【 2008 年度 授業概要】
科   目 化学工学熱力学 ( Chemical Engineering Thermodynamics )
担当教員 牧野 貴至 講師
対象学年等 応用化学専攻・1年・後期・選択・2単位
学習・
教育目標
A4-4(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
熱力学のうち化学技術者に必要な分野(プロセスにおいて必要な熱・仕事,動力サイクルから得られる仕事,化学反応や物質移動に対する平衡)について学ぶ.各テーマについて演習を行って熱力学計算への理解を深めるため,演習のウェイトを重くする.



1 【A4-4】  化学反応,相転移,溶解に伴う熱効果について理解し,計算を行えること.
2 【A4-4】  理想気体,実在気体について圧力-容積-温度関係を理解し,計算を行えること.
3 【A4-4】  熱サイクルに関する熱力学的諸性質を理解し,知識に基づいて計算を行えること.
4 【A4-4】  相平衡について理解し,必要な計算を行えること.
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1 化学反応を伴う,伴わないに関わらず,熱エネルギーの収支を計算できるかを演習と中間試験で評価する.
2 理想気体と実在気体の違いを理解し,相応しい式を用いて圧力-容積-温度関係を記述できるか,演習と中間試験で評価する.
3 複数の熱サイクルについて理解し,サイクルに応じた条件で諸性質を計算できるか,演習と定期試験で評価する.
4 様々な相平衡について理解し,平衡状態を記述する値を計算できるか,演習と定期試験で評価する.
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成績は,試験70% レポート30% として評価する.試験は中間35 %,定期35 %の配分とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「化学工学熱力学」:大竹伝雄(丸善)
参考書 「物理化学(上)」:アトキンス(東京化学同人)
「ベーシック 化学工学」:橋本健治(化学同人)
「化学工学の基礎と計算」:ヒンメルブラウ(培風館)
関連科目 化学工学,物理化学,化学工学量論
履修上の
注意事項
熱力学に関する基本的知識を有することが望ましい.

【授業計画( 化学工学熱力学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 化学工学熱力学に必要な概念について.熱力学の第一法則について
基本的な用語,熱,力,仕事などのエネルギーについて学ぶ.熱力学の第一法則と閉鎖系におけるエネルギー収支について学ぶ.
2 熱力学の第一法則
閉鎖系におけるエネルギー収支,流通系におけるエネルギー収支について学ぶ.
3 熱化学
熱容量とエンタルピー変化について学ぶ.
4 演習
これまでの内容に関する演習を行う.
5 熱化学
反応に伴う温度変化,エネルギー変化について学ぶ.
6 理想気体の法則
理想気体に適用可能な法則とその活用方法について学ぶ.
7 実在気体の法則
実在気体と理想気体の違い,実在気体に適用可能な法則について学ぶ.
8 中間試験
これまで授業で行った内容について試験を行い,理解度を測る.
9 熱力学の第二法則
熱力学の第二法則,エントロピーの概念について理解し,不可逆過程について学ぶ.
10 熱力学的諸性質
熱力学的諸性質を求めるために必要な知識を学び,実際に計算を行い理解を深める.
11 圧縮と膨張による仕事.相平衡.
サイクルにより発生する仕事を求める方法を理解する.相平衡に関する理論,純物質と混合物のフガシティについて理解する.
12 演習
これまでの内容に関する演習を行う.
13 相平衡
純物質と混合物のフガシティについて理解する.活量について理解する.気液平衡の推算について学ぶ.
14 化学平衡
平衡定数について理解し,その導出までを学ぶ.
15 化学平衡
様々な化学反応における平衡状態の存在を理解し,平衡条件の算出を行う.


後期中間試験および後期定期試験を実施する.