【 2009 年度 授業概要】
科   目 電子工学実験実習 ( Laboratory Work in Electronic Engineering )
担当教員 林 昭博 教授,戸崎 哲也 准教授,西 敬生 准教授,長谷 芳樹 講師,長瀬 宗二 非常勤講師
対象学年等 電子工学科・2年・通年・必修・4単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-D1(40%) B1(20%) C4(20%) D1(20%)
授業の概要
と方針
電子工学に関する基礎事項および現象を実験実習により確認し,あわせてPCおよび計測器の基本的な使い方を習得する.また,報告書の書き方,期限内での報告書の提出を身につける.1クラスを4班に分け,班単位で実験実習を行う.4班並列に異なる実験実習を行うため,各班で実施する実験実習テーマの週は異なるが,1年間で行う実験実習のテーマは同じである.



1 【C4】  グループで協調して実験実習に挑み,期限内に実験報告書を提出できる.
2 【B1】  様式の整った図・表が書ける.
3 【D1】  機器の取り扱いに注意し,安全に実験に取り組むことができる.
4 【A4-D1】  PCを用いて図やグラフを作成でき,またそれらを含む文書をTeXで作成できる.
5 【A4-D1】  オシロスコープ,ホイートストンブリッジ,ダブルブリッジを用いた計測を行うことができる.
6 【A4-D1】  ダイオード,トランジスタ,FETの基本特性を測定でき,その特性を説明できる.
7 【A4-D1】  R,L,Cの直列回路・並列回路,および波形変換回路の特性を測定でき,その特性を説明できる.
8 【A4-D1】  基礎的な組合せ論理回路,順序回路が構成でき,それらの動作を説明できる.
9 【A4-D1】  可視光,赤外線,温度,磁気の各種センサの簡単な原理と応用例を説明できる.
10 【A4-D1】  パソコンの組み立てと分解工程,およびプリント基板の製作工程を説明できる.












1 各テーマへの取り組みと報告書(レポート)の提出状況で評価する.
2 各テーマの報告書(レポート)の内容で評価する.
3 各テーマへの実験の取り組みで評価する.
4 「PCを利用した図,グラフ,文書の作成」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.
5 「計測実験」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.
6 「半導体素子の特性測定」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.
7 「RLC回路の実験」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.
8 「論理回路の実験」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.
9 「各種センサの特性測定」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.
10 「PC組み立て実験」と「製作実習(直流安定化電源の製作)」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.




成績は,実験実習への取り組みと達成度および報告書(レポート)の内容と提出状況で総合的に評価する.1通でも未提出レポートがあるとき,原則として年間総合評価は不可となる.詳細は第1週目のガイダンスで説明する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「電子工学科・第2学年実験実習シラバス(計画書)」:プリント
「電子工学科・第2学年実験実習指導書」:プリント
「電子工学科・安全の手引き」:プリント
参考書 「知的な科学・技術文章の書き方」:中島利勝・塚本真也 共著(コロナ社)
関連科目 電子工学実験実習(本科1年),電子工学実験実習(本科3年),その他実験テーマの関連教科
履修上の
注意事項
実験実習計画書に記載の実験前の準備を行って実験に臨むこと.

