2008 年度電子デバイスシラバス

【 2008 年度授業概要】
科　　　目			電子デバイス ( Electronic Devices )
担当教員			西敬生准教授
対象学年等			電子工学科・3年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育目標			A4-2(100%)
授業の概要と方針			我々の生活のいたるところで活躍する電子デバイスの開発の歴史や，動作原理，その構造について解説する．特に，どの部品がどんな役割を果たすのか，実際の部品と特性が合致することを目指す．
到達目標		1	【A4-2】　電子デバイスを製造しているメーカー名を5つは言え，2年生の時よりも知っている会社名が増えた．
		2	【A4-2】　 pn接合ダイオードやショットキーバリアダイオードなど種々のダイオードの簡単な原理や役割について説明することができる．
		3	【A4-2】　バイポーラトランジスタやFET，サイリスタなどの簡単な原理や役割について説明することができる．
		4	【A4-2】　発光ダイオードや太陽電池など光デバイスの原理や使い方について簡単に説明できる．
		5	【A4-2】　集積回路の役割について簡単に説明できる．
		6	【A4-2】　 DRAMやフラッシュメモリといった半導体メモリの種類について紹介できる．
		7
		8
		9
		10
評価方法と基準	到達目標毎	1	電子デバイスメーカーやその業種について問うような問題を前期中間試験で出題し評価する．
		2	種々のダイオードの動作原理について説明する問題を前期中間試験で出題し評価する．
		3	バイポーラトランジスタやFET，サイリスタなどのの動作原理について説明する問題を前期定期試験で出題し評価する．
		4	発光ダイオードなどの光デバイスの原理や使い方についてレポートや，説明問題を後期中間試験で出題し評価する．
		5	集積回路の役割について説明させる問題を学年末定期試験で出題し評価する．
		6	各種メモリに関する動作原理をまとめたレポートを出すとともに，DRAMやフラッシュメモリについて説明させる問題を学年末定期試験で出題し評価する．
		7
		8
		9
		10
	総合評価		成績は，試験90%　レポート10%　として評価する．試験成績は4回の試験の平均とする．総合評価においては100点満点中60点以上を合格とする．
テキスト			「半導体デバイス」春木弘（オーム社）
参考書			「電子デバイス工学」古川静二郎，萩田陽一郎，浅野種正（森北出版）「図解半導体業界ハンドブック」泉谷渉（東洋経済新報社）「半導体・ICのすべて」菊地正典，高山洋一郎，鈴木俊一（電波新聞社）「半導体デバイス」松波弘之，吉本昌広（共立出版）
関連科目			半導体工学（4年），光エレクトロニクス(5年)，電子応用(5年)
履修上の注意事項

【授業計画（電子デバイス）】
週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	電子デバイスとは
1	電子デバイス・電子部品について，半導体や集積回路，またそれらが用いられている電化製品・工業製品の歴史をたどりながら説明する．
2	日本メーカーと世界シェア
2	主に半導体業界を中心に，どんな業種があるか，どんな企業があるのかを紹介する．また日本メーカーの歴史や世界シェア，ランキングについても紹介する．
3	半導体について
3	電子デバイスの主役であるダイオードやトランジスタは半導体という物質を原料に作られる．この半導体とは何かについて説明する．
4	pn接合
4	p形半導体とn形半導体を接合したpn接合の特徴や整流性を示す原理について説明する．
5	ダイオードの仕組みと働き
5	pn接合のように整流性をもったデバイスであるダイオードの種類や特性，使い方などについて説明する．
6	種々のダイオードI
6	種々のダイオードの紹介およびその特性について解説する．
7	種々のダイオードII
7	前回の続きで種々のダイオードの紹介およびその特性について解説する．
8	中間試験
8	電子デバイスの意味や分類，半導体やpn接合，種々のダイオードについて説明させる問題を出す．
9	中間試験の解答，解説
9	中間試験の解答と解説および学生による学習目標達成度評価を行う．
10	バイポーラトランジスタI
10	半導体のp形とn形をnpnやpnpのように接合して作ったバイポーラトランジスタの動作原理について説明する．
11	バイポーラトランジスタII
11	前回に引き続いてバイポーラトランジスタについて解説する．
12	電界効果型トランジスタ(FET)I
12	FETの種類と構造，動作原理について説明する．
13	電界効果型トランジスタ(FET)II
13	MOS電界効果型トランジスタについて解説する．
14	サイリスタI
14	pn接合が多段に形成された電力制御用デバイスである種々のサイリスタの紹介とその動作原理や構造について解説する．
15	サイリスタII
15	前回に引き続きサイリスタについて解説する．
16	定期試験解答，解説
16	試験問題に関する解答，解説および学生による学習目標達成度評価を行う．
17	発光ダイオード(LED)の原理I
17	至る所で目にするようになった発光ダイオード(LED)について，半導体の光学的な性質から解説し，LEDの動作原理，発光色や使われている材料や構造に関する解説へとつなげる．
18	発光ダイオード(LED)の原理II
18	前回に引き続き，LEDの動作原理などについて詳述する．
19	発光ダイオード(LED)の使い方
19	前回までは原理について学んだが，今回は実際の回路を例にLEDの使い方について説明する．
20	太陽電池
20	クリーンエネルギーとして注目されている太陽電池についてその発電原理と構造，材料などについて説明する．
21	光センサーI
21	光センサーの構造や種類について説明する．
22	光センサーII
22	前回からの続きで，光センサーの原理について説明する．
23	中間試験
23	これまで説明した，集積回路や半導体メモリの役割や原理について説明させる問題や，どのようにすれば集積回路で論理回路が実現できるのかといったことを説明させる問題を出題する．
24	中間試験の解答，解説
24	中間試験の解答，解説および学生による学習目標達成度評価を行う．
25	集積回路の概要
25	集積回路(IC)の必然性や役割について説明するとともに，半導体集積回路の例を一部紹介する．
26	論理回路の実現I
26	NOTやAND，ORなど論理回路を集積回路でどのように実現しているのかを説明する．
27	論理回路の実現II
27	前回の続きで論理回路の実現について説明する．
28	半導体メモリの概要
28	RAMとROMに大別される半導体メモリの種類や用途について説明する．
29	DRAM
29	今や半導体産業，電子デバイスの代表的な製品であるDRAMの構造や記憶原理について説明する．
30	フラッシュメモリ
30	音楽プレーヤーや携帯電話の普及で非常に身近になった半導体メモリであるフラッシュメモリについてその構造や記憶原理について説明する．
備考	前期，後期ともに中間試験および定期試験を実施する．