【 2006 年度 授業概要】
科   目 電気回路II ( Electric Circuit II )
担当教員 小矢 美晴
対象学年等 電子工学科・3年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
授業の概要
と方針
電気回路網で成立つ法則を理解し,回路の解析に必要な各種手法について習熟する。さらに伝送回路としての電気回路の基本を学ぶ意味で,二端子対回路の各種パラメータ,フィルタ回路について学習する。



1 相互誘導の概念を理解できる。また,相互誘導を含む電気回路の計算ができる。
2 グラフ理論の概要が理解でき,閉路方程式,節点方程式を用いて,電気回路が計算できる。
3 重ね合わせの理,相反定理,テブナンの定理,ノートンの定理,補償定理を理解し,電気回路の計算に応用できる。
4 二端子対回路について理解し,アドミタンスパラメータ,インピーダンスパラメータ,四端子パラメータが求められる。
5 二端子対回路の伝送特性について理解し,映像パラメータ,反復パラメータが求められる。
6 フィルタ回路の概念を理解し,低域フィルタ,高域フィルタ,帯域フィルタが設計できる。
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1 小テスト,レポートおよび前期中間試験により評価する。
2 小テスト,レポートおよび前期中間試験により評価する。
3 小テスト,レポートおよび前期定期試験により評価する。
4 小テスト,レポートおよび後期中間試験により評価する。
5 小テスト,レポートおよび後期定期試験により評価する。
6 小テスト,レポートおよび後期定期試験により評価する。
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成績は,試験70% レポート20% 小テスト10% として評価する.なお,試験成績は,4回の試験(前期中間,前期定期,後期中間,後期定期)の平均点とする。
テキスト 「大学課程 電気回路(1)」:大野克郎,西哲生(オーム社)
参考書 「基礎課程電気回路」:本郷廣平(実教出版)
「新電気回路基本演習」: 川上春夫, 島田一雄共著 (工学図書)
「電気学会大学講座 電気回路論」: 電気学会編 (オーム社)
「詳細電気回路演習 下」: 大木眞二郎 (共立出版)
関連科目 D1「数学I」及び「数学II」,D2「電気回路I」,D4「電気回路III」及び「電子回路I」
履修上の
注意事項
本授業を受講するにあたっては,複素数の計算ができること。また,簡単な直流および交流回路において,インピーダンス,電圧,電流等が求められること。

【授業計画( 電気回路II )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 相互インダクタンス
相互インダクタンスの概要を理解し,相互インダクタンスを含んだ電気回路の計算ができるようになる。
2 変成器と理想変成器
変成器について理解し,変成器を含んだ回路の計算ができるようになる。
3 回路のグラフとキルヒホッフの法則
グラフ理論について理解し,回路をグラフで表せるようになること。また,キルヒホッフの法則を用いて,回路方程式が立てられる。
4 回路方程式の立て方
枝電流法,閉路電流法を用いて,回路方程式を求めることができるようになる。
5 閉路方程式
簡単な電気回路において閉路方程式が立てられるようになる。また,経路方程式を用いて,回路電流が求められる。
6 節点方程式
簡単な電気回路において節点方程式が立てられるようになる。また,閉路方程式を用いて,節点電圧が求められる。
7 演習1
第1〜6週目で学習した内容に関する演習問題を行う。演習問題を解きながら,各人の理解度の確認を行う。
8 中間試験
第1週〜第7週までの講義内容について中間試験を行う。
9 中間試験の解説と重ね合わせの理
中間試験の解答および解説を行う。重ね合わせの理について理解し,簡単な電気回路に応用することができるようになる。
10 重ね合わせの応用
重ね合わせの理を様々な電気回路に適応し,回路電流や節点電圧が求められるようになる。
11 等価電圧源・電流源回路
等価電圧源,等価電流源の意味を理解し,それぞれの相互変換ができるようになる。
12 テブナンの定理とノートンの定理
テブナンの定理とノートンの定理を理解し,それらの定理を用いて電気回路の計算ができるようになる。
13 諸定理を用いた回路計算
諸定理を組み合わせることで,電気回路の問題を解けるようになる。
14 供給電力最大の法則
電源のインピーダンスと負荷インピーダンスの関係について理解し,負荷に電力を最大供給できる条件が計算できるようになる。
15 演習2
第9〜14週目で学習した内容に関する演習問題を行う。演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う。
16 定期試験の解説と二端子対回路の概説
定期試験の解答および解説を行う。二端子対回路とは何かについて理解する。
17 アドミタンス行列
アドミタンス行列の意味を理解し,与えられた回路のアドミタンス行列が求められるようになる。
18 インピーダンス行列
インピーダンス行列の意味を理解し,与えられた回路のインピーダンス行列が求められるようになる。
19 四端子行列の概要
四端子行列の定義を理解し,簡単な回路の四端子行列が計算できるようになる。
20 四端子行列の計算
四端子行列の性質を理解し,行列計算を用いて簡単な回路の四端子行列が計算できるようになる。※注意:四端子行列は,影像パラメータ,反復パラメータを求めるときに必要なので,必ず計算できるように学習すること。
21 二端子対回路の接続
二端子対回路の並列接続,直列接続,縦続接続について理解し,回路計算に適応できるようになる。
22 演習3
第16〜21週目で学習した内容に関する演習問題を行う。演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う。
23 中間試験
第16週〜第22週までの講義内容について中間試験を行う。
24 中間試験の解説と二端子対回路の伝送特性
中間試験の解答および解説を行う。二端子対回路の入・出力インピーダンスや減衰量などの伝送特性について理解し,それらを計算できるようになる。
25 影像パラメータ
影像パラメータの意味を理解し,簡単な回路の影像パラメータが計算できるようになる。
26 反復パラメータ
反復パラメータの意味を理解し,簡単な回路の反復パラメータが計算できるようになる。
27 フィルタの概要
フィルタの種類とその動作について説明できるようになる。
28 定K形低域フィルタと高域フィルタ
定K形低域フィルタと高域フィルタの意味を理解し,与えられた条件のフィルタ回路が設計できるようになる。
29 定K形帯域フィルタ
定K形帯域フィルタの意味を理解し,与えられた条件のフィルタ回路が設計できるようになる。
30 演習4
第24〜29週目で学習した内容に関する演習問題を行う。演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う。


中間試験および定期試験を実施する.