【 2010 年度 授業概要】
科   目 電子計測 ( Electronic Measurements )
担当教員 細川 篤 非常勤講師
対象学年等 電子工学科・4年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III )
学習・
教育目標
A4-D3(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
センサで計測された情報を利用して,各種装置の自動化や,目的に沿った制御がデジタルコンピュータを使って行われている.本授業では,このような計測制御の基礎的事項である,計測値のデータ処理,各種センサ,オペアンプによるデータ変換,AD・DA変換,デジタル計測器,オシロスコープなどについて学習する.



1 【A4-D3】 計測方法,計測値の処理を理解し,説明できる.
2 【A4-D3】 各種センサの原理を理解し,説明できる.
3 【A4-D3】 オペアンプを使用した各種データ変換を理解し,説明できる.
4 【A4-D3】 A/D・D/A変換回路を理解し,説明できる.
5 【A4-D3】 デジタルマルチメータの原理・構成・使い方を理解し,説明できる.
6 【A4-D3】 オシロスコープなどの波形表示・解析装置の原理・構成・使い方を理解し,説明できる.
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1 各種計測方法について説明できるか,また与えられた計測値に対して最小二乗法を用いてデータ処理が行えれるかを前期中間試験で評価する.
2 各種センサの原理を説明できるか,またこれらを用いた計測回路の動作を説明できるかを前期中間試験,前期定期試験で評価する.
3 オペアンプを使用した各種データ変換回路が説明できるか,後期中間試験で評価する.
4 はしご形DA変換器,逐次比較形AD変換器,2重積分形AD変換器などを理解し,説明できるかを,後期中間試験で評価する.
5 デジタルマルチメータについて理解できているかを後期定期試験で評価する.
6 波形表示・解析装置が理解できているかを後期定期試験で評価する.
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成績は,試験100% として評価する.試験成績は4回の試験の単純平均である.総合評価は100点満点とし,60点以上を合格とする.
テキスト 「電子計測と制御」:田所嘉昭(森北出版)
参考書 「電磁気計測」:岩崎俊(電子情報通信学会編)
関連科目 D3「計測工学」
履修上の
注意事項
3学年の「計測工学」を理解しておくこと.

【授業計画( 電子計測 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 電子計測の基礎(1)
授業方針を説明した後,測定の方法,測定値の評価について学習する.
2 電子計測の基礎(2)
測定データ処理(最小二乗法,標準偏差)について学習する.
3 電子計測の基礎(3)
単位系について学習し,演習問題を解くことにより理解を深める.
4 光センサ(1)
フォトダイオード,フォトトランジスタ,フォトカプラについて学習する.
5 光センサ(2)
CCDイメージセンサ,CdSセルについて学習する.光電管,光電子増倍管(フォトマルチプライヤ)について学習する.
6 磁気センサ(1)
電磁誘導について復習し,ホールセンサ,磁気抵抗素子について学習する.
7 復習
今までの内容をまとめて復習する.
8 中間試験
単位系,測定の方法,最小二乗法,CdSセル,フォトダイオード,フォトトランジスタ,フォトカプラなどについて試験する.
9 中間試験結果の解説
中間試験の内容について個別に解説する.
10 磁気センサ(2)
磁気センサの応用である,磁界測定,電流測定,無接触スイッチ,変位センサにつて学習する.
11 圧力センサ
圧力と単位を理解し,ストレンゲージ,静電容量式圧力センサ,誘導式圧力センサについて学習する.
12 温度センサ
白金測温抵抗体,サーミスタ,熱電対について学習する.
13 位置センサ
直線位置センサ,回転位置センサ,近接スイッチについて学習する.
14 超音波センサとその他のセンサ
圧電振動子について学習した後,超音波応用計測を理解する.また湿度センサ,ガスセンサ等について学習する.
15 復習
これまでの内容をまとめて復習する.
16 定期試験の解説
定期試験の内容について個別に解説する.
17 レベル変換
差動増幅器について学んだ後,オペアンプの基礎知識について学習する.オペアンプによる各種演算増幅,ボルテージフォロア回路について学習する.
18 電圧―周波数変換
信号の長距離伝送に有利な,オペアンプを使った電圧―周波数変換について学習する.
19 周波数―電圧変換
18回目で学習した周波数変換された信号を受信側では逆に電圧に変換する必要がある.その際につかわれる,オペアンプを使った周波数―電圧変換回路について学習する.
20 D−A変換
アナログ,デジタル量の基礎,D−A変換回路について学習する.
21 A−D変換
A−D変換の基礎,直接比較方式,計数方式について学習する.また,2重積分方式A−D変換について学習する.
22 復習
これまでの内容をまとめて復習する.
23 中間試験
A-DおよびD-A変換,VFおよびFV変換,超音波応用計測などについて試験する.
24 中間試験の解説
中間試験の内容について個別に解説する.
25 アナログメータとデジタルメータ
アナログメータとデジタルメータの相違について学習する.
26 デジタルマルチメータ
デジタルマルチメータの構成,抵抗−直流電圧変換について学習する.交流電圧−直流電圧変換,電流−電圧変換回路について学習する.
27 オシロスコープ
オシロスコープの原理,構成について学習する.水平軸回路,プローブ,帯域幅などについて学習する.
28 その他の波形表示・分析装置
デジタルストレージスコープ,ロジックアナライザ,デジタルスペクトラムアナライザについて学習する.
29 デジタル計測制御システム
センサ,データ変換,A/D・D/A変換,入出力インタフェース,制御装置,コンピュータから構成されるデジタル計測制御システムについて学習する.
30 復習
これまでの内容をまとめて復習する.


本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の自己学習が必要である. 前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.