【 2008 年度 授業概要】
科   目 生物 ( Biology )
担当教員 津田 久美子 非常勤講師
対象学年等 電気工学科・3年・後期・必修・1単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A2(100%)
授業の概要
と方針
生物学の基礎を生化学・分子生物学的視点で講義する.生物体のエネルギー獲得機能について学習する.また,遺伝のしくみと遺伝情報の発現について学習する.なお,随時現代社会における生物科学技術の応用例,生命科学に課せられた問題点について解説する.



1 【A2】  エネルギー代謝の概念と異化・同化の過程を理解できる.
2 【A2】  さまざまな遺伝のしかたと遺伝子と染色体との関わりについて理解できる.
3 【A2】  遺伝情報にもとづくタンパク質の合成方法を理解できる.
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1 エネルギー代謝の概念と異化・同化の過程を理解できているか,中間試験およびレポートで評価する.
2 さまざまな遺伝のしかたと遺伝子と染色体との関わりについて理解できているか,定期試験で評価する.
3 遺伝情報にもとづくタンパク質の合成方法を理解できているか,定期試験およびレポートで評価する.
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成績は,試験70% レポート30% として評価する.2回の試験成績の平均点を70%,レポートを30%で総合評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 資料プリントを随時配布する.
参考書 授業で随時紹介する.
関連科目 特になし.
履修上の
注意事項
特になし.

【授業計画( 生物 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 本講義の概説 エネルギー代謝とATP
本講義の目標と,受講する上での注意事項の説明をおこなう.生物体を構成する物質の大部分は,代謝によって絶えず合成されたり分解されたりしている.また,生物体内に見られる秩序は,代謝によって維持されている.代謝の概念と,生物体内で代謝のなかだちをしているATPについて学習する.
2 異化
生物体内に取り入れた物質を簡単な物質に分解する代謝を異化といい,呼吸はその代表例である.呼吸には酸素を使う好気呼吸と酸素を使わない反応過程だけからなる嫌気呼吸があり,エネルギー生産効率に大きな差がある.その相違点について学習する.
3 実験:酵母のアルコール発酵
酵母菌の嫌気呼吸,すなわちアルコール発酵を確かめる実験をおこなう.
4 同化:植物の光合成
植物などが外界から二酸化炭素をとり入れ,これを炭素源として有機物を合成する働きを炭酸同化といい,光合成はその代表例である.光合成の発見の歴史と反応経路について学習する.
5 実験:同化色素の分離
植物葉に含まれている同化色素を薄層クロマトグラフィー(TLC)で分離する実験をおこなう.
6 同化:細菌の光合成と化学合成
細菌の多くは,栄養となる有機物を他の生物に依存して生活する従属栄養生物である.しかし,植物のように光エネルギーを利用して光合成を行う細菌も存在する.また,光エネルギーのかわりに無機物を酸化するときに得られる化学エネルギーを用いて二酸化炭素を固定し,有機物を合成する細菌も存在する.
7 実験レポート解説
実験レポート解説を行う.
8 中間試験
7週目までの内容について,中間試験を行う.
9 中間試験解説 遺伝の法則
親の形質(特徴ある形態や形質)が子に受けつがれる現象を遺伝といい,生物特有のものである.メンデルの法則を中心に,遺伝を支配する諸法則について概説する.
10 いろいろな遺伝
対立遺伝子の働きかたの違いにより,形質のあらわれかたが,メンデルの法則に従わないように見える場合がある.そのようなさまざまな遺伝のしくみについて学習する.
11 遺伝子と染色体の関係
遺伝子は染色体に存在するという考えを染色体説と呼ぶ.染色体説によって,連鎖という現象をうまく説明することができる.そのしくみについて学習する.
12 DNAとRNA
遺伝子の本体であるDNAは,生物の設計図という役割をもつ.DNAは複製され親から子へ受け継がれるとともに,DNAの遺伝情報をもとにタンパク質がつくられ,生物の多様な機能が発現する.その際活躍するRNAについて学習する.(DVD視聴)
13 実験:DNAの抽出
タマネギのDNAを抽出する実験をエタノール沈殿法でおこなう.
14 実験レポート解説
実験レポートの解説を行う.
15 実習:生命科学に関する文献を読む
各自が興味を持った生物・生命科学に関する最近の記事や論文を一つ取り上げ,その内容に関して論述する.


後期中間試験および後期定期試験を実施する.