科 目 | 物理 ( Physics ) | |||
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担当教員 | 正木 智洋 | |||
対象学年等 | 機械工学科・1年B組・通年・必修・2単位 ( 学修単位I ) | |||
学習・教育 目標 |
工学系複合プログラム | JABEE基準1(1) | ||
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授業の概要 と方針 |
物理学は自然科学の一分野である。中でも力学は最も古くから体系を整え,物理学発展の範となった分野である。本授業では,まず力学の基本概念,原理を理解することに重点を置き,それらを用いて応用できる力を習得することを目標とする。物理法則は実験と理論とが助け合って発展する学問であることから授業の進め方として,実験または実際の物理的現象を提示した上で理論的な考察に入っていく。 | |||
到 達 目 標 |
1 | 時間,移動距離(位置),速度,加速度の関係式を理解し,それらを活用できる。 | 2 | 運動の第1,2,3法則を理解し,問題に応じてそれらを適用できる。 | 3 | 加速度,重力,ばねそれぞれが関係する際の運動方程式を立式することができる。 | 4 | 運動量保存則,力学的エネルギー保存則を理解し,それらを活用できる。 | 5 | ベクトルの合成・分解を行うことができ,各成分において式(運動量,運動方程式等)を立式することができる。 | 6 | 円運動について理解し,それらを活用できる。 | 7 | 力のつりあいを通して,剛体・流体における物理現象が理解できる。 | 8 | 実験を仲間と協力的に行うことができ,実験結果と考察の区別をつけることができる。 | 9 | 演習問題を通して,自分の考えをきちんと相手に伝えることができる。 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 中間・定期試験(全4回)で評価する。 | |
2 | 中間・定期試験(全4回)で評価する。 | |||
3 | 中間・定期試験(全4回)で評価する。 | |||
4 | 中間・定期試験(全4回)で評価する。 | |||
5 | 中間・定期試験(全4回)で評価する。 | |||
6 | 中間・定期試験(全4回)で評価する。 | |||
7 | 中間・定期試験(全4回)で評価する。 | |||
8 | 実験結果・考察をレポート課題として提出し,それを評価する。 | |||
9 | 第7,14,22,28,29週で行う演習問題を解いて提出し,それを評価する。 | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験60% レポート20% 演習20% として評価する.試験は4回の試験(前期中間,前期定期,後期中間,後期定期)の平均点を60%で評価する。レポートは実験レポートとして2回提出したのを評価し,演習は演習時間の問題を解いた物を5回提出したのを評価する。 | |||
テキスト | 「高専の物理」:和達三樹監修(森北出版) 「高専の物理問題集」:田中冨士男編著(森北出版) |
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参考書 | 「基礎物理学1 物理学序論としての力学」:藤原邦男(東京大学出版) |
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関連科目 | 数学ほか多方面に関係します。 | |||
履修上の 注意事項 |
分からないことは気軽に質問をして欲しい。また復習をするように心がけること。 |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 直線運動1(速さ,速度,平均・瞬間の速度) |
速さと速度の違いを知ることで,方向と大きさの考え方を習得する。また平均速度と瞬間速度の違いを理解する。 | |
2 | 直線運動2(学生実験) |
斜面を下る物体(台車)の移動距離と時間の関係を実験により求める。その結果(x-tグラフ)から速度→加速度(等加速度直線運動)を求める。 | |
3 | 直線運動3(加速度,等加速度直線運動) |
前回の実験結果から,速度・加速度・移動距離の関係を式で求める。また実験結果から理論が作られる事を学ぶ。 | |
4 | 運動の法則1(力,慣性の法則,運動方程式) |
物体は勝手に動き出すことができるのかを考え,そこから力と物質の運動の係わりを考察し,慣性の法則を学ぶ。力が物体に働き続けるとどうなるのかを考え,力と加速度の関係(運動方程式)を考察する。 | |
5 | 運動の法則2(作用反作用の法則,フックの法則) |
机上の物はなぜ止まっているのかを考え,二物体間に働く力(作用・反作用の法則)を考察する。またばねの物体に働く力について実際に示し,フックの法則について学ぶ。 | |
