科 目 | 材料学 ( Material Engineering ) | |||
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担当教員 | 高科 豊,中山 学 | |||
対象学年等 | 都市工学科・2年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I ) | |||
学習・教育 目標 |
工学系複合プログラム | JABEE基準1(1) | ||
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授業の概要 と方針 |
都市工学に必要な材料の基礎知識を学ぶことを目的とする。 | |||
到 達 目 標 |
1 | 力学的基礎や材料強度を説明できる。 | ||
2 | 鉄鋼材料を説明できる。 | |||
3 | 非鉄金属の特徴や鉄の腐食について説明できる。 | |||
4 | マグマや岩石の成り立ちなど地学的立場から石材を説明できる。 | |||
5 | セメントの製造や混和材料・コンクリ−トについて説明できる。 | |||
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評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 力学的基礎用語および材料強度を評価する意味が理解できているか定期試験およびレポートで評価する。 | |
2 | 鉄鋼材料を建設材料として利用する上で,重要なことが理解できているか定期試験で評価する。 | |||
3 | 非鉄金属の特徴や鉄の腐食について説明できるか定期試験で評価する。 | |||
4 | マグマや岩石の成り立ちなど地学的立場から石材を説明できるか定期試験で評価する。 | |||
5 | セメントの製造や混和材料・コンクリ−トについて説明できるか定期試験で評価する。 | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験80% レポート20% として評価する。 | |||
テキスト | 「土木材料学」近藤泰夫・谷本治三郎・岸本進著(コロナ社) |
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参考書 | 建設材料,竹村和夫・戸川一夫・笠原 篤・庄谷征美共著(森北出版) 建設材料,中嶋清実・角田 忍・菅原 隆共著(コロナ社) |
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関連科目 | 構造力学1 | |||
履修上の 注意事項 |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 材料学概説と一般的力学的性質 |
都市工学で扱う基礎的な材料は,鉄鋼やコンクリ−トである。その設計・機能の中心となる力学的性質について学ぶ。 | |
2 | 力の単位と用語および材料強度の評価 |
重力単位とニュ−トン単位の換算を理解する。力が材料内に応力として伝達する時,垂直応力・水平応力の断面的な視点から,評価することの重要性を学ぶ。 | |
3 | 材料における物理的・化学的性質 |
歪ゲ−ジや光ファイバ−による測定原理などを理解する。 | |
4 | 製銑・製鋼および炭素含有量による分類 |
多々良やテルミット反応から,製錬について考える。また,鉄鋼原料,高炉での還元処理,転炉でのスラグ処理を学ぶ。 | |
5 | 変態点,鋼の状態図とその組織 |
鉄に炭素が浸入する時の結晶格子の変化を考える。フェライト・オ−ステナイト・セメンタイト・パ−ライトなどの組織について,鋼の状態図の上から考える。 | |
6 | 加工と熱処理,脆性と不純物 |
塑性加工・切削加工などの加工方法を理解し,加工硬化と転位増殖による材料的性質を学ぶ。 | |
7 | 構造用鋼の種類と合金鋼,鋳鉄,非鉄金属(アルミ,銅) |
構造用鋼の分類と合金鋼における元素添加の意味を考える。鋳造による鋳鉄装飾や用途,また,アルマイト法やジュラルミンについて考える。銅の電解精錬,銅合金,メッキ,金属溶射法を紹介する。 | |
8 | 中間試験 |
中間試験 | |
9 | 金属の腐食機構と防食法 |
鉄筋の腐食によるコンクリ−ト構造物の塩害について考える。また,電気防食の原理を理解し,簡単な実験例を通して,さびの進行促進・進行防止を学習する。 | |
