【 2008 年度 授業概要】
科   目 生物化学 ( Biochemistry )
担当教員 下村 憲司朗 助教
対象学年等 応用化学科・4年・前期・必修・2単位 ( 学修単位II )
学習・
教育目標
A2(100%)
JABEE
基準1(1)
(c),(d)1
授業の概要
と方針
生化学は生物工学分野における高度な知識や技術を理解するためには必須の科目である.本講義では,生体を構成する主な化学物質について,その種類,化学構造の特徴と物理化学的性質,そして生体での主な役割を取り扱う.また,主要物質の合成,代謝についても解説する.



1 【A2】  真核生物と原核生物の相違を理解できる.動物細胞と植物細胞の構造,細胞内小器官の相違と各役割を理解できる.
2 【A2】  糖質の化学構造と生体内反応について理解できる.
3 【A2】  脂質の化学構造と生体内反応について理解できる.
4 【A2】  アミノ酸,タンパク質の化学構造と生体内反応について理解できる.
5 【A2】  酵素の性質,種類,触媒機構について理解できる.
6 【A2】  核酸の化学構造と生体内反応について理解できる.
7 【A2】  DNAの複製,遺伝情報の流れやタンパク質合成の過程について理解できる.
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1 細胞の構造と細胞小器官の役割を記述できるかを中間試験で評価する
2 糖質の種類,基本構造,またそれらが関与する化学反応について記述できるかを中間試験で評価する.
3 脂質の種類,基本構造,またそれらが関与する化学反応について記述できるかを中間試験で評価する.
4 アミノ酸やタンパク質の種類と基本構造,またそれらが関与する化学反応について記述できるかを定期試験で評価する.
5 酵素の種類と性質について記述でき,酵素反応のパラメーターを算出できるかを定期試験で評価する.
6 核酸の種類,構造,またそれらが関与する化学反応について記述できるかを定期試験で評価する.
7 DNAの複製について記述でき,遺伝子からタンパク質合成の過程について解説できるかを定期試験で評価する.
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成績は,試験100% として評価する.なお,試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「生体分子化学」:秋久俊博,長田洋子(共立出版)
参考書 「ヴォート 基礎生化学」:田宮 信雄ら 訳 (東京化学同人)
「マッキー 生化学」:市川 厚 訳 (化学同人)
「ホートン 生化学」:鈴木 紘一ら 訳 (東京化学同人)
関連科目 C2生物,C2有機化学,C3有機化学
履修上の
注意事項
生化学は生物を対象とした化学であるため,C2の生物を復習しておくことが望まれる.また,生体関連物質の化学構造を扱うため,「有機化学」における構造式,反応式を記述できることが望まれる.

【授業計画( 生物化学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 序論
生化学を学ぶにあたり,化学,生物学の基礎を復習する.原核細胞,真核細胞の違いや生体内におけるATPの役割を理解する.また,生体内反応における酵素の役割についても解説する.
2 糖質
糖質の分類,構造,生体内における役割について理解を深める.
3 糖質の生合成
光合成,糖新生について理解する.
4 糖質の代謝(1)
解糖系,クエン酸回路,呼吸鎖について学び,グルコース完全異化によるATP生産について理解する.
5 糖質の代謝(2)
ペントースリン酸経路,発酵について理解する.
6 脂質
脂質の構造と機能を学び,生体内における脂肪酸ならびにリン脂質,糖脂質の役割について理解する.
7 生体膜
生体膜の構造や生体膜を介した物質輸送について理解する.
8 中間試験
7回目までの内容について筆記試験を行う.
9 中間試験解答およびアミノ酸
アミノ酸の構造と分類について理解する.
10 アミノ酸,ペプチド,タンパク質
アミノ酸,ペプチド,タンパク質の構造と生体内における機能について理解する.
11 アミノ酸の代謝
生体内におけるアミノ酸,ならびに関連化合物の機能を学び,アミノ酸の合成や分解についても理解する.
12 酵素
酵素反応の定量と解析について理解する.また,補酵素,ビタミンについても学ぶ.
13 核酸と遺伝子(1)
生体内で機能している核酸の構造を学ぶ.また,DNAの複製と修復について理解する.
14 核酸と遺伝子(2)
翻訳過程,ならびに遺伝情報発現の調節について理解する.また,ヌクレオチド化合物の代謝についても学ぶ.
15 生化学的情報伝達
情報伝達物質と受容体の機能について理解し,ホルモンや神経伝達物質の役割についても学ぶ.


前期中間試験および前期定期試験を実施する.