【 2007 年度 授業概要】
科   目 熱・物質移動論 ( Heat and Mass Transport Phenomena )
担当教員 吉本隆光,赤対秀明
対象学年等 機械システム工学専攻・2年・前期・選択・2単位 ( 学修単位II )
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A-4-2(100%) (d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
熱移動ならびに物質拡散の基礎事項を理解し,熱伝導,対流およびふく射による関連現象の把握と関連問題の解析ならびに応用手法を学習する.また相変化に伴う現象ならびに混相流特に気液二相流の流動現象・流動特性について学習する。



1 【A-4-2】  熱移動ならびに物質拡散の基礎事項を理解する.
2 【A-4-2】  混相流における流動および相変化現象を理解する。
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1 中間試験やレポート・小テストで評価する
2 定期試験やレポート・小テストで評価する
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成績は,試験80% レポート10% 小テスト10% として評価する。試験による評価の内訳は中間試験50%定期試験30%とする。レポート評価の内訳は前期5%後期5%,小テスト評価の内訳は前期5%後期5%とする。100点満点で60点以上を合格とする。
テキスト プリント
参考書 輸送現象論:大中・高城他(大阪大学出版)
B.改訂気液二相流技術ハンドブック(コロナ社)日本機械学会編
伝熱工学:一色・北山(森北出版)
関連科目 流体工学・工業熱力学
履修上の
注意事項
 

【授業計画( 熱・物質移動論 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 輸送現象序論
流束と保存則,熱・物質移動の様式と基本法則,熱・物質の移動が関連する問題について学習する。
2 熱伝導
熱伝導・拡散の法則,基礎方程式,定常熱伝導・拡散の問題(平板,円管,内部発熱のある問題,非定常熱伝導・拡散の問題(半無限物体,平板)の考え方を学習する。
3 対流伝熱の基礎
エネルギー保存式,境界層近似の考え方を学習する。運動量と熱の移動の次元解析と相似則の考え方を学習する。
4 強制対流伝熱
強制対流伝熱の現象や熱伝達の考え方,整理式について学習する
5 自然対流伝熱
自然対流伝熱の現象や熱伝達の考え方,整理式について学習する。
6 ふく射伝熱の基礎
固体からの熱ふく射における基礎事項,形態係数の概念,灰色体間での放射伝熱について学習する。さらに気体からの熱ふく射についても学習する
7 熱交換器
熱交換器による熱交換量の計算方法を学び,実務への応用に対処する。
8 燃焼現象
燃焼過程をとおして,熱拡散の法則,拡散の問題の考え方を学習する,また物質の前後での成分変更による熱量の変化についても学ぶ。
9 中間試験
輸送現象の理解度を評価する
10 輸送現象のまとめ
中間試験の回答をとおして,熱移動における輸送現象の理解を深める。
11 混相流
気体,液体および固体の2種類以上が同時に流動する流れを混相流とよび,大きく気液二相流,固気二相流,固液二相流,固気液三相流に分類することができる。各混相流の事例,特徴などを理解する。
12 気液二相流(1)
物質移動を伴う流れとしては,沸騰現象(気液二相流)が代表的である。第3〜5週で学んだ熱伝達の中で,沸騰熱伝達について詳述する。特に,沸騰現象および沸騰曲線の特徴を理解する。
13 気液二相流(2)
気体と液体が同時に流動すると,その割合により気体は種々の形状を呈する。これを流動様式とよぶが,その流動様式の分類(垂直管,水平管),流動様式線図,流動様式判定法などを理解する
14 気液二相流(3)
気液二相流の各種物理量(みかけの液相体積流束,みかけの気相体積流束,気相体積率,絶対速度,スリップ比,ドリフト速度など)の定義を行い,それぞれの関係を理解する。
15 気液二相流(4)
一次元流れの基礎方程式を導出する。気液二相流の加速,位置,摩擦の各圧力損失を理解するとともに,それらを予測するには,流動様式と気相体積率が重要であることを理解する。


中間試験および定期試験を実施する。