【 2007 年度 授業概要】
科   目 生物工学 ( Biotechnology )
担当教員 芝崎 誠司
対象学年等 応用化学科・4年・後期・必修・1単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A-4-5(100%) (d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
生物学,生化学で学習した知識をもとに,バイオテクノロジー技術の基本原理とその利用について講義する。特に,遺伝子工学的手法を用いた新しい機能を持つ生物,生体材料の創成について,基礎研究と応用の具体例を示し,理解を深める。



1 【A-4-5】  遺伝情報の基本とその応用技術について理解できる。
2 【A-4-5】  タンパク質工学技術,酵素工学技術について理解できる。
3 【A-4-5】  抗体工学,進化工学について理解できる。
4 【A-4-5】  生体材料工学,医用工学について理解できる。
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1 遺伝子工学の基本ならびに応用技術について解説できるかどうかを評価する。基礎的項目について図示したり解説できるかどうかを評価する。
2 タンパク質工学ならびに酵素工学技術について解説できるかどうかを評価する。原理と応用例についても解説できるかどうかを評価する。
3 抗体工学,進化工学の原理や応用例について図示したり,解説できるかどうかを評価する。
4 生体材料工学,医用工学の原理や応用例について図示したり,解説できるかどうかを評価する。
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成績は,試験100% として評価する。なお,試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする。100点満点で60点以上を合格とする。
テキスト 「生命工学-分子から環境まで」:熊谷泉,金谷茂則著(共立出版)
参考書 「マッキー生化学」:(化学同人)
「生物工学序論」:(講談社サイエンティフィク)
関連科目 C4生物化学
履修上の
注意事項
細胞,生体成分を利用した応用分野について理解するため,生物化学における基礎知識が必要である。

【授業計画( 生物工学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 序論
生物工学を学ぶにあたり,その背景について理解する。
2 遺伝子工学概論(1)
遺伝子のクローニング,PCR,塩基配列の決定方法について理解する。
3 遺伝子工学概論(2)
ゲノム解析,トランスジェニック生物について理解する。
4 タンパク質工学概論(1)
タンパク質工学について理解するうえで必要な,各種構造について学び,フォールディングについても理解する。
5 タンパク質工学概論(2)
タンパク質の機能,分子進化,タンパク質工学の基本技術(設計,合成と精製,構造解析,機能解析)について理解する。
6 酵素工学(1)
固定化酵素,および酵素の工業的利用について学ぶ。特に,食品産業,化学物質生産への利用,医薬品,バイオセンサーとしての利用について理解する。
7 酵素工学(2)
化学修飾による高機能化や,基質特異性の改変技術について学び,酵素活性の向上や機能の改変について理解する。
8 中間試験
7回目までの内容について筆記試験を行う。
9 中間試験解答,抗体工学(1)
抗体の構造を学び,高い特異性と親和性を作り出す仕組みについて理解する。
10 抗体工学(2)
抗体分子の調整方法や,抗体の高い抗原特異性を利用した分子構築技術について学ぶ。また,遺伝子工学の発展に伴う新しい抗体調製方法についても理解を深める。
11 進化工学
生きた細胞を巧みに利用した進化工学や,遺伝子工学を組み入れた細胞型進化工学について理解する。また,点変異,構造単位の入れ換えに基づく事例についても学ぶ。
12 生体材料工学(1)
バイオエレクトロニクス,バイオセンサーの原理について理解する。
13 生体材料工学(2)
機能性膜について学ぶ。さらに,生体適合性,界面物性,細胞と合成材料の相互作用についても学び,生体材料による生体機能の代替について理解する。
14 医用工学
生体の電気的特性,機械的特性について理解する。また,人工臓器(血管,心臓,腎臓,関節)や医用計測・診断装置の原理について学ぶ。
15 最新のバイオテクノロジー,生命倫理
最新のニュースで取り上げられた生物工学分野の技術等について,これまでの知識を生かし理解を深める。また,生命倫理等の話題も取り上げ,生物工学の今後のあるべき姿について考える。


中間試験および定期試験を実施する。