【 2007 年度 授業概要】
科   目 応用物理I ( Applied Physics I )
担当教員 渡辺 昭敬
対象学年等 応用化学科・4年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III )
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A-2(100%) (c),(d)1
授業の概要
と方針
自然科学の基礎理論である物理学の中から,どの分野においても必須となる古典力学の初歩を講義する。



1 【A-2】  ニュートンの運動の3法則を理解し,簡単な運動(放物運動,調和振動子,円運動など)に対して運動方程式を導出し,解を求めることができる。
2 【A-2】  物理学の基本法則(運動量,角運動量,エネルギーの各保存則など)を証明することができる。
3 【A-2】  物理学の基本法則(運動量,角運動量,エネルギーの各保存則など)を基にして,種々の物理問題について考察することができる。
4 【A-2】  波動方程式を理解し,境界条件,初期条件から波動関数を求めることができる。
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1 ニュートンの運動の法則の内容が説明できるかどうか,また,簡単な運動(放物運動,調和振動子など)の運動方程式をたてて,解を求めることができるかどうか,中間試験および課題レポートで評価する。
2 物理学の基本法則である,エネルギー保存則,運動量保存則などを証明することができるかどうか定期試験および課題レポートで評価する。
3 各法則から,円運動や二体問題などの各種運動についての考察ができるかどうか中間試験および課題レポートで評価する。
4 波動方程式の導出,および,境界条件などの各条件から波動関数や固有関数を求めることができるかどうか定期試験および課題レポートで評価する。
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成績は,試験90% レポート10% として評価する。試験成績は年4回の平均とする。総合100点とし60点以上を合格とする。
テキスト 「力学の考え方」:砂川重信(岩波書店)
参考書 「物理学への道」上巻:西山敏之・小谷恒之・大塚穎三・山田安定・斉藤晴男・松田久・砂川重信 共編(学術図書)
関連科目 物理(C1,C2) 応用物理II(C5) 量子物理(専攻科),分子分光学(専攻科),化学反応論(専攻科)
履修上の
注意事項
本科1-2年の物理および,数学の知識を利用して,講義を展開する。

【授業計画( 応用物理I )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 物理学における基礎的事項
物理を学ぶ上で必要な数学的事項(ベクトル,微分,積分など)および基本となる単位系について学ぶ。また,速度,加速度の定義について学ぶについて復習する。
2 運動の法則
ニュートンの運動の法則について学ぶ。運動方程式の基本的事項を理解する。
3 粒子の簡単な運動(1) 放物運動
放物運動を例にとり,運動方程式からその軌跡を求め,それらに関する諸問題について解く過程を学習する。
4 粒子の簡単な運動(2)調和振動子
調和振動子や例にとり,運動方程式からその軌跡を求め,それらに関する諸問題について解く過程を学習する。
5 粒子の簡単な運動(3) 円運動,単振り子
円運動や単振り子を例にとり,運動方程式からその軌跡を求め,それらに関する諸問題について解く過程を学習する
6 万有引力
ケプラーの法則を元にして,万有引力および,万有引力定数の成り立ちについて学ぶ。
7 演習問題
1-6回目の内容について,演習問題を解く
8 中間試験
主に評価方法1に関する試験を行う。
9 中間試験解答
中間試験の解答を黒板を用いて説明し,注意点を指摘する。
10 エネルギー保存則(1) 仕事
仕事の定義について学ぶ。また線積分の計算方法について学習する。
11 エネルギー保存則(2) 運動エネルギー
運動エネルギーの定義について学び,エネルギーの定義から運動エネルギーを表す式を求める。
12 エネルギー保存則(3) 保存力とポテンシャルエネルギー
保存力の定義を学ぶ。また,保存力の元となるポテンシャルエネルギーについても学習し,様々な運動系におけるポテンシャルエネルギーについて考える。
13 エネルギー保存則(3) エネルギー保存則
エネルギー保存則を導出する過程を理解する。
14 角運動量保存則(1) ベクトル積と角運動量
ベクトル積の定義について学ぶ。それを元に角運動量について理解する。
15 角運動量保存則(2)角運動保存力
力のモーメントについて理解し,角運動量保存則を導出する過程について学ぶ
16 多粒子系の力学(1) 質量中心の運動
万有引力などに代表されるような質量中心の運動について学ぶ。
17 多粒子系の力学(2) 運動量保存則
二粒子系の運動について運動方程式から運動量保存則を導出する。また,運動量保存則が成立する条件についても学ぶ。
18 多粒子系の力学(3)相対座標の運動
前回の運動について相対座標系に変換して考える。換算質量,重心系と実験系について理解する。
19 多粒子系の力学(4)角運動量保存則
多粒子系での角運動量保存則について学ぶ。成立条件について理解する。
20 多粒子系の力学(5)エネルギー保存則
多粒子系での運動エネルギー保存則の成立について考える。
21 多粒子系の力学(6)衝突問題
多粒子系の運動に関する諸問題の一つとして粒子の衝突について考察する。
22 演習問題
質点の力学に関する諸問題に関する演習問題を解く。
23 中間試験
主に評価方法3に関する試験を行う。ただし,これまでに学習した内容についても出題することもある。
24 中間試験の解答
中間試験の解答を黒板を用いて説明し,注意点を指摘する。
25 連続体の力学(1) 弦の振動,波動方程式
弦の振動について考察し,波動方程式を導出する。
26 連続体の力学(2) 波動関数
波動関数について考察する。位相速度,分散公式について理解する。
27 連続体の力学(3) 重ね合わせの原理,境界条件と変数分離
波動関数の重ね合わせの原理について考察する。波動方程式に境界条件を導入し,波動方程式の変数分離系を求める。
28 連続体の力学(4) 境界条件と固有関数
境界条件から得られた波動方程式の変数分離系から,固有関数を求める。固有関数の基音,倍音について理解する。
29 連続体の力学(5) 初期条件
波動方程式に於いて初期条件を導入した際の波動関数について考察する。
30 演習
連続体の力学に関する諸問題について,章末問題などを参考にしながら解説する。


中間試験および定期試験を実施する。