【 2010 年度 授業概要】
科   目 エネルギー工学 ( Energy Engineering )
担当教員 津吉 彰 教授
対象学年等 電気電子工学専攻・2年・前期・選択・2単位
学習・
教育目標
A4-AE5(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
本科目では,現状のエネルギー変換の基本をなす熱力学について基礎から学ばせる.熱力学を学ぶ中で,比較的身近な内燃機関や,発変電工学で学んだサイクルを復習する,最後に太陽光発電,地熱発電,風力発電といった自然エネルギー利用発電やMHD発電,燃料電池,熱電発電などといったこれまでとは異なる発電方式の基本的原理について解説する.



1 【A4-AE5】 熱力学で使用する物理量,単位系を理解し自由に使用できる.
2 【A4-AE5】 熱力学の第一法則,第二法則を理解し説明できる.
3 【A4-AE5】 エントロピー,エンタルピーの計算ができる.
4 【A4-AE5】 ランキンサイクルなど熱サイクルを理解し説明できる.
5 【A4-AE5】 扱った新しい発電方式を理解し,説明することができる.
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1 熱力学で使用する物理量,単位系に関する問題により,試験ならびに熱量計算のレポートで確認する.評価点の合計値60%以上を合格とする.
2 熱力学の第一法則,第二法則の理解に関連した問題により試験で確認する.60%以上を合格とする.
3 簡単な問題で,エントロピー,エンタルピーの計算に関する問題により試験ならびにT-s線図に関するレポートで確認する.試験30%,レポート70%の重み付けによる評価点の合計値60%以上を合格とする.
4 ランキンサイクルなど熱サイクルに関する問題により,試験で確認する.60%以上を合格とする.
5 扱った新しい発電方式を理解し,説明することができる事を試験,発電方式等に関するレポートで確認する.試験30%,レポート70%の重み付けによる評価点の合計値60%以上を合格とする.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.60%以上の評価で合格とする.
テキスト プリントを配布する.
参考書 副読本を配布する.
「エネルギー変換工学」:谷辰夫(コロナ社)
「熱力学 JSMEテキストシリーズ」:日本機械学会(日本機械学会)
関連科目 発変電工学など
履修上の
注意事項
テキストとして使用するプリントの保管を忘れないようにしてください.

【授業計画( エネルギー工学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 最近のエネルギー事情と統計の見方
わが国,世界のエネルギー事情について学ぶ.エネルギー消費が環境に与える影響について学ぶ事に関係し,KEMSについて解説する.
2 エネルギー変換の基礎(熱力学の法則)
熱力学の法則について学び簡単な演習を行う.
3 熱力学の第一法則とエンタルピー
熱力学の第一法則とエンタルピーについて学び簡単な演習を行う.
4 熱力学の第二法則とエントロピー,T-s 線図
熱力学の第二法則とエントロピー,T-s線図について学び簡単な演習を行う.
5 エントロピーの計算
エントロピーの計算について学び,熱力学第2法則と結びつく演習問題を解き,有効仕事の変化について考える.
6 理想気体の性質
理想気体の性質について学び,ガス定数や状態式に関係する問題を解く.
7 理想気体の状態変化と熱機関
理想気体の状態変化の計算を行い,熱機関に発展させる.等圧変化,等温変化を取り扱う.
8 理想気体の状態変化と熱機関(つづき)
理想気体の状態変化の計算を行い,熱機関に発展させる.等容変化,断熱変化などを取り扱う.
9 熱機関(蒸気サイクル)
カルノーサイクルからディーゼルサイクル,サバテサイクル,ランキンサイクルなどについて学び,熱機関についての知見を深める.
10 新しいエネルギー変換(太陽電池)
太陽電池の概要を学ぶ.
11 新しいエネルギー変換(熱電発電,MHD 発電)
熱電発電,MHD 発電の概要を学ぶ.
12 新しいエネルギー変換(燃料電池)
燃料電池の概要を学ぶ.
13 新しいエネルギー源
エネルギー資源について統計や特性などを学ぶ.
14 従来システムの熱効率の向上
現在のエネルギーシステムの現状や問題点,今後の開発動向を学ぶ.
15 総括
今後のエネルギー開発がどのようにすすめられるか,地球の環境保全との関係も含め考察する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期定期試験を実施する.