【 2006 年度 授業概要】
科   目 化学 ( Chemistry )
担当教員 佐藤 洋俊
対象学年等 電気工学科・1年・通年・必修・3単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
授業の概要
と方針
専門的な研究において化学的視点は必須であり,日常生活では様々な物質に取り囲まれている。よって,化学物質に関する情報を身につけ,特性を生かして研究に応用し,また危険性を認識して安全に配慮しなければならない。本科目では身近な物質や専門的器具・薬品を使用し,実験題材を数多く利用して学習し,基本的な考え方を養いそれらを応用できるよう学生自ら考える授業を展開していく。



1 試薬・溶液の特徴に注意し,器具を適正に使用して,安全に実験を行うことができる。
2 実験から得られた結果について考察し,化学反応の量的関係を理解できる。
3 化学の基本法則を理解し,化学反応式を元に計算をすることができる。
4 化学反応式と実際の化学反応を結びつけて考えることができる。
5 日常生活で応用されている化学の原理から,化学物質と社会の関わりを理解できる。
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1 実験操作試験,定期試験・小テストで評価する。
2 定期試験・小テストの記述及び計算問題で評価する。
3 定期試験・小テストで評価する。
4 定期試験・小テストで評価する。
5 定期試験・小テストで評価する。
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成績は,試験70% レポート15% 小テスト15% として評価する.試験70 %以外は,実験操作試験と実験レポート及び小テスト合わせて30%で評価する。ただし,実験時の指示に再三従わず危険な行為を行うものは不合格とする。実験操作を多く取り入れ班ごとに取り組むが,実験操作や計算,片づけを行わず協力しないものは減点する。
テキスト 「新編 高専の化学」笹本 忠・中村茂昭 編(森北出版)
「新編化学図解」佐野博敏・花房昭静 監修(第一学習社)
「化学IB標準ノート」(第一学習社)
参考書 「化学IB・IIの新研究」卜部吉庸 著(三省堂)
関連科目 物理,数学
履修上の
注意事項
50分時はHR教室,90分時は化学実験室において行う。化学実験室(一般科棟5階B棟)において行う場合,開始時刻に遅れないこと。

【授業計画( 化学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 純物質と混合物
物質には2種類以上の物質からなる混合物と1種類の物質からできている純物質がある。図p.8(図説8ページ),Tp.9(教科書9ページ)
2 混合物の分離実験
混合物は様々な操作によって純物質に分離することができる。図p.8,Tp.9
3 化学変化と物理変化
ある物質が他の物質に変化することを化学変化という。化学変化と物理変化の違いについて学ぶ。図p36,44,Tp.10
4 原子の構造
原子は,原子核とそれをとりまくいくつかの電子で構成されている。原子の構造における規則性を学ぶ。図p.14,Tp.12
5 電子殻と電子配置
電子は電子殻に存在している。各元素の原子では,電子殻に存在する電子数は一定である。図p.16,Tp.14
6 イオンの形成と元素の周期律
イオンは電荷をもつ粒子であり,陽イオンと陰イオンに分類される。元素の周期表について学ぶ。図p.18,Tp.16
7 化学反応の考え方(1)
様々な反応から化学反応の特徴について考える。図p.37,Tp.76
8 中間試験(前期)
教科書,ノートの持ち込みは不可,計算機の持ち込みは事前に指示する。
9 中間試験回答,化学反応の考え方(2)
様々な反応から化学反応の特徴について考える。図p.37,Tp.76
10 物質量と化学反応式,量的関係
化学反応式の係数から,その反応における物質の量的関係を知ることができる。図p.38,Tp.77
11 物質量と気体の体積
物質の基本粒子は極めて小さく,粒子の数にもとづく物質量を定めている。図p.34,Tp.21
12 化学反応式と一定量の気体捕集
物質量と気体の体積の関係について,実験を通して理解を深める。図p.38,Tp.22
13 気体発生実験と化学反応式,原子価の考え方(1)
気体発生実験を通して,化学反応式と原子価の考え方を学ぶ。図p.13,38,Tp.15,77
14 気体発生実験と化学反応式,原子価の考え方(2)
気体発生実験を通して,化学反応式と原子価の考え方を学び,応用計算を行う。図p.13,38,Tp.15,77
15 化学結合
化学結合にはイオン結合,共有結合などがあり,仕組みや結合の強弱が異なる。図p.22,Tp.23
16 物質の三態,ボイルの法則,シャルルの法則
物質には固体,液体,気体の3つの状態がある。気体の体積と圧力,温度との間には一定の関係が存在する。図p.44,Tp28
17 ボイル・シャルルの法則
一定質量の気体の体積は,圧力に反比例し,絶対温度に比例する。図p.48,Tp.34,35
18 気体の状態方程式
気体の状態方程式は圧力,体積,物質量,温度の関係で表される。気体の分子量計算へ応用する。図p.50,Tp.38
19 昇華,溶解,電解質
液体に他の物質が混合し,均一な液体になることを溶解という。溶解の仕組みについて学ぶ。図p.45,Tp.43
20 溶液と濃度
一定量の溶液または溶媒に溶けている溶質量を表したものを溶液の濃度という。図p.54,Tp.44
21 溶解度と凝固点降下
ある温度において,一定量の溶媒に溶解しうる溶質の質量を溶解度という。図p.60,Tp.46
22 溶液の濃度と化学反応比の関係
モル濃度は,溶液1リットル中に溶解している溶質の物質量で表した濃度である。化学反応の量的計算へ応用する。図p.58,Tp.44
23 中間試験(後期)
教科書,ノートの持ち込みは不可,計算機の持ち込みは事前に指示する。
24 中間試験回答,酸と塩基
酸や塩基は,水溶液中で水素イオンや水酸化物イオンを生じる。図p80,Tp.88
25 酸・塩基の反応
酸と塩基が反応して,互いにその性質を打ち消すことを中和といい,水分子と塩が生成する。図p84,Tp.96
26 中和滴定
濃度既知の塩基(酸)を用いて,濃度未知の酸(塩基)の濃度を求める操作を中和滴定という。計算及び操作方法についても学び,身の回りの実試料分析へ適用する。図p.88,Tp.99
27 水素イオン濃度とpH
水溶液の酸性,アルカリ性は,水素イオン指数によって表される。身の回りの溶液についてpHを調べ,水素イオン濃度との関係を学ぶ。図p.82,Tp.93
28 酸化と還元
酸化還元反応は,酸素の授受だけではなく,水素や電子の授受でも説明される。実際の反応を通して,その考え方を学ぶ。図p.92,Tp.101
29 金属のイオン化傾向と金属の反応
金属の単体には,水溶液中で電子を失って陽イオンになろうとする性質があり,これを金属のイオン化傾向という。図p.98,Tp.107
30 イオン化傾向の応用
イオン化傾向を応用して,日常生活で応用されている化学の原理を学ぶ。図p.100,Tp.109


中間試験および定期試験を実施する.