【 2009 年度 授業概要】
科   目 電気製図 ( Electrical Drawing )
担当教員 山本 和男 准教授
対象学年等 電気工学科・2年・前期・必修・1単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-E1(50%) A4-E4(50%)
授業の概要
と方針
動作・機能を中心とした電気製図(配線図・接続図・系統図など)に必要な電気・計装関連規格による線,図,記号,及び文字記号を習得し,各規格の図記号・文字記号などを用いて基本的な実用図面を製図させる.文字記号・図記号と使用部品,回路図の意味を理解させながら図面の書き方を習得させる.



1 【A4-E1】  電気製図は機能,動作中心の図面であり,線・文字記号・図記号が基本である事が理解できる.
2 【A4-E1】  電気製図に必要な電気計装関連規格が理解できる.
3 【A4-E1】  電気用図記号と機器の名称が理解できる.
4 【A4-E4】  計装用記号と計器の名称が理解できる.
5 【A4-E4】  温度,圧力,流量及びレベルを計測するための簡単な計装系統図の内容が理解できる.
6 【A4-E1】  基本的な論理回路図記号と電磁リレー回路図の対比が理解できる.
7 【A4-E1】  制御ブロック図の内容と作成目的が理解できる.
8 【A4-E4】  標準的な高圧受電設備用単線接続図の内容が理解できる.
9 【A4-E1】  簡単なシーケンス制御回路図の内容が理解できる.
10 【A4-E1】  実際の製図において,正確にバランスよい図面が,期限内に作成できるようにする.












1 電気製図は機能,動作中心の図面であり,線・文字記号・図記号が基本である事が理解できているかを製図課題(提出物)と定期試験で評価する.定期試験では70%以上出来ることが望ましい.
2 電気製図に必要な,主な電気計装関連規格が理解できているかを製図課題(提出物)と定期試験で評価する.定期試験では70%以上出来ることが望ましい.
3 電気用図記号と機器の名称が理解できているかを製図課題(提出物)と定期試験で評価する.定期試験では70%以上出来ることが望ましい.
4 計装用記号と計器の名称が理解できているかを製図課題(提出物)と定期試験で評価する.定期試験では70%以上出来ることが望ましい.
5 温度,圧力,流量及びレベルなどを計測するための簡単な計測制御系統図が理解できているかを製図課題(提出物)と定期試験で評価する.定期試験では70%以上出来ることが望ましい.
6 基本的な論理回路図と電磁リレー回路図を対比して書くことができるかを製図課題(提出物)と定期試験で評価する.定期試験では70%以上出来ることが望ましい.
7 制御ブロック図に使用されている機器の文字記号,図記号及び自動制御器具番号が理解できているかを製図課題(提出物)と定期試験で評価する.定期試験では70%以上出来ることが望ましい.
8 高圧受電設備単線接続図で使用されている高圧受電設備機器の文字記号,図記号及び高圧受電設備の分類が理解できているかを製図課題(提出物)と定期試験で評価する.定期試験では70%以上出来ることが望ましい.
9 シーケンス制御回路図に使用されている機器の文字記号,図記号及び自動制御器具番号が理解できているかを製図課題(提出物)と定期試験で評価する.定期試験では70%以上出来ることが望ましい.
10 製図課題について,正確さ,全体のバランス,丁寧さ,提出期限で評価する.




成績は,試験50% レポート50% として評価する.到達目標1〜9の定期試験50%,到達目標1から10の製図課題50%(正確さ,全体のバランス,丁寧さ,提出期限,製図態度)の比率で総合評価する.製図課題(提出物)は,正確さ,丁寧さを重視する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト プリント
「電気製図」:実教出版社編集
参考書 記号・図記号ハンドブック :片岡 徳昌著(日本理工出版会)
JIS C 0617/IEC 6061シリーズ JIS電気用図記号 :(日本規格調査会)
シーケンス制御読本(ディジタル回路編) :大浜庄司著(オーム社)
シーケンス制御入門 :大浜 庄司著(オーム社)
JISハンドブック「電気設備工事」編 :日本規格調査会
関連科目 1年電気製図
履修上の
注意事項
この科目は1年生の電気製図で学習した線の区分,製図用文字,製図法などを基礎としている.製図器具(三角定規,コンパス,雲形定規又は曲線定規,30cmものさし,テンプレート,製図用シャープペンシル,字消し板,消しゴムなど)は,各自用意し持参のこと.製図用紙は,毎回支給する.

