2007 年度光物性工学シラバス

【 2007 年度授業概要】
学習・教育目標			工学系複合プログラム	ＪＡＢＥＥ基準１（１）
科　　　目			光物性工学 ( Optical Properties of Materials )
担当教員			西敬生
対象学年等			電気電子工学専攻・1年・前期・選択・2単位 ( 学修単位II )
学習・教育目標			A-4-2(100%)	(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要と方針			現代のキーテクノロジーの粋を集めた光デバイスの原理や応用技術を理解するために，光吸収の本質や，半導体中の光の伝搬，半導体内での電子と光の相互作用などの基礎から学習する。レポートなどで理解を固める。
到達目標		1	【A-4-2】　光の色と波長とエネルギの関係を理解し，物質の禁制帯幅からその物質の色の見当がつくようになる。
		2	【A-4-2】　マクスウェルの方程式から波動方程式を導出することができる。
		3	【A-4-2】　光吸収係数，反射率や屈折率などの式を間単に説明できる。。
		4	【A-4-2】　半導体の光吸収の原理について簡単に説明できる。
		5	【A-4-2】　半導体の発光の原理について簡単に説明できる。
		6	【A-4-2】　非線形光学効果についてその現象やその起源について簡単に説明できる。
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評価方法と基準	到達目標毎	1	光の色と波長とエネルギの関係についてレポートや定期試験で問い，評価する。
		2	式の導出をレポートや定期試験で出題し，評価する。
		3	式の意味についてレポートや定期試験で問うことで評価する。
		4	半導体の光吸収についてまとめたレポートや，これに関する定期試験問題により評価する。
		5	半導体の発光についてまとめたレポートや，これに関する定期試験問題により評価する。
		6	非線形光学効果についてまとめたレポートや，これに関する定期試験問題により評価する。
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	総合評価		成績は，試験80%　レポート20%　として評価する。100点満点中60点以上を合格とする。
テキスト			ノート講義，プリント
参考書			「光エレクトロニクス」：濱川圭弘，西野種夫（オーム社）「応用電子物性工学」：佐藤勝昭，越田信義著（コロナ社）
関連科目			半導体工学(本科電子工学科4年)，固体デバイス工学（本科電子工学科5年）応用物理(本科4年)，電気材料(本科4年)，電子工学（本科電気工学科3年，4年）
履修上の注意事項

【授業計画（光物性工学）】
回	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	光エレクトロニクスと半導体
1	この講義のガイダンスと現代の光エレクトロニクスの発展や光デバイスの応用分野などに関して紹介する。また半導体の光物性に関する導入部を解説する。
2	光についてI
2	電磁波・光の分類，光の単位，物質の色について説明する。
3	光についてII
3	マクスウェルの方程式から波動方程式を導出し，電磁波について説明する。
4	光についてIII
4	光の強度・エネルギーについて述べると共に，式によってこれらを表現する。また偏光についても述べる。
5	物質中の電磁波
5	物質に光が吸収されるとはどういうことか，屈折率とは何かについて説明するとともに，物質中を伝搬する光を式で表現する。
6	光の反射と屈折
6	反射と屈折の法則，反射率と透過率を説明するとともに，式の導出を行う。
7	光吸収係数
7	マクスウェルの方程式からLambertの法則を導き，吸収係数および光学密度を求める。また実際の物質の光吸収スペクトルを示し，その構造について説明する。
8	半導体の光吸収I：バンド端吸収
8	半導体に光が照射されたときに起こる吸収について四週にわたって説明する。最初はバンド端吸収について，直接遷移型と間接遷移型との違いについて説明する。
9	半導体の光吸収II：バンド端吸収と励起子吸収
9	先週の続きでバンド端吸収について説明するとともに，励起子吸収についても説明する。
10	半導体の光吸収III：不純物を介した吸収，バンド内吸収
10	禁制帯中に形成された不純物準位を介した吸収や，価電子帯内，伝導帯内で起こる光吸収について説明する。
11	半導体の光吸収IV：遷移元素不純物に関する吸収
11	ルビーなどの宝石の着色は固体内に遷移元素が添加され，その遷移元素イオンによる吸収が原因となっている。これらの吸収について説明する。
12	半導体の発光：ルミネッセンスの物理
12	半導体の発光メカニズムについて，吸収と同様，電子の遷移過程をたどりながら，どのようなものがあるか説明する。
13	半導体の発光：バンド端発光とバンド-不純物間発光，不純物間発光
13	半導体において代表的な発光機構であるバンド間発光，バンド不純物間発光，不純物間発光を取り上げ，それぞれについて説明する。
14	電気分極と非線形光学効果
14	物質の誘電的性質から分極について説明し，その種類について示す。また非線形光学効果の導入部を説明する。
15	非線形光学効果
15	非線形光学効果である電気光学効果や第二高調波発生などの現象について説明する。
備考	中間試験は実施しない。定期試験を実施する。