【 2009 年度 授業概要】
科   目 応用計測 ( Applied Measurement Engineering )
担当教員 武縄 悟 講師
対象学年等 機械工学科・5年C組・前期・必修・1単位 ( 学修単位I )
学習・
教育目標
A4-M3(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
科学技術の進歩,工学分野の技術革新において計測技術の果たす役割は大きい. 計測技術はエレクトロニクス技術,マイクロマシニング製造技術,情報処理技術の発展とともに日々進歩しているが,物理現象を利用したセンシング原理は不変のものが多く,各種センサの原理と物理現象の関係やそれらセンサが工業,産業分野の発展に役立っている応用事例について概説する. また,簡単な実験を通じ,物理現象に対する計測と理論の相互補完関係を習得させる.



1 【A4-M3】  計測工学で学んだ各種検出器(センサ)の原理について,その原理と物理的効果の関連性を完全に理解できる.
2 【A4-M3】  各種検出器(センサ)が工業,産業分野においてどのように利用されているか,また,それらセンサが新製品の開発や技術革新に重要な役割を果たしていることを認識する.
3 【A4-M3】  各種検出器(センサ)を適切する上での注意点と取り扱いや使用上の注意点がセンサの原理と関係していることが理解できる.
4 【A4-M3】  代表的なセンサを用いた実験結果と理論結果の比較検討を行い,結果に対する物理的な考察ができる.また,実験と理論が相互補完関係にあることを認識する.
5 【A4-M3】  エレクトロニクス技術とマイクロマシニング技術,情報処理技術の進歩がセンシング技術の動向に依存していることを認識する.
6 【A4-M3】  簡単なセンサを考案することができる.
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1 センサの原理と物理効果の関係を試験により評価する.
2 センサが実際の製品に応用されていることを試験により評価する.
3 センサを使用する上での長短所が理解できていることを試験により評価する.
4 実験結果と理論による計算結果に関し,結果比較検討し考察できるか試験により評価する.
5 センサの技術進歩に寄与している技術項目を試験により評価する.
6 具体的なセンサの設計ができることを試験により評価する.
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成績は,試験100% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「機械計測」:谷口修(養賢堂)
参考書 「機械計測」:岩田耕一ほか(朝倉書店)
「計測システム工学の基礎」:西原主計/山藤和男(森北出版)
関連科目 物理,工学系基礎科目全般
履修上の
注意事項
計測は電子,電気,力学,化学など工学に幅広い知識を必要とする工学であり,それら分野の講義の復習し学習すること.

【授業計画( 応用計測 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 科学,工学における計測の必要性について
各種物理量の計測は科学の進歩や工学分野の技術開発などに欠かせない技術であり,機械工学,電子・電気工学,制御工学など幅広い工学分野に必要不可欠な技術であることを学ぶ.
2 センサ(検出器)の種類と物理効果の関係
センシングエレメントに生じる物理現象(物理効果)とその物理効果とセンサの種類の関係について学ぶ.
3 歪ゲージの原理とその応用
歪ゲージは歪(応力)の検出エレメントの他に変位計,圧力計,荷重計,加速度計など検出エレメントとして利用される.その歪ゲージの原理とその応用例を学ぶ.
4 歪ゲージを用いた応力の計測方法
梁模型を対象に歪ゲージを用いた静的応力計測方法を学び,計測結果と梁理論による計算結果との比較検討を行い,考察力を育成する.
5 変位計の原理とその応用
変位計の種類と原理及びその応用例行いて学び,変位計使用上の注意点を学ぶ.
6 加速度計の原理とその応用
加速度計の種類と原理及びその応用例行いて学び,加速度計使用上の注意点を学ぶ.
7 加速度計を用いた振動数計測方法
梁模型を対象に加速度計を使用し田振動計測方法を学び,計測結果と梁理論による計算結果との比較検討を行い,物理的考察力を育成する.
8 中間試験
到達目標の達成度を中間評価する.
9 圧力計,荷重計の原理とその応用
圧力計・荷重計の種類と原理及びその応用例行いて学び,荷重計使用上の注意点を学ぶ.
10 加速度と力の関係(衝撃計測法)
ニュートンの法則によれば力と加速度は比例関係にあることから,加速度を計測することにより力を計測できることになるが,その計測上の注意点を学ぶ.
11 温度計の原理とその応用
各種装置の制御に用いられる温度計の種類と原理及び応用例を学ぶ.
12 流量計の原理とその応用
流体機械の性能,制御に用いられる流量計や流速計の種類と原理に及びその応用例を学ぶ.
13 回転体に対する計測方法
回転機械に対する物理量の計測方法はセンサの取り付け方,リード線の配線方法,電力や信号の伝達方法などに高度なノウハウが必要であるが,その具体的な計測事例について学ぶ.また,非接触センサを用い回転中の物理量を計測する事例について学ぶ
14 高温高圧場における計測方法
高温や高圧場で運転される構造体に対する物理量の計測方法ではセンサの選定,リード線の配線方法などに高度なノウハウが必要であるが,その具体的な計測事例について学ぶ.
15 最近のセンサおよび計測技術動向
MEMS技術を利用した超小型センサやエンジンや構造物の状態量監視技術など関する最新情報について学ぶ.


前期中間試験および前期定期試験を実施する.