【 2006 年度 授業概要】
科   目 都市工学実験実習 ( Laboratory Work in Civil Engineering )
担当教員 嵯峨 晃 ,中西宏,辻本剛三,高科豊,山下典彦,柿木哲哉
対象学年等 都市工学科・4年・前期・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
C1(70%) C4(30%) (d)2-b,(d)2-d,(e),(f),(h)
授業の概要
と方針
3年次までに学習した材料学,構造力学,水理学,土質力学など学専門基礎科目の一層の理解を深め,各分野の実験を通じて,工学的な感覚を磨くことを目的とする。また,実験実習班はクラスを3班の少人数に編成して週毎に巡回し,各専門分野のシミュレーションや実験装置で理論の理解と実際問題への応用・展開能力を養う。



1 【C4】  材料:骨材をコンクリートに用いる材料として扱う場合,塩分や腐植酸の混入,強靱性など様々な観点からの留意が必要なことを理解できる。
2 【C4】  構造:2径間連続ばりのたわみ影響線の理論解及び実験により連続ばりの特性が理解できること。実験模型で固有震動数及び固有モードなどを求め構造物の振動特性が理解できること。
3 【C1】  土質:土の力学的性質を求める実験を通じて,実験方法を理解し遂行することで報告書が作成できること。
4 【C1】  水理:水の物理特性・力学特性についての実験を4つ行い,その中の1つに関して理論的検討を行い,報告書の作成,添削を通して水理実験に関する報告書の作成できる。
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1 コンクリートに用いる材料の留意点の理解度は,実験態度及び報告書(実験目的,方法,結果,考察等)の内容で評価する。
2 連続ばりの特性及び構造物の振動特性の理解度は,実験態度及び報告書(実験目的,方法,結果,考察等)の内容で評価する。
3 土の力学的性質について実験方法の理解度及び報告書作成の評価は,実験態度及び報告書(実験目的,方法,結果,考察等)の内容で評価する。
4 水の物理特性・力学特性についての理解度及び報告書作成の評価は,実験態度及び報告書(実験目的,方法,結果,考察等)の内容で評価する。
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成績は,レポート60% プレゼンテーション40% として評価する.
テキスト [材料実験]「土木材料実験指導書」(土木学会)
[構造実験] プリント配付
[水理実験]「水理実験指導書」(土木学会)
参考書 「構造力学I」嵯峨他(コロナ社)
「建設系のための振動工学」(森北出版)
「水理学」,日下部他(コロナ社)
「土質試験のてびき」(土木学会)
関連科目 材料学,構造力学,水理学,土質力学
履修上の
注意事項
実験は,構造力学,水理学,土質力学,材料学など専門基礎知識に基づいて,工学的現象を正しく理解することにある。また実験はチ−ムワーク(班別)で実施するので再実験はできないことが原則である。

【授業計画( 都市工学実験実習 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 S4都市工学実験実習の実施方法について
S4実験実習は1,材料・構造実験 2,土質実験 3,水理実験の3つを実施する。クラスを1/3づつA班,B班,C班に分け,各実験は3週間毎のローテションで実施する。
2 全体のオリエンテーション
クラス全員を対象に3つの実験(1,材料・構造実験 2,土質実験 3,水理実験)についてのオリエンテーションを行う。
3 [材料実験・構造実験] 02〜04週 :有機不純物試験,タンニン酸混入強度試験
細骨材に不純物が混入する危険性を実験上から考察する。
4 [材料実験・構造実験] 05〜07週 :塩分含有量測定,すりへり試験
海砂に含まれる塩分含有量を硝酸銀滴定試験から把握する方法を学習する。また,骨材のすりへり強靱性を考察する。
5 [材料実験・構造実験] 8〜10週 :2径間連続ばりの影響線
2径間連続ばりのたわみの影響線について実験する。移動荷重によるたわみの影響線の理論解を誘導すると共に実験値との比較をし,連続ばりの特性について理解する。
6 [材料実験・構造実験] 11〜13週 :構造物の固有振動
はりおよびフレームについて自由振動により固有振動数および固有モードを求めるとともに,起振機により共振曲線を求めて振動特性を理解する。
7 [水理実験] 02〜04週 :直角三角堰の検定/層流と乱流
直角三角堰の越流水深と流量を測定する。/層流と乱流を観察し,限界レイノルズ数を測定する。
8 [水理実験] 05〜07週 :ベンチュリメーターによる流量の測定/オリフィスからの流出
ベンチュリメーターの実験を通してベルヌイの定理についての理解を深める。/オリフィスからの流出に伴う力学機構について,流量係数の測定を通じて学ぶ。
9 [水理実験] 08〜10週 :実験データの整理
実験で得られたデータをコンピュータを用いて表やグラフなどに整理する。
10 [水理実験] 11〜13週 :実験データの解析
実験データをコンピュータを用いて解析し,実験値と理論値を比較するなどして,それぞれの特徴や違いについて学ぶ。
11 [土質実験] 02〜04週 :CBR試験
供試体を作製し,吸水膨張試験と貫入試験を行い,突き固めた供試体の路床土支持力比を調べる。
12 [土質実験] 05〜07週 :土の一面せん断試験
供試体を作製し,定まった1つの面でその供試体をせん断し,その面上のせん断応力とせん断強さを調べる。
13 [土質実験] 08〜10週 :土の一軸圧縮試験
供試体を作製し,その自立する供試体に対して拘束圧が作用しない状態で圧縮し,一 軸圧縮強さを調べる。
14 [土質実験] 11〜13週 :土の三軸圧縮試験
供試体を作製し,その供試体に側圧を加えこれに上下方向の軸圧を加えて圧縮し,土の強度定数を調べる。
15 14・15週 :まとめとプレゼンテーション
3つの実験(1,材料・構造実験 2,土質実験 3,水理実験)について,各4項目の試験に関して要点をまとめ,それぞれの実験の集大成としてプレゼンテーションを行う。


中間試験および定期試験は実施しない.以上の表記については,回数(週単位)ではなく各実験室毎に記しているので注意。