【 2008 年度 授業概要】
科   目 生物工学 ( Biotechnology )
担当教員 下村 憲司朗 助教
対象学年等 応用化学科・4年・後期・必修・1単位 ( 学修単位I )
学習・
教育目標
A4-5(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
生物学,生化学で学習した知識をもとに,バイオテクノロジー技術の基本原理とその利用について講義する.特に,遺伝子工学的手法を用いた新しい機能を持つ生物,生体材料の創成に関する基礎研究と応用の具体例について学ぶ.遺伝子工学技術,細胞培養技術,バイオエタノール利用に関してはプリントにて不足分を補完する.



1 【A4-5】  基本的な遺伝子工学技術,細胞培養技術について理解できる.
2 【A4-5】  微生物を利用した物質生産技術について理解できる.
3 【A4-5】  農畜水産業への応用例について理解できる.
4 【A4-5】  エネルギー問題,環境問題,食糧問題へのバイオマス利用技術について理解できる.
5 【A4-5】  バイオテクノロジー利用について考察し,意見を述べることが出来る.
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1 基本的な遺伝子工学技術,細胞培養技術の原理と応用例について解説できるかどうかを中間試験で評価する.
2 微生物を利用した物質生産の原理と応用例について解説できるかどうかを中間試験で評価する.
3 農畜水産業への応用例について解説できるかを定期試験で評価する.遺伝子組み換え生物の利用が抱える問題についてのレポートを提出させる(10%).
4 エネルギー問題,環境問題,食糧問題へのバイオマス利用の実例や取り組みについて解説できるかを定期試験で評価する.
5 バイオテクノロジー利用についての議論の中で自分の考えを発表することが出来るかを定期試験で評価する.また,同テーマについてのレポートを提出させる(10%).
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成績は,試験80% レポート20% として評価する.なお,試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「もう少し深く理解したい人のためのバイオテクノロジー -基礎から応用展開まで-」:高木正道(地人書館)
参考書 「マッキー 生化学」:市川 厚 訳 (化学同人)
「分子生物学イラストレイテッド」:田村 隆明 (羊土社)
「バイオエタノールと世界の食料需給」:小泉 達治(筑波書房)
関連科目 C2生物,C4生物化学
履修上の
注意事項
細胞,生体成分,生化学反応を利用した応用分野について理解するため,生物学,生物化学における基礎知識が必要である.そのため,生物学,生化学を復習しておくことが求められる.

【授業計画( 生物工学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 序論
生物工学を学ぶにあたり,その背景について理解する.
2 遺伝子工学概論(1)
遺伝子のクローニング,塩基配列決定,PCR技術について理解する.
3 遺伝子工学概論(2)
ゲノム解析,遺伝子発現解析,逆遺伝学的研究法について理解する.
4 遺伝子組み換え技術
微生物(特に大腸菌),動物,植物細胞への遺伝子導入法について理解する.
5 細胞及び組織培養
微生物,動物,植物細胞の培養法について理解する.また,カルスからの植物体再生法についても学ぶ.
6 微生物を利用した物質生産(1)
微生物を利用した抗生物質とアミノ酸製造について理解する.
7 微生物を利用した物質生産(2)
微生物を利用したステロイド化合物,ビタミン製造や有用タンパク質合成について理解する.
8 中間試験
7回目までの内容について筆記試験を行う.
9 中間試験解答,微生物の代謝制御と培養工学
微生物バイオリアクターにおける微生物培養法の種類,原理について理解する.
10 農畜水産業への応用(1)
遺伝子組み換え作物利用の現状について学ぶ.
11 農畜水産業への応用(2)
畜産,水産,実験動物へのバイオテクノロジーの利用について学ぶ.
12 環境工学へのバイオテクノロジーの利用
バイオテクノロジーを利用した水処理や有害物質の分解について学ぶ.
13 グリーンバイオテクノロジー(1)
エネルギー問題,環境問題,食糧問題とバイオエタノールとの関係について学ぶ.
14 グリーンバイオテクノロジー(2)
バイオマスの有効利用について学ぶ.
15 バイオテクノロジーの利用について
バイオテクノロジーや生命倫理について,これまでの知識を基に考察する.


後期中間試験および後期定期試験を実施する.