【 2009 年度 授業概要】
科   目 有機化学II ( Organic Chemistry II )
担当教員 小泉 拓也 講師
対象学年等 応用化学科・3年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-C1(100%)
授業の概要
と方針
前期は芳香族化合物を中心に命名法・合成・反応などについて解説する.また,分子模型を使って分子の三次元構造すなわち立体化学についても学習する.後期はカルボニル化合物を中心に命名法・合成・反応などについて解説する.



1 【A4-C1】  芳香族化合物およびエーテルの命名法・合成・反応について理解できる.
2 【A4-C1】  不斉を有する化合物における立体化学の基礎概念を理解できる.エポキサイドの命名法・合成・反応について理解できる.
3 【A4-C1】  アルデヒド,ケトンおよびカルボン酸の命名法・合成・反応について理解できる.
4 【A4-C1】  カルボン酸誘導体およびアミン類の命名法・合成・反応について理解できる.
5 【A4-C1】  エノラートイオンに関する反応について理解できる
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1 芳香族化合物およびエーテルの命名法および反応理論を理解し,それらの構造,反応を化学式や文章を用い説明できるかを前期中間試験,小テストおよびレポートで評価する.
2 立体化学の基礎的概念を理解し,化学式から立体を決定できるか,立体化学を化学式で表記できるかおよびエポキサイドの構造,反応を化学式を用い説明できるかを前期定期試験,小テストおよびレポートで評価する.
3 アルデヒド,ケトンおよびカルボン酸の命名法および反応理論を理解し,それらの構造,反応を化学式や文章を用い説明できるかを後期中間試験,小テストおよびレポートで評価する.
4 カルボン酸誘導体およびアミン類の命名法および反応理論を理解し,それらの構造,反応を化学式や文章を用い説明できるかを後期定期試験,小テストおよびレポートで評価する.
5 エノラートイオンの概念,反応理論を理解し,エノラートイオンに関する反応を化学式や文章を用い説明できるかを後期定期試験,小テストおよびレポートで評価する.
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成績は,試験80% レポート10% 小テスト10% として評価する.なお,試験成績は 4 回の試験の平均点とする.100 点満点で 60 点以上を合格とする.
テキスト 「基礎有機化学」 成田 吉徳訳 (化学同人)
参考書 「簡明化学命名法」 岡田 功編 (オーム社)
「ハート 基礎有機化学」秋葉 欣哉,奥 彬 共訳 (培風館)
「モリソン・ボイド 有機化学」中西 香爾,黒野 昌庸,中平 靖弘 訳 (東京化学同人)
関連科目 C2 有機化学 I
履修上の
注意事項
2 年生の有機化学 I で学んだ内容 (特に基礎理論,IUPAC 命名法) を十分学習し,理解しておくことが望ましい.

【授業計画( 有機化学II )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 芳香族化合物 (1)
ベンゼン環の反応性や芳香族性について解説する.
2 芳香族化合物 (2)
置換ベンゼン類の命名法について解説する.
3 芳香族化合物 (3)
芳香族求電子置換反応 (ハロゲン化,ニトロ化) についてその反応機構を説明する.
4 芳香族化合物 (4)
芳香族求電子置換反応 (スルホン化,Friedel-Crafts アルキル化,アシル化) についてその反応機構を説明する.
5 芳香族化合物 (5)
一置換ベンゼンの芳香族求電子置換反応における置換基効果による配向性変化について解説する.
6 芳香族化合物 (6)
多環式芳香族化合物や複素環式芳香族化合物の名称および性質について解説する.
7 エーテルとエポキサイド (1)
エーテルの命名法,性質,合成法について解説する.
8 中間試験
芳香族化合物およびエーテルの命名法,反応理論についての理解度を試験する.
9 中間試験解答
中間試験内容を黒板を用いて解説する.
10 エーテルとエポキサイド (2)
エポキサイドの命名法,合成法,反応性について解説する.
11 立体化学 (1)
鏡像異性体,キラル分子の概念について分子模型を用い解説する.
12 立体化学 (2)
キラル分子の立体的表現方法および Fischer 投影法,ラセミ化合物について解説する.
13 立体化学 (3)
キラル分子絶対配置表現法 (R, S 命名法) およびのアルケンの E, Z 命名法について解説する.
14 立体化学 (4)
キラル炭素が二つ以上ある分子の鏡像異性体やジアステレオマー,メソ化合物について解説する.
15 立体化学 (5)
キラルな環式化合物およびラセミ化合物の光学分割について解説する.
16 アルデヒドとケトン (1)
脂肪族,芳香族アルデヒドおよびケトンの構造,命名法および物理的性質について解説する.
17 アルデヒドとケトン (2)
脂肪族,芳香族アルデヒドおよびケトンの合成法について解説する.
18 アルデヒドとケトン (3)
脂肪族,芳香族アルデヒドおよびケトンの付加反応について解説する.
19 アルデヒドとケトン (4)
脂肪族,芳香族アルデヒドおよびケトンの付加脱離反応,酸化反応,還元反応について解説する.
20 カルボン酸 (1)
脂肪族,芳香族カルボン酸の構造,命名法,物理的性質および合成法について解説する.
21 カルボン酸 (2)
脂肪族,芳香族カルボン酸の酸性度,塩の性質,緩衝液について解説する.
22 カルボン酸 (3),カルボン酸誘導体 (1)
脂肪族,芳香族カルボン酸の還元反応およびエステル化について解説する.カルボン酸誘導体の構造と命名法について解説する.
23 中間試験
アルデヒド,ケトン,カルボン酸の命名法,合成法,反応性について試験する.
24 中間試験解答
中間試験解答を黒板を用いて解説する.
25 カルボン酸誘導体 (2)
カルボン酸誘導体の合成法および反応性について解説する.
26 付加反応と脱離反応 (1)
脂肪族カルボニル化合物 (アルデヒド,ケトン) の二分子縮合反応 (アルドール縮合) の反応機構について解説する.
27 付加反応と脱離反応 (2)
脂肪族エステル化合物の二分子縮合反応の反応機構および生成物である β-ケトエステルの脱炭酸について解説する.
28 アミン (1)
脂肪族,芳香族アミンの構造,命名法および物理的性質 (塩基性度,アミン塩) について解説する.
29 アミン (2)
脂肪族,芳香族アミンの合成法とアシル化反応,亜硝酸との反応について解説する.
30 アミン (3)
芳香族アミンから生成するアリールジアゾニウム塩を用いた置換反応,カップリング反応について解説する.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.