【 2009 年度 授業概要】
科   目 有機金属化学 ( Organometallic Chemistry )
担当教員 大淵 真一 教授
対象学年等 応用化学専攻・1年・後期・選択・2単位
学習・
教育目標
A4-AC1(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
有機金属錯体についての一般的基礎理論(歴史・命名法・結合の概念・電子構造・立体構造)について述べる.さらに,有機合成化学あるいは化学工業における有機金属錯体の役割を具体的な反応例を挙げて述べる.



1 【A4-AC1】  有機金属錯体の構造が理解でき,その名称が記述できる.
2 【A4-AC1】  有機金属錯体の結合(欠電子結合,パイ結合)が分子軌道理論を用いて説明できる.
3 【A4-AC1】  有機金属錯体の基本反応(配位子の解離と配位,酸化的付加,還元的脱離,挿入)が電子論で理解できる.
4 【A4-AC1】  化学工業における,触媒としての有機金属錯体の役割,反応機構,触媒サイクルが理解できる.
5 【A4-AC1】  合成反応における,触媒としての有機金属錯体の役割,反応機構,触媒サイクルが理解できる.
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1 有機金属錯体の構造が理解でき,その名称が記述できるかをレポートと後期中間試験で評価する.
2 有機金属錯体の結合(欠電子結合,パイ結合)が分子軌道理論で説明できるかをレポートと後期中間試験で評価する.
3 有機金属錯体の基本反応(配位子の解離と配位,酸化的付加,還元的脱離,挿入)が記述でき,電子論で説明できるかを後期中間試験で評価する.
4 化学工業における,触媒としての有機金属錯体の役割,反応機構,触媒サイクルが理解でき,記述できるかを後期定期試験で評価する.
5 合成反応における,触媒としての有機金属錯体の役割,反応機構,触媒サイクルが理解でき,記述できるかを後期定期試験で評価する.
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成績は,試験90% レポート10% として評価する.到達目標1,2,3についての中間試験を45%で評価する.到達目標1,2,3についてのレポート点10%で評価する.到達目標4,5についての試験45%で評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「有機金属化学−その多様性と意外性−」:小宮三四郎・碇屋隆雄(裳華房)
参考書 「化学選書錯体化学(改訂版)」:山崎一雄・池田龍一・吉川雄三・中村大雄(裳華房)
「化学選書有機金属化学−基礎と応用−」:山本明夫(裳華房)
関連科目 C2有機化学I,C3有機化学II,C4有機合成化学,C2無機化学I,C3無機化学II,AC1無期合成化学
履修上の
注意事項
上記科目を十分に理解した上で履修することが望ましい.

【授業計画( 有機金属化学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 有機金属錯体(1)
有機金属錯体について,その発見に至る経緯と構造を解説する.
2 有機金属錯体(2)
有機金属錯体の構造異性体,酸化数,配位数,命名法について解説する.
3 配位結合理論(1)
分子軌道理論を用いて錯体の結合理論を解説する.
4 配位結合理論(2)
欠電子結合,超原子価化合物,金属CO結合,金属パイ結合について解説する.
5 有機金属錯体の合成
有機金属錯体の合成法を解説する.
6 有機金属錯体の基本的反応(1)
配位子の解離と配位,酸化的付加と還元的脱離について解説する.
7 有機金属錯体の基本的反応(2)
挿入と脱離,配位子の反応について解説する.
8 中間試験
有機金属錯体の構造と命名が記述できるか,有機金属錯体の結合理論が理解できているか,有機金属錯体の基本的反応が理解できているかを試験する.
9 中間試験の解答.有機金属錯体を用いる工業触媒反応(1)
中間試験の解答を解説する.均一系と不均一系触媒の違い,Tieglar-Natta触媒について解説する.
10 有機金属錯体を用いる工業触媒反応(2)
オレフィンメタセシス,ヒドロホルミル化について解説する.
11 有機金属錯体を用いる工業触媒反応(3)
ワッカー法,メタノールのカルボニル化,モンサント法について解説する.
12 有機金属錯体を用いる合成触媒反応(1)
銅,ニッケル,パラジウム触媒を用いた炭素−炭素結合反応(クロスカップリング反応)について解説する.
13 有機金属錯体を用いる合成触媒反応(2)
パラジウム触媒を用いたアルケンのアリール化,アリル化について解説する.金属カルベン錯体を用いる反応について解説する.
14 有機金属錯体を用いる不斉触媒合成(1)
シクロプロパン化,不斉水素化について解説する.
15 有機金属錯体を用いる不斉触媒合成(2)
不斉異性化,不整酸化について解説する.


後期中間試験および後期定期試験を実施する.