【 2008 年度 授業概要】
科   目 分子生物学 ( Molecular Biology )
担当教員 下村 憲司朗 助教
対象学年等 応用化学専攻・2年・前期・選択・2単位
学習・
教育目標
A4-5(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
分子生物学は,生物活動のメカニズムを分子レベルで理解しようとする学問であり,この分子生物学の進歩により,遺伝子組換え等の遺伝子工学が発達してきた.本講義においては,生化学の基礎を確認しながら分子生物学と遺伝子工学の基礎と応用について解説する.遺伝子工学技術についてはプリントにて不足分を補完する.



1 【A4-5】  生体内分子,特に核酸とタンパク質の細胞内における役割を正しく理解できる.
2 【A4-5】  DNAの複製や修復について分子レベルで理解できる.
3 【A4-5】  DNAからタンパク質合成までの遺伝情報の流れについて分子レベルで理解できる.
4 【A4-5】  遺伝子工学やタンパク質工学における基本的な操作方法について知り,それらの原理を正しく理解できる.
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1 細胞内における主要な分子について構造や役割を記述できるかを中間試験で評価する.
2 DNAの複製,修復について分子レベルで説明することが出来るかを中間試験で評価する.
3 DNAからのタンパク質合成について図示でき,遺伝子発現制御メカニズムについても説明できるかを中間試験,定期試験で評価する.
4 遺伝子やタンパク質の取り扱い技術について,基本事項を説明できるかを定期試験で評価する.
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成績は,試験100% として評価する.なお,試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「分子生物学の基礎」:川喜田正夫 (東京化学同人)
参考書 「分子生物学イラストレイテッド」:田村 隆明 (羊土社)
「ヴォート 基礎生化学」:田宮 信雄ら 訳 (東京化学同人) 
「基礎分子生物学」:田村 隆明 (東京化学同人)
関連科目 C2生物,C4生物化学,C4生物工学
履修上の
注意事項
生化学反応,遺伝子情報の流れについて詳細に理解するため,本科C2生物,C4生化学を復習し,基本概念を身につけておくことが必要である.また,遺伝子工学的手法を理解するために,C4生物工学についても復習しておくことが求められる.

【授業計画( 分子生物学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 序論
分子生物学を学ぶにあたり,細胞に関する基本的な事項やタンパク質,核酸の構成成分や基本構造について確認する.
2 核酸
DNAおよびRNAの物理的,化学的性質や構造について理解する.
3 タンパク質
タンパク質の物理的,化学的性質や構造について理解する.
4 DNAの複製,修復(1)
原核生物と真核生物のDNA複製メカニズムについて理解する.
5 DNAの複製,修復(2)
プラスミドDNA,ウイルスの複製メカニズムについて理解する.また,DNA修復についても学ぶ.
6 転写
DNAからRNAへの転写の過程で起こる一連の反応について学び,原核生物と真核生物の転写の仕組みを理解する.
7 翻訳
翻訳のメカニズムと関連分子について理解する.
8 中間試験
7回目までの内容について筆記試験を行う.
9 原核生物における遺伝子活性の制御
原核生物の遺伝子発現制御機構について理解する.
10 真核生物における遺伝子活性の制御
原核生物の遺伝子発現制御機構について学び,原核生物の調節機構との違いを理解する.
11 遺伝子工学概論1
分子生物学的研究に必須な基本的技術の原理について学ぶ.(PCR,遺伝子クローニング,DNA塩基配列決定,各種ハイブリダイゼーションなど)
12 遺伝子工学概論2
DNAチップによる大規模遺伝子発現解析やゲノム解析について学ぶ.
13 組み換えDNA技術と応用(1)
大腸菌,動物,植物細胞への遺伝子導入法について理解する.また,レポーター遺伝子についても学ぶ.
14 組み換えDNA技術と応用(2)
遺伝子組み換え技術を用いた研究例と実用例について学ぶ.
15 タンパク質工学概論
タンパク質研究に必須な基本技術の原理やプロテオーム解析について学ぶ.


前期中間試験および前期定期試験を実施する.