2009 年度応用微生物シラバス

【 2009 年度授業概要】
科　　　目			応用微生物 ( Applied Microbiology )
担当教員			下村　憲司朗　講師
対象学年等			応用化学科・5年・後期・選択・2単位 ( 学修単位II )
学習・教育目標			A4-C5(100%)
JABEE 基準1(1)			(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要と方針			本講義では，微生物に関する基礎知識と，有用物質の微生物による生産について概説するとともに，近年の新しい技術を紹介し，その応用の可能性を考察する．また，ヒトと微生物間の共生や病気についても解説を行う．
到達目標		1	【A4-C5】　微生物の基本的な性質，分類，取扱いについて理解できる．また，微生物を利用した物質生産，物質変換について理解できる．
		2	【A4-C5】　微生物細胞機能の遺伝子工学的改変について理解できる．
		3	【A4-C5】　微生物を利用したバイオレメディエーションについて理解できる．
		4	【A4-C5】　ヒトと微生物間の共生や感染症に対する基本知識について理解できる．
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評価方法と基準	到達目標毎	1	微生物の基本的な性質，分類，取扱いについて正確に答えることができるかを評価する．微生物を利用した物質生産・変換について説明することができるかを，中間試験およびレポート(10%)により評価する．
		2	遺伝子工学的手法を用いた微生物の機能改変について説明することができるかを，筆記試験（中間または定期試験）により評価する．
		3	微生物を利用した環境浄化技術について記述説明，図示することができるかを，筆記試験（中間または定期試験）およびレポート(10%)により評価する．
		4	ヒトと微生物間の共生や感染症について，説明できるかを筆記試験（中間または定期試験）により評価する．
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	総合評価		成績は，試験80%　レポート20%　として評価する．なお，試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする．100点満点で60点以上を合格とする．
テキスト			「バイオのための基礎微生物学」：扇元敬司（講談社）
参考書			「もう少し深く理解したい人のためのバイオテクノロジー　-基礎から応用展開まで-」：高木正道（地人書館）　「微生物工学」菊池慎太郎編著（三共出版）
関連科目			C4生物化学，生物工学
履修上の注意事項			生物化学：微生物の代謝反応を理解するために，生物化学で履修した代謝反応や各種生体成分に関する基礎知識が必要である．生物工学：生物工学で履修した微生物を利用した物質生産や遺伝子工学技術に関する基礎知識が必要である．

【授業計画（応用微生物）】
週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	微生物学の過去・未来
1	微生物学の背景について学び，応用微生物学の全体像を把握する．
2	微生物の構造と種類1
2	顕微鏡の種類について学ぶ．また，微生物の種類やそれぞれの特徴を理解する．原核微生物の性質についても理解する．
3	微生物の構造と種類2
3	真核微生物，とくに酵母に関する基礎知識と利用例について学ぶ．また，ウイルスの諸性質とライフサイクルについても理解する．
4	微生物の増殖
4	微生物が増殖するために必要な栄養や，詳細な増殖過程について理解する．また，増殖の測定方法についても学ぶ．
5	微生物育種とゲノム1
5	利用目的に応じた微生物細胞の育種，変異株の取得方法について学ぶ．
6	微生物育種とゲノム2
6	ゲノムの形質発現，ゲノミクスとプロテオミクスについて理解する．また，微生物同定手法についても学ぶ．
7	微生物制御とバイオセーフティー
7	無菌操作，殺菌・消毒剤など，微生物を実際に取り扱うための基礎知識を習得する．また，各種安全対策についても学ぶ．
8	中間試験
8	7回目までの内容について筆記試験を行う．
9	中間試験解答，微生物の代謝と調節
9	微生物細胞内で起こっている生化学反応，ならびにその調節機構について理解する．
10	バイオ産業
10	微生物の産業利用について学び，各種微生物の特性を生かした応用技術について理解する．
11	微生物酵素と製剤
11	微生物由来の酵素とその利用例について学ぶ．
12	環境浄化
12	微生物が係る物質循環について理解する．また，微生物等を用いたバイオレメディエーション技術についても学ぶ．
13	環境浄化
13	微生物を利用した水処理技術について学ぶ．
14	ヒトと微生物1
14	人と共生または感染する微生物の種類と，それらが引き起こす疾患について学ぶ．
15	ヒトと微生物2
15	微生物が引き起こす疾患について学び，適切な化学療法について理解する．
備考	後期中間試験および後期定期試験を実施する．