【 2010 年度 授業概要】
科   目 先端半導体デバイス ( Advanced Semiconductor Devices )
担当教員 市川 和典 講師
対象学年等 電気電子工学専攻・1年・後期・選択・2単位
学習・
教育目標
A4-AE2(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
最先端の半導体デバイスについて,材料,デバイス構造,新原理などの観点から学習する.始めに,トランジスタの微細化の現状と問題点や,半導体製造技術や評価技術などの基礎を学習する.その後,カーボンナノチューブや単電子トランジスタなどHigh-kなど,まだ実用化されていない新技術や先端材料について学習し,最終的には先端の半導体デバイスはこれまで学習してきたトランジスタの構造や材料とは大きく異なることを理解する.



1 【A4-AE2】 トランジスタの微細化の現状と問題点について説明できる
2 【A4-AE2】 半導体の製造技術や評価技術について説明できる.
3 【A4-AE2】 微細化の問題点を解決するための先端材料の優位性について説明できる.
4 【A4-AE2】 有機化学やバイオテクノロジーなど半導体とは異なる分野との融合により発展していることを理解できる.
5 【A4-AE2】 ナノテクノロジーや量子効果について簡単に説明できる.
6  
7  
8  
9  
10  












1 トランジスタの微細化の現状と問題点について後期中間試験で問い,評価する.
2 半導体の製造技術や評価技術について後期中間試験で出題し,評価する.
3 先端材料を用いる優位性について後期中間試験で問うことで評価する.
4 単結晶Si基板に代わる材料を用いたデバイスについて後期定期試験により評価する.
5 有機化学やバイオテクノロジーなど半導体とは異なる分野との融合について後期定期試験により評価する.
6  
7  
8  
9  
10  




成績は,試験100% として評価する.試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト プリントを配布する.
参考書 「半導体デバイスの物理」 : 岸野 正剛 (丸善社)
「半導体材料とデバイス」 :松波 弘之(岩波書店)
「低温ポリシリコン薄膜トランジスタの開発」:浦岡 行治(シーエムシー出版)
関連科目 電子デバイス(電子工学科3年),電子工学(電気工学科3年),半導体工学(電気工学科4年),電気材料(電気工学科5年)
履修上の
注意事項
関連科目で学習した内容を理解しておくこと.

【授業計画( 先端半導体デバイス )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ムーアの法則とトランジスタの微細化の現状
この講義のガイダンスと,ムーアの法則に従って行われてきたトランジスタの微細化の歴史と現状について説明する.
2 半導体製造プロセス
洗浄からフォトリソグラフィーやCVD装置などの成膜技術まで半導体製造プロセスについて説明する.
3 半導体評価技術
SEMやAFMなどの表面観察などの評価技術について説明する.
4 先端デバイス構造 I
ダブルゲート構造,Fin構造などの最先端のデバイス構造について説明する.
5 先端デバイス構造II
部分空乏型および完全空乏型SOI基板を用いたトランジスタについて構造と特性向上のメカニズムについて説明する.
6 先端材料I
High-k,メタルゲート,ひずみSiなどの先端材料を用いたトランジスタについて説明する.
7 先端材料II
パワーデバイスやワイドギャップ半導体といわれるSiCを用いたトランジスタについて説明する.
8 中間試験
1から7までの授業の内容について試験を行う.
9 単電子トランジスタ
究極の低消費電力デバイスといわれる単電子トランジスタについて説明する.
10 カーボンナノチューブ
カーボンナノチューブについての基礎からデバイス応用までを説明する.
11 有機デバイス
有機トランジスタや有機ELなど有機デバイスについて説明する.
12 薄膜トランジスタ(TFT)技術
液晶ディスプレイの駆動素子として用いられるアモルファスシリコンTFTやポリシリコンTFTおよび結晶化技術について説明する.
13 ナノテクノロジーと量子効果
トンネル効果やクーロンブロッケードなどの量子効果について説明する.
14 バイオテクノロジーと半導体を融合させたデバイスについて
フェリチンタンパクを中心に,バイオテクノロジーと半導体を融合させたデバイスについて説明する.
15 先端メモリデバイス
次世代メモリといわれるSiドット型フローティングゲートメモリやMONOSメモリを中心に説明する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 後期中間試験および後期定期試験を実施する.