【 2009 年度 授業概要】
科   目 電気回路II ( Electric Circuit II )
担当教員 下代 雅啓 教授
対象学年等 電気工学科・3年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-E1(100%)
授業の概要
と方針
まず直流回路解析について学習する.続いて,フェーザを用いた交流回路の記号解析法を学び,演習を通して回路解析に習熟する.さらに,グラフ理論に基づく回路網解析ならびに回路網に関する諸定理について学習する.後半では,二端子対回路網の取り扱い,ひずみ波交流の解析法,三相交流回路の基礎について学習する.



1 【A4-E1】  種々の直流回路について回路方程式をたて,それを解くことができる.
2 【A4-E1】  交流電圧・電流の表現法,交流回路における各種回路素子の働きがわかる.
3 【A4-E1】  フェーザを用いた記号法によって交流回路を解析することができる.
4 【A4-E1】  交流回路におけるグラフの概念がわかり,必要に応じて諸定理を適用することによって一般線形回路が解析できる.
5 【A4-E1】  受動二端子対回路網の取り扱いを理解し,回路解析ができる.
6 【A4-E1】  ひずみ波交流の取り扱いを理解し,ひずみ波交流の解析ができる.
7 【A4-E1】  三相交流回路における電流の流れや電力を解析することができる.
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1 キルヒホッフの法則を用いて種々の抵抗回路が解析できることを前期中間試験で評価する.
2 正弦波交流における,抵抗,コイル,コンデンサなどの働きを理解し,簡単な回路の解析ができることを前期中間試験で評価する.
3 RLCからなる代表的な回路を記号法によって解くことができ,複素インピーダンスのベクトル軌跡がわかることを前期定期試験で評価する.
4 枝電流法,閉路電流法,節点電位法に基づいて回路方程式をたて,それを解くことができることについて後期中間試験で評価する.
5 種々の二端子対回路網のインピーダンス行列や縦続行列を求め,回路網の解析ができることを後期中間試験で評価する.
6 与えられたひずみ波交流をフーリエ級数に展開し,ひずみ波解析ができることを後期定期試験で評価する.
7 種々の三相交流回路において,電源や負荷にY−Δ等価変換を施して回路解析ができることを後期定期試験で評価する.
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成績は,試験100% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「基礎電気回路1」〈第2版〉:有馬 泉,岩崎晴光(森北出版)
参考書 「詳解電気回路演習(上)」:大下眞二郎(共立出版)
「詳解電気回路演習(下)」:大下眞二郎(共立出版)
「電気回路基礎ノート」:森 真作(コロナ社)
「電気回路の基礎」:西巻正郎,下川博文,奥村万規子(森北出版)
関連科目 「基礎電気工学」,「電気回路I」,「電気数学」
履修上の
注意事項
1年生の「基礎電気工学」,2年生の「電気回路I」,「電気数学」と関連付けて講義するのでそれらの内容を十分理解しておくことが要求される.

【授業計画( 電気回路II )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 電気回路の構成
電源と主な回路素子について説明する.
2 直流回路解析の基礎
回路の接続法,キルヒホッフの電圧・電流法則について説明し,簡単な直流回路を解析する.
3 演習
2週目までの内容についての演習を行う.
4 正弦波交流
正弦波電圧・電流,平均値,実効値,位相について説明する.
5 交流回路における回路素子
交流回路における抵抗,コイル,コンデンサの働きを説明する.
6 RLC回路
直・並列RLC回路における電圧と電流の関係を説明する.
7 演習
4〜6週目の内容についての演習を行う.
8 中間試験
1〜7週目の内容,ならびにその関連問題から出題し,到達度を確認する.
9 フェーザ
正弦波交流における電圧・電流の複素表現および記号解析法について説明する.
10 複素インピーダンス
記号解析法に基づく複素インピーダンスの計算法とベクトル軌跡について説明する.
11 演習
9〜10週目の内容についての演習を行う.
12 共振回路
直列共振および並列共振について説明する.
13 相互誘導回路
相互誘導素子の回路表現,および相互誘導素子を含む回路の解析法について説明する.
14 逆回路および定抵抗回路
逆回路の概念,および周波数に依存しない一定の抵抗値をもつ回路について説明する.
15 演習
12〜14週目の内容についての演習を行う.
16 前期定期試験の解説
前期定期試験について解説し,理解不足の部分を補強する.
17 回路網におけるグラフの概念
一般線形回路の解析における,グラフ理論の基礎について説明する.
18 枝電流法
回路網における枝電流を未知数として回路方程式をたて,それを解く方法について説明する.
19 閉路電流法
回路網における閉路電流を未知数として回路方程式をたて,それを解く方法について説明する.
20 節点電位法
回路網における節点電位を未知数として回路方程式をたて,それを解く方法について説明する.
21 回路網における諸定理
重ね合わせの理,テブナンの定理,相反定理など,回路網解析において重要でかつ有効な諸定理について説明する.
22 演習
17〜21週目の内容についての演習を行う.
23 中間試験
主に16〜22週目の内容,およびその関連問題から出題し,到達度を確認する.
24 二端子対回路網
二端子対回路網を表現するための各種の行列について説明する.
25 二端子対回路網の接続
二端子対回路網における縦続接続,並列接続,直列接続について説明し,回路網解析の演習を行う.
26 ひずみ波交流とフーリエ級数
ひずみ波交流を解析するための数学的手法であるフーリエ級数について説明する.
27 ひずみ波交流の解析
ひずみ波交流の電圧,電流,電力について説明する.
28 対称三相交流の結線方式
対称三相交流における電源の結線方式および負荷の接続方法について説明する.
29 対称三相交流回路の解析
Y−Δ等価変換を用いた三相交流回路の解析法ならびに電力,回転磁界について説明する.
30 演習
26〜29週目の内容についての演習を行う.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.