科 目 | 世界史 ( World History ) | |||
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担当教員 | 町田 吉隆 准教授 | |||
対象学年等 | 全学科・5年・通年・選択・2単位 ( 学修単位I ) | |||
学習・ 教育目標 |
C3(80%) D2(20%) | |||
JABEE 基準1(1) |
(a),(b) | |||
授業の概要 と方針 |
16世紀から20世紀までの中国の歴史を学ぶ.具体的には清朝成立期から辛亥革命によって,中華民国が成立する期間を取り上げる.そこには東アジアの近世・近代を通観することによって,「巨大な隣人」の歴史的多様性を理解することが目的である. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【C3】 中国の歴史的環境を理解することができる. | 2 | 【C3】 最後の中華帝国であった清朝の歴史的事象を史料や小説を通じて理解することができる. | 3 | 【C3】 郷紳,皇帝独裁制,中華的世界観,近代化などの概念装置を用いて,伝統中国の歴史的性格を理解することができる. | 4 | 【D2】 当該地域における歴史的事象について民族紛争,国際紛争,異文化理解の観点から具体的に問題点を説明することができる. | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 中国の歴史的環境について理解できているかどうかを,定期試験で評価する. | |
2 | 清朝の歴史的事象を理解できているかどうかを,定期試験で評価する. | |||
3 | 伝統中国の歴史的性格を理解することを理解できているかどうかを,定期試験で評価する. | |||
4 | 当該地域における歴史的事象について民族紛争,国際紛争,異文化理解の観点から具体的に問題点を正確に,かつわかりやすく説明できるかどうかを,小テストで評価する. | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験90% 小テスト10% として評価する.到達目標1,2,3については前期・後期の定期試験の平均点で評価する.到達目標4については小テストで評価する.これらを総合して100点満点で60点以上を合格とする. | |||
テキスト | ノートおよびプリント講義 |
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参考書 | 増井経夫『清帝国』(講談社) 三田村泰助『明と清』(河出書房) 横山宏章『中華民国』 (中公新書) |
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関連科目 | 歴史(1年生),歴史(2年生),日本史(5年生) | |||
履修上の 注意事項 |
その他の参考文献,視聴覚資料については授業中に紹介する. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 導入 |
「中国」世界の自然環境,歴史的環境について概観する. | |
2 | 多民族国家としての中国(1) |
中国における民族とは何か.いくつかの定義を紹介し,その定義を具体的に検証する. | |
3 | 多民族国家としての中国(2) |
中華思想の概要を理解し,現代中国における民族問題を考える. | |
4 | 華夷変態(1) |
明末期の政治,社会状況について理解する. | |
5 | 華夷変態(2) |
清朝の成立過程について理解した上で,同時代の日本人による見聞記を読み,判明することをまとめる. | |
6 | 華夷変態(3) |
明清の交替が東アジア世界に与えた影響を理解する. | |
7 | 中華帝国の支配機構(1) |
清朝の中央と地方の政治機構について概観し,その歴史的特色を理解する. | |
8 | 中華帝国の支配機構(2) |
科挙制度について理解し,その政治的,社会的,文化的意義について考えたことをまとめる. | |
9 | 中華帝国の支配機構(3) |
科挙制とも関連する「郷紳」について,18世紀イギリスのジェントルマン,江戸期日本の武士との比較から,その特色について考えたことをまとめる. | |
10 | 皇帝独裁制(1) |
宋代以降に確立した皇帝独裁のしくみについて理解する. | |
11 | 皇帝独裁制(2) |
康煕帝の継嗣問題を通じて,皇帝独裁制の実態について理解する. | |
12 | 皇帝独裁制(3) |
雍正帝を例として,皇帝の政治,生活,人生について理解する. | |
13 | 中華帝国(1) |
清朝の対外発展と民族統治について,その過程としくみを概観する. | |
14 | 中華帝国(2) |
民族統治について,イスラーム教徒(回族,ウイグル族)およびチベットにおける実例を通して学ぶ. | |
15 | 清朝支配下の中国 |
前期に学んだ知見を通して,前近代中国社会の政治的,社会的な特色を考える. | |
16 | 18世紀の中国社会(1) |
清朝最盛期の農業と農村社会の実態を理解し,現代中国における農村問題との比較することによって,その特色をまとめる. | |
17 | 18世紀の中国社会(2) |
清朝最盛期の手工業と商業の実態を理解し,中国において産業革命が起こらなかった理由について考察する. | |
18 | 18世紀の中国社会(3) |
清朝最盛期の対外貿易の実態を理解し,近代的通商関係に対する中華帝国の意識を理解する. | |
19 | 西洋の衝撃(1) |
アヘン戦争の勃発とその歴史的背景について理解する. | |
20 | 西洋の衝撃(2) |
アヘン戦争の過程について理解し,この戦争が近代中国にもたらした問題を考える. | |
21 | 西洋の衝撃(3) |
アヘン戦争後の「同治中興」期の清朝と明治維新期の日本を比較することによって,近代化政策の多義的な性格を理解する. | |
22 | 衰退過程の清朝(1) |
太平天国の乱を中心に,19世紀中国社会に生じた社会変動について理解する. | |
23 | 衰退過程の清朝(2) |
日清戦争期の国際情勢と清朝の政治的混乱について理解する. | |
24 | 衰退過程の清朝(3) |
義和団事件と日露戦争期の国際情勢を理解し,東アジアにおける帝国主義の実態について考える. | |
25 | 清末の思想状況(1) |
変法派と革命派の思想について理解し,両者が競合,対立する過程について理解する. | |
26 | 清末の思想状況(2) |
魯迅の小説・評論を読み,清朝末期の知識人の置かれていた状況について理解する. | |
27 | 清末の思想状況(3) |
魯迅の思想を通して,中国における近代化について考察する. | |
28 | 辛亥革命(1) |
辛亥革命勃発前夜の社会状況について理解し,近代中国における「革命」の意味について考える. | |
29 | 辛亥革命(2) |
辛亥革命の過程について理解し,建国期の中華民国の実態と国際情勢の関係を把握する. | |
30 | 辛亥革命(3) |
辛亥革命後の中国について概観し,中国と東アジアにおける近代化の歴史的意義について考える. | |
備 考 |
前期定期試験および後期定期試験を実施する.授業中に自らの見解を説明する機会を設ける.積極的な参加を望む. |