科 目 | システム制御理論I ( Systems Control Theory I ) | |||
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担当教員 | 小林 洋二 | |||
対象学年等 | 機械システム工学専攻・1年・後期・選択・2単位 ( 学修単位II ) | |||
学習・教育 目標 |
工学系複合プログラム | JABEE基準1(1) | ||
A-4-3(100%) | (d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g) | |||
授業の概要 と方針 |
本講義では,現代制御理論による制御系の設計問題について学習する。代表的な設計方法である極配置法,観測器(オブザーバ),最適レギュレータについて,理論,構成法,ならびにパラメータの計算方法を理解する。講義は,テキストをパートに分けて分担・説明するゼミナール形式で行い,さらに設計の手順を深く理解するために,制御系設計用ソフトウェアを用いたコンピュータ演習を行う。 | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A-4-3】 現代制御理論による制御手法の設計手順,ならびに各手法のメリット・デメリット,適用する際の制約条件が理解できる。 | 2 | 【A-4-3】 各手法を実システムへ適用するにあたって,古典制御理論における出力フィードバックとの違いを理解することができる。 | 3 | 【A-4-3】 コンピュータ演習を通して,それぞれの制御手法によるフィードバック制御系の設計ができる能力を身につける。 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 現代制御理論による制御手法の設計手順,ならびに各手法のメリット・デメリット,適用する際の制約条件が理解できるていることをゼミナールにおける説明,質疑(30%)と定期試験(40%)で評価する。 | |
2 | 各手法を実システムへ適用するにあたって,古典制御理論における出力フィードバックとの違いを理解することができていることを定期試験(40%)で評価する。 | |||
3 | それぞれの制御手法によるフィードバック制御系の設計ができることをンピュータ演習のレポートによって評価(30%)する。 | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験40% レポート30% プレゼンテーション30% として評価する。ここでいうプレゼンテーションとは,ゼミナールにおける説明と質疑応答のことをいい,レポートとは,コンピュータ演習における解答レポートのことをいう。 | |||
テキスト | 「システム制御の講義と演習」:中溝 高好,小林 伸明 著(日新出版) |
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参考書 | 「システム制御理論入門」:小郷 寛,美多 勉 著(実教出版) 「現代制御論」:吉川 恒夫,井村 順一 著(昭晃堂) |
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関連科目 | システム工学,自動制御,応用数学I,II | |||
履修上の 注意事項 |
履修にあたっては,本科のシステム工学の知識が必要となるため,システム工学を履修しているか,または同等の科目内容について自習していることが前提条件である。 |
回 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 状態フィードバックによる極配置 |
システムが可制御で,その状態がすべて検出できるとき,状態の静的なフィードバック(状態フィードバック)によって閉ループシステムの極を任意に指定できることを理解する。ここでは,簡単のために可制御正準形を使って,その計算手順を確認する。 | |
2 | 極配置と閉ループ系の特性 |
状態フィードバックによって極配置された閉ループシステムについて,ゼロ点のふるまい,伝達関数,閉ループシステムの可制御性について学ぶ。あわせて一般的な形で表されたシステムに対する極配置のフィードバックゲインの計算方法を理解する。 | |
3 | 出力フィードバックと根軌跡 |
出力の静的なフィードバックを施し,そのフィードバックゲインを変化させたときの極の挙動を根軌跡を使って描く。このことにより出力フィードバックでは,閉ループシステムの極を,任意の値に配置できないことを理解する。 | |
4 | 出力の動的補償器による極配置 |
出力のフィードバックを用いて,閉ループシステムの極を,任意の値に配置するための動的補償器について理解する。動的補償器の導入,閉ループシステムの極と補償器のパラメータの関係とその計算手順を理解する。 | |
5 | コンピュータ演習(1) |
第1週〜第4週の内容(極配置法)のコンピュータ演習を通して,具体的な設計手順を理解する。 | |
6 | 観測器(オブザーバ) |
システムの状態が検出できない場合に,その推定値を計算する代表的な手法の1つである観測器(オブザーバ)について,その考え方と構造について理解する。 | |
7 | 観測器の極とゲイン |
観測器がシステムの状態を推定する速さ(真値と推定値の誤差の収束速度)の指定方法について理解する。また,理論の上では,この速さをいくらでも大きくできるが,そのことが信号処理の立場からは,必ずしも望ましいことではないという実際的な問題を理解する。 | |
8 | 低次元観測器の構成 |
出力信号の数だけ状態の推定値の数を減らして設計する低次元観測器について理解する。ここでは2次元の簡単なシステムについて例題を示しながら計算手順を追ったあと,一般的な表現を用いて設計手順を説明する。 | |
9 | 観測器を用いたフィードバック制御系の設計 |
観測器による状態の推定値をフィードバックに用いたときの閉ループシステムの特性について理解する。まず,観測器の推定の速度と閉ループシステムの応答が独立して設計できることを述べた分離定理を説明し,つぎに閉ループシステムの伝達関数から観測器の特性が(可制御かつ可観測な)伝達関数には現れないことを理解する。 | |
10 | 伝達関数による観測機の設計 |
観測器と推定値のフィードバックから構成される閉ループシステムを,伝達関数を用いて設計する方法とその手順を理解する。また,低次元観測器と推定値のフィードバックから構成される閉ループシステムの設計方法についても理解する。 | |
11 | コンピュータ演習(2) |
第6週〜第10週の内容(観測器)のコンピュータ演習を通して,具体的な設計手順を理解する。 | |
12 | 最適レギュレータ |
2次形式評価関数を最小にするように設計される最適レギュレータについて,その構造,導出過程,評価関数の最小値の求め方を理解する。 | |
13 | 最適レギュレータの特性 |
ここでは,まず最適レギュレータを満たす円条件の導出とその意味を理解する。つぎにハミルトン行列,閉ループシステムの固有値,リッカチ方程式,リッカチ方程式の解の関係について理解する。 | |
14 | 観測器を用いた場合の最適レギュレータ |
観測器によって得られる状態の推定値を,最適レギュレータのフィードバックに用いたときの閉ループシステムの特性について理解する。どのようにフィードバックゲインを選んでも,状態フィードバックの場合に比べて,必ず評価関数の劣化が生じることを理解する。 | |
15 | コンピュータ演習(3) |
第12週〜第14週の内容(最適レギュレータ)のコンピュータ演習を通して,具体的な設計手順を理解する。 | |
備 考 |
中間試験は実施しない。定期試験を実施する。 |