【授業計画( 電気製図 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 電気製図に必要な関連規格の概要および図面の描き方
動作,機能を中心とした電気製図とは,配線図・接続図・系統図等の図面であり,線・文字記号・図記号で表すことが出来る.図面は,書く側(作成者)から読む側(第3者)に正確に意思を伝達することである.その為には,一定のルールが必要である.,その為に制定された主な電気計装関連規格の概要について学習する.
2 電気用図記号(基本図記号)
電気用図記号は,機器の容量,寸法等に関係なく表すことが出来ることを図記号と機器名を対比して説明する.旧JIS(1999年廃止)から,新JIS(IEC規格に準拠)へ改正・制定されれた趣旨を概略説明する.又,電気用図記号の図面上の表し方について解説する.課題:「電気用図記号(基本図記号)」
3 電気用図記号(電力用図記号)
電気設備技術基準で定義された電圧の種別(低圧,高圧,特別高圧)について説明し,その中の高圧受電設備等で使用される電力機器の文字記号と図記号について,機器外観図と関連付けて解説する.課題:「自家用高圧受電設備用機器用図記号」
4 シーケンス制御設備機器用図記号
シーケンス制御」の定義について説明し,よく使用される機器の図記号と外観図を関連付けて解説する.特に,開閉接点の書き方,意味について解説する.又,新JISと旧JIS図記号について対比して説明する.課題:「シーケンス制御設備機器用図記号」
5 構内電気設備の配線用図記号(屋内配線用図記号)
構内電気設備の配線用図記号の中で,屋内配線用図記号について解説する.特に,照明器具の図記号,防水形または防爆形の表示方法,立上がり,立下り記号,3路点滅器の配線図と接続図など,身近な各家庭で使用されている機器の屋内配線用図記号について解説する.課題:照明・配線器具又は街路灯などの「屋内配線用図記号」
6 構内電気設備の配線用図記号(屋内配線図)
屋内配線平面図及び接続図の内容・目的及び配線図の書き方について解説する.課題:2階平面図の「屋内配線図」
7 計装用記号(基本記号)
計装記号はプロセス工業の生産工程図などに記載する計装制御の機能や設備を表すための計装図などを書く場合に用いる.これらの文字記号及び図記号を表す規格(JIS及びISA規格)と文字記号の構成について解説する.課題:「計装用記号(基本記号)」(流量,圧力,温度及びレベル制御ループなどに使用する計器の記号)
8 計装用記号(詳細記号)・計装系統図
計器を管理するために,各計器には計器番号(機能を表す文字記号とループ番号の組み合わせ)を付しており,これらの計器番号の必要性,採り方などを解説する.又,計器信号の種類と図記号について解説する.課題:簡単な「ボイラー計装系統図」
9 論理回路(2値論理素子)図記号
JIS規格とANSI規格(旧MIL規格)を対比して,基本的な論理回路図記号を解説する.課題:論理回路(2値論理素子)図記号」 (JIS規格,ANSI規格(旧MIL規格)及び一般に良く使われている記号を対比した図記号)
10 論理回路図と電磁リレー回路図
基本的な論理回路図記号を電磁リレー回路に展開した図面について解説する.特に,基本的な自己保持回路の論理回路図と電磁リレー回路図について解説し,理解させる.課題:自己保持回路を含む「論理回路図と電磁リレー回路図の動作対比」
11 制御(操作)ブロック線図
制御(操作)ブロック線図を作成する場合には,操作方法,操作場所,装置の保護方法,インターロックなどの検討が必要であることを発電機遮断器(発電機の1次側に設置)の例で解説する.課題:簡単な「発電機遮断器の制御(操作)ブロック線図」
12 単線接続図(高圧受電設備)
標準的な高圧受電設備の単線接続図をもとに,使用される機器の文字記号及び図記号と,その機能を概略解説する.また,電圧の種別によって,線の形,太さを区別して書く事などを解説する.課題:「高圧受電設備の単線接続図」
13 シーケンス制御回路図(展開接続図)
シーケンス制御用展開接続図の定義,目的及びシーケンス制御に用いられる図記号・文字記号・自動制御器具番号の適用規格について解説する. 又,自己保持回路の電磁リレー回路について,実態配線図で解説する.課題:簡単な「誘導電動機の始動・停止シーケンス回路(新JISと旧JIS 規格を対比)」
14 低圧動力単線接続図
機器リスト(低圧電動機,ヒータ電源,照明電源などの負荷リスト)の低圧動力単線系統図を作成する.電圧は高圧電源より降圧して使用し,線の太さの区別など解説する.使用機器:変圧器,配線用遮断器,電磁接触器,サーマルリレーなどで構成する.課題:「低圧動力単線接続図」
15 総合演習(復習)
これまでの学習内容について復習を行う.


前期定期試験を実施する.