2006 年度通信工学シラバス

【 2006 年度授業概要】
学習・教育目標			工学系複合プログラム	ＪＡＢＥＥ基準１（１）
科　　　目			通信工学 ( Telecommunication Engineering )
担当教員			芝田道
対象学年等			電気工学科・5年・通年・選択・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育目標			A4-4(100%)	(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要と方針			前期は，無線電話，衛星通信装置，各種レーダーの原理，構造，機能，取り扱い方法について解説する。後期はローカルエリアネットワークの構築，管理，運営に必要な基本技術について，TCP/IPプロトコルを中心に解説する。
到達目標		1	【A4-4】　無線電話装置の構成，簡単な取り扱い方法を知っている。
		2	【A4-4】　 FM送受信機の構成，原理を理解している。
		3	【A4-4】　衛星通信装置の構成，ハブ局の概略がわかる。
		4	【A4-4】　レーダーの種類，原理を知っている。
		5	【A4-4】　レーダーの構成，補助回路を知っている。
		6	【A4-4】　 TCP/IP通信に関する基礎用語の説明ができる。
		7	【A4-4】　 TCP/IP通信のしくみが説明できる。
		8	【A4-4】　 2進数，16進数，10進数の変換ができる。
		9	【A4-4】　 IPアドレスのクラス分けとサブネットの作成ができる。
		10	【A4-4】　ルータの役割について説明ができる。
評価方法と基準	到達目標毎	1	無線電話装置の構成や取り扱い方法を理解しているか中間試験で評価する。
		2	FM送受信機の構成，原理を理解しているか中間試験で評価する。
		3	衛星通信装置の構成，ハブ局の概略を理解しているか定期試験で評価する。
		4	レーダーの種類，原理を知っているか定期試験で評価する。
		5	レーダーの構成，補助回路を知っているか定期試験で評価する。
		6	TCP/IP通信に関する基礎用語の説明ができるか中間試験で評価する。
		7	LANにおけるデータ伝送のしくみについてのレポートを電子メールで提出させて評価する。
		8	2進数，16進数，10進数の変換ができるか定期試験で評価する。
		9	IPアドレスのクラス分けとサブネットの作成ができるか定期試験で評価する。
		10	ルータの役割について説明ができるか定期試験で評価する。
	総合評価		成績は，試験80%　レポート20%　として評価する．到達目標1，2，3，4，5，6，8，9，10の試験80%，到達目標7のレポート20%で評価する。
テキスト			「無線工学」：（電気通信振興会） WEBテキストプリント
参考書			「IP-VPNのしくみ」：芝田道著（日本実業出版社）「図解でわかるLANのすべて」：小泉修著（日本実業出版社）
関連科目			電子回路I，電子回路II
履修上の注意事項			通信工学を学習するにあたり，数学，物理，電気磁気学をはじめその他多くの専門基礎の理解が必要です。また，通信工学と発展的につながる教科として電子回路などを履修しておくことが望ましい。

【授業計画（通信工学）】
週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	無線電話の原理，利用形態
1	電波（電磁波）の概念，電波の種類を説明し，電波を利用した無線電話の原理とその利用形態を解説する。
2	変調および復調
2	情報を送るためには電波に信号を乗せる必要があり，その方法を変調と言う。また変調から元の信号波を取り出すことを復調と言い，これら無線通信の基本について解説する。
3	FM無線電話装置の構成
3	AM方式の無線電話にくらべ多くのすぐれた特徴があり，はやくから移動体通信用として注目されてきたFM方式の無線電話装置の構成について解説する。
4	単信方式，複信方式および半複信方式
4	送信および受信に使う周波数とその通信方式について解説する。
5	FM送信機の構成
5	FM送信機は，発振，増幅および変調の3つの作用が基本となって動作する。これらの作用を行う電子回路の構成について解説する。
6	FM受信機の構成
6	FM受信機は，復調および増幅の作用が基本となって動作する。これらの作用を行う電子回路の構成について解説する。
7	固定局または基地局用送受信機
7	固定局または基地局用の送受信機の取り扱い方法について解説する。
8	中間試験
8	1回目から7回目までの内容を試験。
9	中間試験解答，衛星通信装置の周波数
9	中間試験の解答について解説する。衛星通信についての概要と使用周波数を解説する。
10	VSATシステム送受信装置
10	音声，データおよび画像などの情報メディアに対応した経済的で，信頼性の高い衛星通信システムであるVSATシステムについて解説する。
11	VSATシステム送受信装置の取り扱い方法
11	VSATシステム送受信装置の取り扱い方法を解説する。
12	レーダーの基本原理
12	レーダーとは何かという概念から基本原理までを解説する。
13	レーダーの機能
13	レーダーの構成と機能，および動作の概要を解説する。
14	レーダー受信機の付属回路
14	AFC回路，STC回路，FTC回路，IAGC回路について解説する。
15	速度計測用レーダー
15	速度計測用レーダー，距離測定レーダーなど各種レーダーについて解説する。
16	ネットワークの概要
16	2台のコンピュータの接続，コンピュータ同士の接続のメリット，LANとは何かなどネットワークの基礎について解説する。
17	OSI参照モデルとTCP/IPモデル
17	プロトコルとは何か，OSI参照モデルの機能および世界標準のTCP／IPプロトコルの概要について解説する。
18	ローカルエリアネットワークの概要
18	ローカルエリアネットワーク（LAN）とは何か，何ができるのかを解説する。LAN環境において，ネットワークコマンドpingを使って相手のコンピュータに接続できることを確認してみる。
19	LANの形態とプロトコル
19	コンピュータから見たLANの分類，LANの配線形態およびそのプロトコルについて解説する。
20	LANにおけるデータ伝送のしくみ
20	LANの構造，LANの伝送方式，LANの通信方式およびアクセス方式について解説する。
21	さまざまなLAN規格とMACアドレス
21	10BASE－T，ATM－LAN，無線LANなどさまざまなLANとMACアドレスについて解説する。
22	イーサネット，FDDI，トークンリング
22	イーサネット，FDDI，トークンリングについて解説する。
23	中間試験
23	16回目から22回目までの内容を試験。
24	中間試験回答，ローカルエリアネットワークの設計
24	中間試験の解答について解説する。ローカルエリアネットワークを構築するために必要なハードとソフトおよび留意点について解説する。
25	IPアドレスとサブネット
25	ネットワークアドレスとホストアドレス，IPアドレスのクラス分け，およびサブネットマスクの意味について解説し，その計算方法を演習する。
26	ルーティングとアドレッシング
26	ルーティングとアドレッシングの概念，ルータの機能，ルータによるルーティングの実際などについて解説する。ネットワークコマンド tracertを用いてIPデータが実際どのようなルートを通るか調査を行う。
27	トランスポート層
27	トランスポート層プロトコルであるTCPとUDPについて詳しく解説する。
28	セッション層
28	セッション層について詳しく解説する。
29	プレゼンテーション層
29	プレゼンテーション層について詳しく解説する。
30	アプリケーション層
30	アプリケーション層のプロトコルについて，TELNET，FTP，DHCPなどを解説する。
備考	中間試験および定期試験を実施する．