【 2010 年度 授業概要】

科　　　目			電気回路II ( Electric Circuit II )
担当教員			尾山 匡浩 助教
対象学年等			電子工学科・3年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育 目標			A4-D1(100%)
授業の概要 と方針			電気回路網で成立つ法則を理解し，回路の解析に必要な各種手法について習熟する．さらに伝送回路としての電気回路の基本を学ぶ意味で，二端子対回路の各種パラメータ，フィルタ回路について学習する．
到 達 目 標		1	【A4-D1】 相互誘導の概念を理解できる．また，相互誘導を含む電気回路の計算ができる．
		2	【A4-D1】 ベクトル軌跡の概要が理解でき，インピーダンスや電圧・電流の軌跡を表すことができる．
		3	【A4-D1】 重ね合わせの理，相反定理，テブナンの定理，ノートンの定理，補償定理を理解し，電気回路の計算に応用できる．
		4	【A4-D1】 スターデルタ変換について理解し，公式を用いて計算に応用できる．
		5	【A4-D1】 二端子対回路について理解し，アドミタンスパラメータ，インピーダンスパラメータ，四端子パラメータが求められる．
		6	【A4-D1】 低域フィルタ，高域フィルタ，帯域フィルタなどの フィルタ回路の概念を理解することができる．
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評 価 方 法 と 基 準	到 達 目 標 毎	1	変圧器を用いた回路の電圧や電流が算出できるかどうかを前期中間試験及びレポートにより評価する．
		2	相互インダクタンスを含むブリッジ回路における電流や電圧の算出やベクトル軌跡を表すことができるかを前期中間試験及びレポートにより評価する．
		3	重ね合わせの理やテブナンの定理などを用いて電圧や電流などを算出できるかどうかを前期定期試験及びレポートにより評価する．
		4	スターデルタ変換公式を用いた計算や最大有効電力定理の導出を理解できるかどうかを後期中間試験及びレポートにより評価する．
		5	四端子パラメータであるインピーダンスパラメータやアドミタンスパラメータなどを理解し，各種パラメータの算出が行えるかどうかを後期定期試験及びレポートにより評価する．
		6	低域フィルタ，高域フィルタ，帯域フィルタなどのフィルタの概念を理解しているかどうかを後期定期試験及びレポートにより評価する．
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	総 合 評 価		成績は，試験85%　レポート15%　として評価する．なお，試験成績は，4回の試験(前期中間，前期定期，後期中間，後期定期)の算術平均とし，試験成績とレポートの点数が100点満点で，60点以上で合格とする．
テキスト			「電気回路　1 　専修学校教科書シリーズ　1 直流・交流回路編」：早川義晴，松下祐輔（コロナ社） 「電気回路　2 専修学校教科書シリーズ　2 回路網・過渡現象編」：　阿部鍼一，柏谷英一，亀田俊夫，中場十三郎（コロナ社）
参考書			「電気回路II」：遠藤勲，鈴木靖共著（コロナ社） 「電気回路演習ノート」： 森真作， 南谷晴之共著 (コロナ社) 「大学課程 電気回路（1）」：大野克郎，西哲生（オーム社） 「詳細電気回路演習 下」： 大木眞二郎 (共立出版)
関連科目			D1「数学I」及び「数学II」，D2「電気回路I」，D4「電気回路III」及び「電子回路I」
履修上の 注意事項			本授業を受講するにあたっては，複素数の計算ができること．また，簡単な直流および交流回路において，インピーダンス，電圧，電流等が求められること．

【授業計画（ 電気回路II ）】

週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	相互誘導回路
	自己インダクタンスと相互インダクタンスについて理解し，これを用いた回路に適用できる．
2	結合係数と結合回路
	相互インダクタンスにおける結合係数を算出でき，これを含んだ結合回路の計算ができるようになる．
3	M結合回路の等価回路
	磁気結合回路を電気的に結合した等価回路に置き換えることができる．
4	合成インダクタンスとブリッジ回路
	直列接続したコイルの合成インダクタンスを求めることができ，相互インダクタンスを含むブリッジ回路へ応用することができる．
5	ベクトル軌跡
	ベクトル軌跡の概要を理解し，インピーダンスベクトル軌跡をグラフに表すことができる．
6	電圧・電流のベクトル軌跡
	R-L直列回路の電圧・電流のベクトル軌跡について理解し，グラフに表すことができる．
7	演習1
	第1〜6週目で学習した内容に関する演習問題を行う．演習問題を解きながら，各人の理解度の確認を行う．
8	中間試験
	第1週〜第7週までの講義内容について中間試験を行う．
9	中間試験の解説とキルヒホッフの法則
	中間試験の解答および解説を行う．交流回路におけるキルヒホッフの法則について理解し，簡単な電気回路に応用することができるようになる．
10	等価電源
	等価電圧源，等価電流源の意味を理解し，それぞれを用いた回路構成が理解できるようになる．
11	重ね合わせの理
	重ね合わせの理を様々な電気回路に適応し，回路電流や電圧が求められるようになる．
12	鳳−テブナンの定理
	鳳−テブナンの定理を用いて電気回路の計算ができるようになる．
13	等価電源による回路計算
	鳳−テブナンの定理に基づき，回路に等価電源による考え方を組み合わせることで，電気回路の問題を解けるようになる．
14	ノートンの定理
	ノートンの定理を用いて電気回路の計算ができるようになる．
15	演習2
	第9〜14週目で学習した内容に関する演習問題を行う．演習問題を解きながら，各人の習得の確認を行う．
16	定期試験の解説と帆足−ミルマンの定理
	定期試験の解答および解説を行う．帆足ーミルマンの定理について理解する．
17	帆足−ミルマンの定理を用いた回路
	帆足−ミルマンの定理を用いて電気回路の計算ができるようになる．
18	補償の定理
	補償の定理を用いて電気回路の計算ができるようになる．
19	相反の定理
	相反の定理を用いて電気回路の計算ができるようになる．
20	スターデルタ変換
	Δ-Y変換やY−Δ変換について理解でき，スターデルタ変換公式を用いて回路の計算に応用することができる．
21	最大有効電力定理
	負荷に供給される電力が最大となる電力定理の導出過程を理解し，回路に応用することができる．
22	演習3
	第16〜21週目で学習した内容に関する演習問題を行う．演習問題を解きながら，各人の習得の確認を行う．
23	中間試験
	第16週〜第22週までの講義内容について中間試験を行う．
24	中間試験の解説と二端子対回路網
	中間試験の解答および解説を行う．二端子対回路の概要について理解することができる．
25	行列を用いた一次変換
	2端子回路網における伝達行列・逆行列を適用した計算について理解できる．
26	YパラメータとZパラメータ
	2端子回路網におけるYパラメータとZパラメータの意味を理解し，基本的な回路に対してこれらのパラメータの計算ができるようになる．
27	Fパラメータ
	2端子回路網におけるFパラメータの意味を理解し，基本的な回路に対して，4端子定数の計算ができるようになる．
28	フィルタの概要
	低域フィルタや高域フィルタなどフィルタの種類とその動作について理解し，与えられた条件のフィルタ回路の動作が理解できるようになる．
29	低域フィルタと高域フィルタ
	定K形帯域フィルタの意味を理解し，与えられた条件のフィルタ回路が設計できるようになる．
30	演習4
	第24〜29週目で学習した内容に関する演習問題を行う．演習問題を解きながら，各人の習得の確認を行う．
備 考	前期，後期ともに中間試験および定期試験を実施する．