10 | 岩石の誕生(火山マグマからの考察)とその分類 |
マントルや地殻におけるマグマの溶融因子,ボ−エンの分化作用から造岩鉱物を分類し,火成岩の位置づけを体系的に考察する。 | |
11 | 岩石の風化,建設用石材とその性質 |
六甲山の成り立ちを考察するとともに,花崗岩深層風化,阪神大水害や土砂災害・砂防事業,グリ−ンベルト事業を紹介し,身近な御影石や真砂土について考察する。 | |
12 | コンクリ−ト用骨材と海砂採取問題 |
粗骨材・細骨材の区分,含水状態,粒度,最大寸法,実績率など,配合設計に必要な用語を理解する。また,瀬戸内海の海砂の問題や塩分の規制など,細骨材事情に触れる。 | |
13 | セメントの製法とその特性 |
セメント原料や焼成工程に触れ,サスペンションプレヒ−タ−や回転釜の工場装置を紹介する。 | |
14 | 水和機構とその生成物(凝結・硬化),混合セメント・混和材(ポゾラン等) |
セメントの水和過程をミクロの視点から考察し,各種水和生成物やゲルの様相を理解する。 | |
15 | 混和剤(AE剤,減水剤) とその働き |
AE剤,減水剤を界面活性剤としての分子形状の観点から考え,その目的を説明し,フレッシュコンクリ−トの中での働きを考察する。 | |
16 | コンクリートの基礎と特徴 |
コンクリートの構成材料,製造,使用構造物などをスライドを使用して説明し,感覚的にも理解させる。コンクリートに用いるセメント(普通,高炉B),粗骨 材(砕石)細骨材(川砂)の実物を見る。コンクリートの断面(円柱供試体をスライス)を確認し,構成材料を確認する。コンクリート構造物の長所,短所など 特徴を学ぶ。 | |
17 | フレッシュコンクリートの性質(スランプ,空気量等) |
フレッシュコンクリートの試験のスライドを見た後,フレッシュコンクリートの性質を表す用語や試験方法について解説する。材料分離,空気量,空気の役割や変動要因について解説する。 | |
18 | 硬化コンクリート性質 1 |
硬化コンクリートの性質のうち,圧縮強度,圧縮強度に及ぼす要因について解説する。引張強度,曲げ強度,せん断強度,付着強度について試験状況スライドを交えて解説する。 | |
19 | 硬化コンクリートの性質2 |
弾性,塑性的な性質および耐久性に関連する性質について解説する。乾燥収縮や温度変化による膨張収縮については構造物を例示して簡単な計算をさせて影響程度を把握させる。耐久性に関する性質をスライドを交え解説する。 | |
20 | コンクリートの配合設計1 |
配合設計の流れを説明した後,普通コンクリートの配合設計を例題を用いて実際に計算させる。質疑応答を繰り返しながら具体的な配合計算を理解させる。 | |
21 | コンクリートの配合設計2,品質変動 |
配合設計のうち現場配合の計算を実施させる。品質変動や割り増し係数の考え方を解説する。 | |
22 | 中間試験前の復習 |
試験範囲の全体的な復習を行い。特に理解しておくべき点について再度解説を加える。 | |
23 | 中間試験 |
中間試験 | |
24 | 中間試験回答,追加解説 |
中間試験で理解の程度が低かった点の解説を実施する。 | |
25 | コンクリートの製造,コンクリート試験 |
コンクリートの製造の要点を解説し,コンクリート試験を整理する。 | |
26 | コンクリ−トの品質管理,コンクリート製品 |
コンクリートの品質管理について説明し,実際に管理図を作成させることによって理解させる。コンクリート製品の概要を説明し,製品が実際に使われている状況を日常生活の中で見つけて報告する課題を与える。 | |
27 | 各種コンクリート |
各種コンクリートの種類と特徴を解説する。様々な配慮が必要であることとコンクリートがセメントの硬化反応によること,施工,養生の重要性と関連させて整理する。 | |
28 | 歴青材料(アスファルト,タール,歴青乳剤),土材料,安定材料 |
瀝青材料の種類,主な用途について解説する。土材料の特徴,物性値の意味を解説した後,例題を利用して実際に計算させ理解させる。 | |
29 | 粘土製品等,高分子材料,木材・火薬 |
各材料の特性,代表的な利用分野などを事例を交えて解説する。 | |
30 | コンクリートの構造物の維持管理と非破壊試験,後期後半復習 |
コンクリート構造物における材料としてのコンクリートの試験である非破壊試験をスライドに紹介し,今後重要となる構造物の維持管理との関係を概説する。後半の学習内容のポイントを整理する。 | |
備 考 |
中間試験および定期試験を実施する。 |