6 | 運動の法則3(重力,万有引力の法則) |
物質が落ちるときの加速度について実験的に重力加速度を求める。またキャベンデッシュの実験を学び,昔の人がどのようにして地球の質量を知ろうとしたのかを説明する。万有引力の法則の詳細については第21週で説明する。 | |
7 | 演習(直線運動,運動の法則の復習) |
直線運動,運動の法則の復習として,問題の解答・解説を学生が行う。問題とその問題の解説をする学生については第6週に指示する。 | |
8 | 中間試験 |
第1〜7週までの内容の理解度を測るための試験を行う。 | |
9 | 中間試験の解説,いろいろな直線運動1(自由落下運動,真上に投げた時の運動) |
中間試験の解説をした後,加速度と重力加速度の関係から,物体の落下(投げ上げ)運動に対する速度・加速度・落下(投げ上げた)距離の関係を求める。 | |
10 | いろいろな直線運動2(運動方程式の作り方,摩擦が働く時の運動) |
運動の第二法則から物質に働く力の合成と運動方程式について考察する。また静止・動摩力について理解する。 | |
11 | 運動量(力積,運動量保存則) |
運動方程式から力積と運動量の関係を考察し,作用・反作用の法則より全運動量は保存される事を理解する。 | |
12 | 力学的エネルギー1(仕事,運動エネルギー) |
物理における仕事の意味を説明し,物体に与えた仕事と物体の持つ運動エネルギーの変化について考察する。 | |
13 | 力学的エネルギー2(位置エネルギー,力学的エネルギー保存則) |
重力,弾性力,万有引力の位置エネルギーについて説明する。位置エネルギーと運動エネルギーの和は物理的運動の初めと終わりでどうなるのかを考察する。 | |
14 | 演習(いろいろな直線運動,運動量,力学的エネルギーの復習) |
いろいろな直線運動,運動量,力学的エネルギーの復習として,問題の解答・解説を学生が行う。問題とその問題の解説をする学生については第13週に指示する。 | |
15 | 定期試験 |
第1〜14週までの内容の理解度を測るための試験を行う。 | |
16 | 平面・空間での運動1(ベクトル,三角関数) |
ベクトル・三角関数の数学的な基礎知識について説明する。 | |
17 | 平面・空間での運動2(力,速度と運動量) |
ベクトル・三角関数を用いて速度・力の合成,分解について考察する。また水平・垂直成分での運動量保存則について理解する。 | |
18 | 平面・空間での運動3(斜面上にある物体の運動) |
斜面上にある物体に働く力はどのようになっているのか,またこの物体が運動するときの運動方程式はどのようになるのかを考察する。 | |
19 | 平面・空間での運動4(斜方投射,放物運動) |
物体の水平投射,斜方投射を考えた場合,速さ・力を水平成分と鉛直成分に分解でき,各成分で運動方程式がどのように作られるかを理解する。 | |
20 | 平面・空間での運動5(等速円運動,慣性力) |
等速円運動の性質について説明し,速度の向きを変える向心加速度(向心力)について理解する。慣性力と遠心力について考察する。 | |
21 | 平面・空間での運動6(惑星の運動) |
ケプラーの法則を説明し,ケプラーの第三法則と万有引力の法則の関係を考察する。 | |
22 | 演習(平面・空間での運動1〜6の復習) |
平面・空間での運動1〜6の復習として,問題の解答・解説を学生が行う。問題とその問題の解説をする学生については第21週に指示する。 | |
23 | 中間試験 |
第16〜22週までの内容の理解度を測るための試験を行う。 | |
24 | 中間試験の解説,平面・空間での運動7(単振動) |
中間試験の解説をした後ばねの運動を通して単振動について説明し,単振り子についても考察する。 | |
25 | 平面・空間での運動8(学生実験) |
単振り子の実験を通して周期を求め,その結果から重力加速度を求める。 | |
26 | 剛体に働く力(力のモーメント・つりあい) |
物質が動かないためにはどうなればよいのかを考え,斜めに立てられた棒はなぜ倒れないのかを力の分解を通して考察していく。 | |
27 | 流体に働く力(圧力,浮力,パスカルの原理) |
圧力とは何なのかを説明した上で,パスカルの原理を考察する。またアルキメデスの原理を実験的に示し,液体中の物体に働く力を考察する。 | |
28 | 演習(単振動,剛体・流体に働く力) |
単振動,剛体・流体に働く力の復習として,問題の解答・解説を学生が行う。問題とその問題の解説をする学生については第27週に指示する。 | |
29 | 力学総合演習 |
1年間通して学んだことについての総復習として,応用問題の解説を行う。 | |
30 | 定期試験 |
1年間学んだ内容の理解度を測るための試験を行う。 | |
備 考 |
中間試験および定期試験を実施する. |