【 2008 年度 授業概要】
科   目 応用物理 ( Applied Physics )
担当教員 熊野 智之 講師
対象学年等 機械工学科・4年C組・後期・必修・1単位 ( 学修単位I )
学習・
教育目標
A2(100%)
JABEE
基準1(1)
(c),(d)1
授業の概要
と方針
極小の世界や光速の世界といった”非日常的”な世界の物理法則を,現代物理学の誕生・発展の過程と共に学習し,定性的に理解できる能力を養う.また,それらの諸法則が”日常的”に恩恵を受けている最先端のテクノロジーの礎となっていることを,応用例を学習しながら理解する.



1 【A2】  原子,分子の概念および原子モデルの意味を理解できる.
2 【A2】  ボーアの仮説と実際のスペクトルの関係が理解できる.
3 【A2】  慣性系の概念と相対性理論について,基本的な事柄が理解できる.
4 【A2】  量子論について,基本的な概念および古典物理学との違いが理解できる.
5 【A2】  放射線の性質,核の崩壊の法則が理解できる.
6 【A2】  核反応,核分裂,核融合の概念が理解できる.
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1 トムソン,長岡半太郎,ラザフォード,ボーアの原子モデルについて,それぞれの特徴・違いおよび提案されるに至った背景を理解しているかを中間試験で評価する.
2 ボーアの仮説の意味と元素の発するスペクトルとの関係などについて理解できているかを中間試験で評価する.
3 ニュートン力学と相対性理論における慣性系に対する考え方の違い,アインシュタインの理論を理解しているかを定期試験で評価する.
4 不確定性の原理やシュレディンガーの方程式の成り立ちを理解しているかを定期試験で評価する.
5 α,β,γ各放射線の性質および核の崩壊との関係性を理解できているか定期試験で評価する.
6 種々の核反応,核分裂,核融合の起こる状況を理解しているか定期試験で評価する.
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成績は,試験100% として評価する.試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト プリント
「高専の応用物理」:小暮陽三編(森北出版)
参考書 「物理学(三訂版)」小出昭一郎(裳華房)
関連科目 3年応用物理,専攻科レーザー工学
履修上の
注意事項
3年の応用物理をよく理解し,履修すること.

【授業計画( 応用物理 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 原子と分子,原子論
原子論の成り立ちと化学反応との関連性について述べる.
2 電子の発見
電子の発見に至る背景と,トムソンの実験およびミリカンの実験について説明する.
3 X線と結晶
X線について, 発見された背景および特徴を説明した上で,結晶解析への応用について述べる.
4 光の粒子性
光電効果,コンプトン効果について説明し,光は電磁波であるが粒子性も有することを述べる.
5 原子核の発見
トムソンと長岡半太郎の原子模型について述べた上で,ラザフォードによる原子核の発見とその意味について説明する.
6 原子スペクトルとボーアの仮説
水素原子のスペクトルがどのような規則性を有するかについて述べ,ボーアの理論を通して電子のエネルギー状態について説明する.
7 演習
1〜6までの内容を演習する.
8 中間試験
中間試験までの授業の内容を中心に出題する.
9 中間試験解答
中間試験問題の解答と解説を行う.
10 相対性理論
ガリレイ変換,ローレンツ変換について述べ,ニュートン力学と相対性理論における慣性系に対する考え方の違いについて説明する.
11 量子論
量子の特徴,不確定性の原理,シュレディンガーの波動方程式について述べる.
12 放射性同位体と放射性崩壊
放射線の種類および特徴について説明した上で,放射性元素がどのように崩壊していくかを述べる.
13 核エネルギー
核反応とはどのような現象かについて述べると共に,質量とエネルギーの等価性について説明する.
14 核分裂, 核融合
核分裂,核融合がなぜ起きるかを結合エネルギーから説明し,その際に放出されるエネルギーについて述べる.
15 演習
10〜14までの内容を演習する.


後期中間試験および後期定期試験を実施する.