【授業計画( 電子工学実験実習 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ガイダンス,安全教育,実験テーマの概要説明
詳細な電子工学実験実習シラバス(実験実習計画書)を配布し,評価方法,レポートの作成・提出方法・提出遅れの扱い,遅刻・欠席の扱い,班構成,実施日などの説明をする.また,当学年の安全に関する全般的な注意事項を説明する.その後,各テーマの概要とテーマに関係する安全に対する注意事項の説明を行う.
2 PC組み立て実験 (1) PCの組み立て
CPU,ハードディスク,各種PCIボード等をマザーボードに接続してPCを組み立て,ハード的な構成を理解する.
3 PC組み立て実験 (2) OSのインストール
組み立てられたPCにOSであるWindowsXPをインストールする.また,使用用途に応じたPCのカスタマイズ方法を理解する.
4 PC組み立て実験 (3) 各種ソフトウエアのインストールとPCの解体
ドロー系,オフィス系のソフトウエアをインストールし,それらの基本的な使用法を理解する.また,組み立てたPCを解体し,実験前の状態に戻す
5 PCを利用した図,グラフ,文書の作成 (1) PCによる作図
ドロー系ソフトウェアによる簡単な作図の方法を身につける.
6 PCを利用した図,グラフ,文書の作成 (2) PCによるグラフ作成
PCを用いたグラフの作成方法を身につける.
7 PCを利用した図,グラフ,文書の作成 (3) PCによる文書作成
図やグラフを含む文書をTeXで作成する方法を身につける.
8 計測実験 (1) 交流の振幅と位相
オシロスコープの使い方を再認識する.また,2つの素子の電圧を同時に計測し,その波形を観察することで,位相の差を確認する.
9 計測実験 (2) 直流ブリッジ
ホイートストンブリッジを用いて,中位抵抗の値を測定することによりその測定法を習得する.また,ダブルブリッジを用いて低抵抗を測定し,その測定及び動作原理を理解する.
10 計測実験 (3) 交流ブリッジ
交流ブリッジの原理を理解し,インピーダンスの測定を行うことができる.また,L,C素子には用途に応じていろいろな種類があることを理解する.
11 半導体素子の特性測定 (1) ダイオードの特性
ダイオードの特性を測定し,その基本的な働きについて理解する.
12 半導体素子の特性測定 (2) トランジスタの静特性
トランジスタの静特性を測定し,その基本的な働きについて理解する.
13 半導体素子の特性測定 (3) FETの静特性
FETの静特性を測定し,その基本的な働きについて理解する.
14 実験とレポートの講評および実験報告書(レポート)の指導
実験とレポートの講評をHR教室で行った後,各班毎に実験室に移動し,提出されたレポートについて,各実験担当者が個別に指導する.
15 工場見学またはビデオ鑑賞等
適宜,工場見学またはビデオ鑑賞等を実施する.
16 実験テーマの概要説明
HR教室において,実験担当者が各テーマの概要とテーマに関係する安全に対する注意事項の説明を行う.
17 RLC回路 (1) R,L,C回路素子の特性とL-C並列回路
R,L,C回路素子とL-C並列回路の周波数特性を測定し,R,L,Cの働きについて理解する.
18 RLC回路 (2) R-L-C直列回路
R-L-C直列回路の周波数特性を測定し,直列回路におけるR,L,Cの働きおよび共振特性を理解する.
19 RLC回路 (3) 波形変換回路
Rとダイオードを用いて入力波形の一部を取り出す波形変換回路(クリッパ回路,リミッタ回路),Cとダイオードを用いて直流レベルを変える波形変換回路(クランプ回路),RとCを用いて入力波形の微分,積分を行う波形変換回路(微分回路,積分回路)を構成し,入出力波形を観測して回路の働きを理解する.
20 論理回路の実験 (1) 基本ゲートの入出力電圧特性
基本ゲートの入出力電圧特性を測定し,素子の動作について学習する.
21 論理回路の実験 (2) 組合せ論理回路
基本ゲートからなる組合せ論理回路について実験し,ブール代数との関係について理解を深める.
22 論理回路の実験 (3) 順序論理回路
JK-FFについて実験を行い,順序回路の学習を行う.
23 各種センサの特性測定 (1) 光センサの特性
光センサの特性を測定し,その基本的な働きと応用例を知る.
24 各種センサの特性測定 (2) 赤外線センサと温度センサの特性
赤外線センサや温度センサの特性を測定し,その基本的な働きや応用例,赤外線について知る.
25 各種センサの特性測定 (3) 磁気センサの特性
磁気センサの特性を測定し,センサの基本的な働きと磁気メモリの原理の基礎を知る.
26 製作実習(直流安定化電源の製作) (1) プリント基板の製作
直流安定化電源用プリント基板を製作し,回路製作や設計の基礎を知る.
27 製作実習(直流安定化電源の製作) (2) ハンダ付け
電子部品をプリント基板へハンダ付けすることにより,回路製作の基礎を理解する.
28 製作実習(直流安定化電源の製作) (3) 電源の特性確認
作製した回路の動作確認の必要性と,直流安定化電源の基本的な動作について理解する.
29 実験とレポートの講評および実験報告書(レポート)の指導
実験とレポートの講評をHR教室で行った後,各班毎に実験室に移動し,提出されたレポートについて,各実験担当者が個別に指導する.
30 工場見学またはビデオ鑑賞等
適宜,工場見学またはビデオ鑑賞等を実施する.


中間試験および定期試験は実施しない.授業計画に記載の実験テーマは4班の中の1班に対しての計画であり,他の班は前期と後期毎に3週単位で異なったテーマを実施し,前期と後期毎に全員同じ実験実習を行う.