いた特性計算，比例推移などの速度制御法が理解できているか，レポートおよび後期中間試験で60%以上正解を合格として評価する．
		4	同期機の動作原理，電機子反作用の影響，並行運転する際の注意点を理解できているか，レポートおよび後期定期試験で60%以上正解を合格として評価する．
		5
		6
		7
		8
		9
		10
	総合評価		成績は，試験85%　レポート15%　として評価する．なお，試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする．100点満点で60点以上を合格とする．
テキスト			「エレクトリックマシーン＆パワーエレクトロニクス」：エレクトリックマシーン＆パワーエレクトロニクス編集委員会著（森北出版）
参考書			「電気機器学」：難波江彰ほか著（電気学会）「実用電気機器学」：森安正司著(森北出版）「電気機械工学」：天野寛徳，常広譲著(電気学会）
関連科目			電気磁気学I(3年)，電気回路I(2年)，電気回路II(3年)
履修上の注意事項			電気機器は電気磁気学のうちの磁気分野と電気回路に特に関連が深いので，よく理解しておくこと．5年は4年の内容を引き続いて行うので，4年で学んだことを理解し修得しておくこと．

【授業計画（電気機器I ）】
回	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	電気機器の分類と構成要素
1	電気機器には回転機と静止器があり，それらの分類と構成要素について説明する．
2	電磁現象の法則と概要
2	電気機器は電磁現象を利用しているので，必要な電磁現象を復習する．
3	回転機械系の方程式と特性の表記方法
3	回転機のトルクと電気機器の特性を表記する方法について説明する．
4	演習
4	電気機器の基礎分野の問題を演習することにより，さらに理解を深める．
5	理想変圧器
5	電気機器の静止器である変圧器の理想的な場合の動作原理について説明する．
6	変圧器の構造
6	変圧器の鉄心および巻線の構造と冷却方法について説明する．
7	実際の変圧器と等価回路
7	実際の変圧器とその等価回路について説明する．
8	中間試験
8	中間試験を実施する．
9	中間試験の解答と復習
9	中間試験の問題について解答・解説を行う．さらに，中間試験範囲を復習する．
10	変圧器の特性
10	変圧器の特性の算定法と変圧器回路の定数測定法について説明する．
11	変圧器の結線
11	変圧器の極性と三相結線の種類について説明する．
12	変圧器の並行運転
12	変圧器を2台以上並行運転する場合の方法について説明する．
13	特殊変圧器
13	単巻変圧器と計測用変成器について説明する．
14	演習
14	変圧器の問題を演習することにより，さらに理解を深める．
15	三相誘導電動機の原理と構造
15	三相誘導電動機の回転原理と構造について説明する．
16	定期試験の解答と復習
16	定期試験の問題について解答・解説を行う．さらに，定期試験範囲を復習する．
17	三相誘導電動機の理論(1)
17	三相交流で回転磁界を作る方法について説明する．
18	三相誘導電動機の理論(2)
18	回転磁界によって誘導される起電力，電流，トルクについて説明する．
19	三相誘導電動機の等価回路(1)
19	等価回路の導出過程を変圧器の等価回路と対比させながら説明する．
20	三相誘導電動機の等価回路(2)
20	等価回路定数の決定方法について説明する．
21	三相誘導電動機の特性算定式
21	等価回路から特性算定式を導出過程を説明する．
22	三相誘導電動機の特性(1)
22	すべりに対するトルクや機械的出力の特性について説明する．
23	三相誘導電動機の特性(2)
23	三相誘導電動機の速度特性，出力特性，比例推移について説明する．
24	三相誘導電動機の始動法
24	三相誘導電動機を安全に始動させる方法について説明する．
25	三相誘導電動機の速度制御法
25	三相誘導電動機の速度を制御する方法について説明する．
26	特殊かご形誘導電動機
26	かご形誘導電動機の始動特性を改善した特殊かご形について説明する．
27	単相誘導電動機
27	単相交流で駆動できる単相誘導電動機について説明する．
28	演習
28	誘導電動機の問題を演習することにより，さらに理解を深める．
29	同期機の原理
29	誘導機と同期機の違い，誘導起電力と周波数の関係について説明する．
30	中間試験
30	中間試験を実施する．
31	中間試験の解答と復習
31	中間試験の問題について解答・解説を行う．さらに，中間試験のテスト範囲の内容について復習する．
32	同期機の分類と構造
32	同期機の分類と構造について説明する．
33	同期機の誘導起電力とその波形
33	誘導起電力を正弦波に近づけるための巻線方法について説明する．
34	同期機の電機子反作用
34	電機子電流による電機子反作用について説明する．
35	同期機の基本特性(1)
35	フェーザ図を用いて電機子反作用について説明する．
36	同期機の基本特性(2)
36	無負荷飽和特性曲線と短絡特性曲線について説明する．
37	同期発電機の並行運転と過渡特性(1)
37	複数台の同期発電機を並行運転する方法について説明する．
38	同期発電機の並行運転と過渡特性(2)
38	同期発電機の安定度について説明する．
39	同期電動機
39	同期電動機の種類と運転および始動の特性について説明する．
40	同期機の試験法と励磁方式
40	同期機の回路定数の測定法と同期機の励磁方式について説明する．
41	演習
41	同期機の問題を演習することにより，さらに理解を深める．
42	直流機の原理と構造
42	直流機の回転原理と構造について説明する．
43	直流機の理論
43	誘導起電力とトルクを導出する方法について説明する．
44	直流電動機の特性
44	直流電動機の速度特性とトルク特性について説明する．
45	直流電動機の始動・制動および速度制御法
45	直流電動機を始動あるいは制動する方法と速度制御法について説明する．
備考	前期，後期ともに中間試験および定期試験を実施する．直流機の内容の一部については4年で講義するが，残りは5年で講義するので，直流機の到達度は5年の中間試験で評価する．