【 2007 年度 授業概要】
科   目 応用数学I ( Applied Mathematics I )
担当教員 横山 卓司
対象学年等 応用化学科・4年・前期・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A-1(100%) (c),(d)1
授業の概要
と方針
線形代数の基本的な概念を理解し,道具として使えるようになることを目標とする。話が抽象的になりすぎないよう具体例を豊富に扱い,多くの計算を実際に行うことを重視する。頭の中に,計算の背景にあるイメージが描けるようになることを目標とする。



1 【A-1】  行列の基本的な演算ができる。行列の基本変形を理解し,連立1次方程式の解法に利用できる。
2 【A-1】  ベクトル空間について理解する。ベクトル空間の基底と次元を理解する。ベクトルの一次独立を理解する。
3 【A-1】  行列の階数を計算できる。行列式の定義,性質を理解する。行列式の計算ができ,正則性の判定,逆行列の計算などに応用できる。
4 【A-1】  内積空間の上で,内積・長さ・なす角を計算できる。
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1 行列の基本的な演算ができること,行列の基本変形を理解し連立1次方程式の解法に利用できることを,試験で評価する。
2 ベクトル空間,ベクトル空間の次元と基について理解していることを,試験で評価する。
3 行列の階数を計算できること,行列式の定義,性質を理解していること,行列式の計算ができ,正則性の判定,逆行列の計算などに応用できることを,試験で評価する。
4 内積空間の上で,内積・長さ・なす角を計算できることを試験で評価する。
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成績は,試験100% として評価する。中間試験と定期試験の平均を試験成績として100%として評価する。各試験に対し,追試験を行う。100点満点で60点以上を合格とする。
テキスト 「演習 線形代数 改訂版」:村上 正康・野澤 宗平・稲葉 尚志 共著(培風館)
参考書 「入門 線形代数」:三宅 敏恒 著(培風館)
「線形代数」:長谷川浩司 著(日本評論社)
「プログラミングのための線形代数」:平岡和幸・堀玄 共著(オーム社)
「ベクトル・行列・行列式 徹底演習」:林義実 ( 森北出版 )
「キーポイント 線形代数」:薩摩順吉・四ツ谷晶二(岩波書店)
関連科目 2年数学II
履修上の
注意事項
・参考書に挙げた書籍は全部買い揃える必要はない。必要に応じて図書館等で参照することが望ましい。・この科目の内容は, 2年数学II と関連が深い。適宜, 教科書・問題集を参照すること。

【授業計画( 応用数学I )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 行列の演算
行列の定義について確認する。行列の和, 差, 積, スカラー倍の計算方法を理解する。
2 特別な行列
零行列, 単位行列, べき等行列, べき零行列を理解する。転置行列, 対称行列, 交代行列, 直交行列を理解する。
3 正則行列
正則行列と逆行列について理解する。
4 行列の分割
行列をブロックに分割して積を計算し, 特に行ベクトル, 列ベクトルへの分割が有用であることを理解する。
5 行列の基本変形
行列の基本変形を理解する。
6 行列の簡約化と階数
行列の簡約化を行い階数(ランク)を求める。
7 正則行列とその逆行列
正則行列を定義し, その逆行列を計算する。
8 連立1次方程式の解法
連立1次方程式の係数行列および拡大係数行列を求める。連立1次方程式を解く。
9 連立1次方程式の解の存在条件
行列の階数で連立方程式の解のあり方を分類する。
10 ベクトル空間
ベクトル空間を定義し, いくつかの例が実際に定義を満たしていることを確認する。
11 部分空間
部分空間を定義し, いくつかの具体例について部分空間であることを確認する。生成される部分空間, 部分空間の和, 共通部分, 直和を理解する。
12 ベクトルの1次独立と1次従属
ベクトルの1次独立と1次従属の定義を理解し, 行列の関連について確認する。
13 ベクトルの1次独立な最大個数
ベクトルの1次独立な最大個数を求め, 行列の階数との関連について理解する。
14 正則行列とベクトルの1次独立
正則行列の列ベクトル, 行ベクトルがそれぞれ1次独立なベクトルの組であることを理解する。
15 中間試験
中間試験を実施する。
16 ベクトル空間の基と次元
ベクトル空間の基と次元の定義を理解する。
17 連立方程式の解空間
連立方程式の解空間の次元と基を求める。
18 行列の階数
行列の階数についてまとめる。関連する問題演習を行う。
19 演習
ベクトル空間に関するまとめの問題演習を行う。
20 順列
行列式の定義の準備として, 順列とその符号を定義し, 計算を行う。
21 行列式の定義と性質
行列式を定義する。定義から導かれる行列式の性質を理解する。
22 行列式に関する公式
行列式に関するさまざまな公式を導く。
23 余因子展開
行列式の行または列による展開を行う。
24 余因子行列と逆行列
余因子行列の逆行列の計算への応用やクラーメルの公式を理解する。
25 特別な形の行列式
さまざまな行列式の計算を行う。
26 演習
行列式に関するまとめの問題演習を行う。
27 内積
内積の定義を理解し, 内積・長さ・なす角の計算を行う。
28 グラム・シュミットの正規直交化法
グラム・シュミットの正規直交化法の計算を行う。
29 直交補空間
直交補空間, 正射影について理解する。
30 演習
これまでの復習の演習を行う。


中間試験および定期試験を実施する。