【 2007 年度 授業概要】
科   目 化学 ( Chemistry )
担当教員 岡崎 忠
対象学年等 電気工学科・1年・通年・必修・3単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
授業の概要
と方針
我々の身の回りは自身の体を含めて,全て元素をもとにした物質により構成されている。平凡な日常生活を営むだけでも多くの物質についての情報を必要とする。授業では,身近な題材を取り入れ,物質や化学現象の解明を通じ,化学全般の基本的な考え方を養うと同時に,これから重要になる論理的な考えが出来るような人材を早期から育成する。



1 用語の意味を理解する。
2 数値の単位を理解し,正確に四則演算が出来るようになり,量の概念を身に付ける。
3 原子や分子,化学物質の特徴を認識する。
4 化学反応の基本的な法則を理解する。
5 周期律表の規則性と族・周期の関係を理解する。
6 最終的な解答だけでなく,論理的な考えを示すことが出来るようになる。
7 電子軌道の概念を理解する。
8 実験の基本操作を理解する。
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1 説明や問題の意図するものが理解できているか,レポートまたは試験で評価する。
2 単位の意味が理解できているか,また単位の変換が理解できているかをレポートまたは試験で評価する。
3 原子・分子の意味・構造および物質とは何かが論述できるかどうかをレポートまたは試験で評価する。
4 化学反応に関する法則,および化学反応式を示すことができ,その意味が理解できているかどうかをレポートまたは試験で評価する。
5 元素記号を理解しているか,周期の規則性について理解できているかどうかを試験またはレポートで評価する。
6 なぜ,このような結果が導かれるのか,その途中過程が示されており,他が見ても理解できるかどうかを試験またはレポートで評価する。
7 原子の構造について,軌道の概念と量子数について理解できているかどうかを試験またはレポートで評価する。
8 実験器具の基本的操作について,理解できているかどうかを実験により評価する。
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成績は,試験60% レポート40% として評価する。なお,試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする。100点満点で60点以上を合格とする。
テキスト 「新編 高専の化学(第2版)」:春山志郎監修(森北出版)
「スクエア 最新図説化学」(第一学習社)
参考書 「化学小事典」:猿橋勝子・池田長生監修(三省堂)
「化学IB・IIの新研究」:卜部吉庸著(三省堂)
「化学・基本の考え方を中心に」:A.Shermanほか著,石倉洋子ほか訳(東京化学同人)
「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」(数研出版)
その他については授業中適宜紹介する。
関連科目 材料系教科を学ぶ上での基礎となります。
履修上の
注意事項
授業で行う範囲について,事前にテキストを確認し,最低限用語の意味を調べておくこと。専門用語辞書でなくとも,このような意味を持つ言葉であることがわかっていることによって,学習効率が格段に向上する。

【授業計画( 化学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 化学の起源・すべてはどこから始まったか
科学的考え方の発端や近代化学の基礎を築いたかについて説明する。また,現代における化学研究の重要性について身近な話題を取り入れて説明する。
2 測定の体系
種々の単位について説明し,単位を含めた計算を行う。測定値の有効数字の桁数や,その規則を使っての計算,および数の科学的表記法での示し方について説明する。
3 物質とエネルギー
法則や科学的方法についての説明,物質量についての説明を行う。特に物質量と質量との関係が説明できるようにする。
4 原子論1
原子とは何か,原子とはどのような構造をしているのかについて説明する。さらに同位体・イオンについて説明する。
5 原子論2
原子の性質と周期表の概要について説明する。
6 原子論3
原子の電子構造・電子配置について説明する。
7 電子軌道
量子数・軌道のエネルギー準位について説明する。
8 課題レポートまたは中間試験
第1週から第7週までの内容について,課題レポートの提示または中間試験を行う。詳細は第6週に提示する。
9 周期表
原子の周期的傾向や,電子配置と周期性,同一族・同一周期の原子間にみられる類似性や原子半径・イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度について説明する。
10 化学結合
イオン結合・共有結合・配位結合について,結合形成の仕組みとその性質について説明する。
11 分子の構造
分子における原子間結合距離,結合角,軌道との関係や極性について説明する。
12 化学反応式
化学反応式の意味,合わせ方,タイプなどについて説明する。
13 化学量論
化学反応式,および反応物と生成物の量から,化学反応における量論関係について説明する。
14 反応熱1
化学反応における熱の出入りの概念について説明する。
15 反応熱2
比熱,反応熱,ヘスの法則についての説明と化学反応における熱の実際的な応用について紹介する。
16 物質の状態1
理想気体の性質と,種々の法則について説明する。
17 物質の状態2
実在気体の性質と,理想気体との相違点について説明する。
18 液体状態および気体状態
物質の状態変化とその過程について説明する。
19 溶体の化学1
溶液の性質について説明する。
20 溶体の化学2
濃度(モル濃度・質量モル濃度・質量パーセント濃度)について説明する。
21 溶体の化学3
濃度の計算,濃度単位の変換について説明する。
22 沸点上昇・凝固点降下
溶液の沸点上昇・凝固点降下の現象がなぜ発生するのかについて,定量的に説明する。
23 課題レポートまたは中間試験
第16週から第22週までの内容について,課題レポートの提示または中間試験を行う。詳細は第21週に提示する。
24 酸・塩基1
酸・塩基の定義,強弱について説明する。
25 酸・塩基2
水素イオン指数,水素イオン濃度と水酸化物イオン濃度の間の関係について説明する。
26 酸・塩基3
酸・塩基の反応,滴定,塩の性質,緩衝液について説明する。
27 化学反応速度論
反応速度と反応機構について説明する。
28 可逆反応
可逆的化学反応と反応経路の関係について説明する。
29 化学平衡
平衡定数,平衡濃度,ルシャトリエの原理について説明する。
30 溶解度積
溶解度積と沈殿生成との関係について説明する。


中間試験および定期試験を実施する。中間試験時においては,課題レポートの提示または試験を実施する。