【 2006 年度 授業概要】
科   目 光電子工学 ( Optoelectronics )
担当教員 林 昭博
対象学年等 電子工学科・5年・後期・選択・1単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A4-2(100%) (d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
光の増幅,レーザの発振条件と発振モード,ガウスビーム波,偏光,干渉とコヒーレンスなどの光の性質,および各種レーザの構造,発振原理,特徴等を理解し,光エレクトロニクスの基礎を修得する。



1 【A4-2】  光の増幅とレーザ発振の原理,光共振器とレーザの発振モードを理解し,説明できる。
2 【A4-2】  光の波動パラメータ,ガウスビーム波,偏光,干渉とコヒーレンスなどの光の性質を理解し,説明できる。
3 【A4-2】  気体レーザ,液体レーザ,固体レーザ,半導体レーザなど,各種レーザの構造,発振原理,特徴等を理解し,説明できる。
4  
5  
6  
7  
8  
9  
10  












1 誘導放出・反転分布と光の増幅,3準位レーザと4準位レーザ,レーザの発振条件,光共振器とレーザの縦モード・横モードの理解度を中間試験とレポートにより評価する。
2 光の波動パラメータ,ガウスビーム波の光強度分布,直線偏光と円偏光,干渉とコヒーレンスなど,光の性質の理解度を中間試験とレポートにより評価する。
3 気体レーザ,液体レーザ,固体レーザ,半導体レーザの構造,エネルギー準位と反転分布の形成法,特徴等の理解度を定期試験とレポートにより評価する。
4  
5  
6  
7  
8  
9  
10  




成績は,試験90% レポート10% として評価する.試験は中間試験と定期試験の平均である。
テキスト 「光電子工学入門」:林 昭博 編著(槇書店)
参考書 「光エレクトロニクス入門」:福光於莵三 著(昭晃堂)
関連科目 半導体工学(本科4年),光波電子工学(専攻科1年)
履修上の
注意事項
 

【授業計画( 光電子工学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ガイダンスおよび光波
授業の進め方,到達目標と評価方法などを説明する。また,電磁波としての光波の位置付けと電磁波発生デバイスを理解する。
2 光の波動パラメータ,光の誘導放出
光の空間伝搬における波動としてのパラメータを理解する。また,光の放出と吸収過程として自然放出,誘導吸収,誘導放出を理解する。
3 光の増幅,3準位レーザと4準位レーザ
2準位系における伝搬による光強度の変化を求め,光の増幅条件としての反転分布を理解する。また,反転分布の実現法としての3準位レーザと4準位レーザを学習し,3準位レーザと4準位レーザにおけるエネルギー準位の役割を理解する。
4 レーザ発振器とレーザの発振条件,ファブリ・ペロー共振器
レーザ発振器の構成を理解し,レーザの発振条件を求める。また,光共振器としてのファブリ・ペロー共振器の共振特性を求める。
5 レーザの発振モード
ファブリ・ペロー共振器の共振特性よりレーザ発振の縦モードを考察する。また,レーザ発振における縦モード,横モードの意味を理解する。
6 ガウスビーム波,偏光
レーザ発振器から得られる光であるガウスビーム波の基本モードの電界分布とスポットサイズを理解する。また,直線偏光,円偏光,だ円偏光における光の電界ベクトルの変化を理解する。
7 光の干渉
ヤングの干渉実験を例にして,光の干渉による干渉縞の強度変化を求める。
8 中間試験
中間試験までの授業内容に関する試験を行う。出題方針は試験前に通知する。
9 中間試験解答,光のコヒーレンス
中間試験の結果を確認する。また,干渉のしやすさを表す時間的コヒーレンスと空間的コヒーレンスの意味を理解する。
10 気体レーザ(1)
He-Neレーザの構造,エネルギー準位と反転分布の形成法,発振波長,特徴,用途などを理解する。
11 気体レーザ(2)
P偏光・S偏光とブルースタの法則を学習し,He-Neレーザにおけるブルースタ窓の働きを理解する。また,アルゴンレーザの構造,発振波長,特徴,用途などを理解する。
12 気体レーザ(3),液体レーザ
炭酸ガスレーザの構造,炭酸ガス分子の振動モード・エネルギー準位と反転分布の形成法,発振波長,特徴,用途などを理解する。また,液体レーザである色素レーザのエネルギー準位の特徴,波長可変レーザの構成法を理解する。
13 固体レーザ
固体レーザであるルビーレーザの構造,エネルギー準位と反転分布の形成法,発振波長,およびYAGレーザの構造,特徴,用途などを理解する。また,固体レーザから単一の大出力パルスを取り出すQスイッチ法を理解する。
14 半導体レーザ(1)
半導体レーザを理解する上での基礎となる半導体のバンド構造と発光,直接遷移と間接遷移,化合物半導体の発光波長と屈折率分布,活性層などを理解する。
15 半導体レーザ(2)
二重ヘテロ接合半導体レーザの構造,エネルギー準位,屈折率分布などを学習し,ヘテロ接合の形成,キャリヤの閉じ込め効果,光波の閉じ込め効果,光共振器,ストライプ構造,レーザ発振,出力特性とスロープ効率などを理解する。


中間試験および定期試験を実施する.