【 2006 年度 授業概要】
科   目 生物 ( Biology )
担当教員 向井 理恵
対象学年等 電気工学科・3年・後期・必修・1単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
授業の概要
と方針
動物,あるいは植物の遺伝子情報を応用した技術について学ぶ。そのために,まず「遺伝子」とは何かを理解する。次に,遺伝子情報を応用した技術例の原理を理解する。最後に,授業で取り上げた技術に関する倫理的解釈と社会的な問題点を考える。



1 遺伝に関わる基礎知識の習得。遺伝の法則の基礎であるメンデルの法則を学び,遺伝子相互の働きについて説明できる。
2 遺伝を司る遺伝子の成り立ちについて理解する。具体的にはDNAの構造と複製,転写,翻訳を理解し,遺伝暗号からタンパク質合成が成立する過程を説明できる。
3 ゲノム解読について理解する。ゲノム解析の方法を説明できる。また,解読された情報を基に期待できる新規技が社会にどのように反映されるか,ニュースなどから探し出す。
4 クローン動物について理解する。クローン動物の作成方法を説明できる。また,クローン動物の応用例をニュースなどから探し出す。
5 遺伝子組み替えについて理解する。組換え技術の原理を説明できる。また,組換え技術によるバイオテクノロジーの応用例をニュースなどから探し出す。
6 本講義で学んだ,各技術に対するメリットとデメリットを理解する。その上で各個人の意見をまとめる。
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1 遺伝の法則,連鎖と組みかえに関するキーワードが説明できるか,小テストを行なう。また小テストのうち一部を前期中間試験で出題し評価する。
2 DNAの構造と,タンパク質合成の経路について説明できるか小テストを行なう。また小テストのうち一部を前期中間試験で出題し評価する。
3 ゲノム解読の方法の理解度を試験で評価する。またゲノム情報を用いた技術に関する応用例を各自で探し,そのメリットとデメリットについて小テストで確認する。
4 クローン動物に関わるキーワードの理解度を試験で評価する。またクローン動物に関する応用例を各自で探し,そのメリットとデメリットについて小テストで確認する。
5 遺伝子組み替えの方法の理解度を試験で評価する。また遺伝子組み替えの応用例を各自で探し,そのメリットとデメリットを小テストで確認する。
6 グループに分かれ,本講義で学んだ技術のメリットとデメリットに関して議論する。また,その内容を発表し,内容を評価する。
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成績は,試験70% レポート20% 発表10% として評価する.
テキスト 授業時に資料を配布する。
参考書 授業時に随時紹介する。
関連科目 なし
履修上の
注意事項
特になし

【授業計画( 生物 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 バイオとゲノム
現代社会で発展している,遺伝子解析,クローン技術,遺伝子組み替えなどの技術の紹介。
2 遺伝の法則
メンデルの法則を学ぶ。
3 遺伝子と染色体
遺伝子は染色体にあると理解する。また,染色体には組換えにより引き起こされる遺伝形質の変化について学ぶ。
4 遺伝子のはたらきあい
不完全優性,致死遺伝子,対立遺伝子,補足遺伝子などについて学ぶ。
5 DNAの構造
遺伝子の本体はDNAであることを理解する。また,DNAは塩基と糖とリン酸からなるヌクレオチドが構成単位であることを学ぶ。さらに生物種による染色体の相違について知る。
6 DNAの複製
DNAの相補鎖の解離,ポリメラーゼによる半保存的複製のメカニズムを理解する。また,その応用例であるPCR法を学ぶ。
7 タンパク質の合成
DNAから,転写,翻訳を経てタンパク質が合成される過程について学ぶ。
8 中間試験
ここまでに習得したキーワードを説明できるか否か評価する。
9 遺伝子解読
遺伝子解読の方法,その応用例について学ぶ。
10 遺伝子治療
遺伝子情報の統括と治療への応用例について学ぶ。具体的には遺伝子による病気の診断,血縁関係の証明,遺伝子に合わせた治療について理解する。
11 クローン動物
クローン動物の作製方法とその応用例について学ぶ。遺伝子改変動物の作製,絶滅動物の復活,異種間移植への応用に関して理解する。
12 遺伝子組み替え技術
遺伝子組み替え技術の原理とその応用例について学ぶ。遺伝子改変植物の生産とそれに伴う生態系への影響について理解する。
13 新しい技術に対する政策
本講義で紹介した技術を実用化するための問題点とそれに関する倫理的議論を紹介する。
14 新しい技術を受け入れるか否かの議論
グループに分かれ,本講義で紹介した技術の実用化に向けて何が必要か議論する。その内容をまとめる。
15 新しい技術を受け入れるか否かについて発表
各グループでまとめた内容を発表する。


中間試験および定期試験を実施する.