【 2007 年度 授業概要】
科   目 応用物理 ( Applied Physics )
担当教員 熊野 智之
対象学年等 機械工学科・3年C組・後期・必修・1単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
授業の概要
と方針
前半は物理学の基礎であり,電気・電子回路を理解するために必要な電磁気学について講義する。後半は光の基本的な性質である反射,屈折,干渉などについて講義し,レンズ,ミラーといった光学素子についての知識も習得する。



1 電荷,電界の概念が理解できる。
2 電位,電位差の概念が理解できる。
3 帯電した平面,円筒,球についての電界が理解できる。
4 導体と誘電体との電気的な性質の違いが理解できる。
5 光の基本的な性質を理解する。
6 基本的な光学素子の機能および原理が理解でき,簡単な光学系の設計ができる。
7 光の干渉,回折,偏光など波としての性質を理解する。
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1 クーロンの法則の適用,種々の場合の電界が求められるか中間試験と課題に対するレポートで評価する。
2 電位の定義を理解しているか,また,種々の場合の電位,電位差が求められるか中間試験と課題に対するレポートで評価する。
3 ガウスの定理を用いて電界の計算が出来るか中間試験と課題に対するレポートで評価する。
4 コンデンサのしくみを理解し,静電容量が計算出来るか,また誘電体に関する電界,電位の計算ができるかを中間試験と課題に対するレポートで評価する。
5 白色光と単色光の違いや,自然光とレーザー光との違いを理解しているか,定期試験と課題に対するレポートで評価する。
6 レンズ,ミラーによる結像とプリズムによる光の分散について基本的な事柄が理解できているか,定期試験と課題に対するレポートで評価する。
7 ヤングの実験,薄膜による干渉,回折現象,偏光の性質を理解しているか定期試験と課題に対するレポートで評価する。
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成績は,試験70% レポート30% として評価する。試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする。100点満点で55点以上を合格とする。
テキスト 「高専の応用物理」:小暮陽三編(森北出版)
参考書 「物理学(三訂版)」:小出昭一郎(裳華房)
関連科目 電気工学,電子工学
履修上の
注意事項
電気電子回路の基礎としての電磁気学であるのでよく理解しておくこと。

【授業計画( 応用物理 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 静電気,クーロンの法則
静電気の発生,電荷の間に働く力を例題を解きながら解説する。
2 電界,ガウスの定理
電荷による電界について述べ,場の考えを導入する。電界を求めるためのガウスの定理を説明する。
3 電位
保存力場としてのポテンシャルを導入し,電位,電位差を求める。
4 電気力線,等電位面
電気力線の性質と等電位面との関係について,点電荷および電気双極子を例に説明する。
5 静電容量,静電エネルギー
各種形状の導体で出来たコンデンサーの静電容量を求め,それに蓄えられるエネルギーを計算する。
6 誘電体,電束密度
誘電体の特徴である誘電分極について述べ,電気感受率,電束密度,誘電率の関係を説明する。
7 演習
1〜6までの問題を演習する。
8 中間試験
1週から7週までに授業した内容を中心に出題する。
9 中間試験解答
中間試験問題の解答と解説を行い,前半の復習を行う。
10 光の性質,反射,屈折
光の基本的な性質について述べ,反射,全反射,屈折の法則を説明する。
11 光の分散とスペクトル
光の波長と屈折率の関係を述べた上で,プリズムによる光の分散や,虹が何故できるかについて説明する。
12 レンズ,ミラー
レンズの種類と光学的な機能について述べ,焦点と主点および焦点距離について説明する。また,レンズとミラーの関係についても説明する。
13 光の干渉
ヤングの実験について詳しく説明し,薄膜や回折格子による光の干渉と,干渉の起こる条件などについて述べる。
14 光の回折,偏光
フレネル回折,フラウンホーファー回折について説明する。また,偏光のしくみと応用について述べる。
15 演習
10〜14での問題を演習する。


中間試験および定期試験を実施する。