【 2006 年度 授業概要】
科   目 バイオメカニクス ( Biomechanics )
担当教員 武村 史朗
対象学年等 機械システム工学専攻・1年・前期・選択・2単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A4-3(100%) (d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
日常の中の何気ない人間の動作(例:コップで水を飲むなど)も,分解していくと,コップの認識,手先の軌道制御,指先の力制御,手・腕・口の協調制御,運動全体のプログラム生成など,高度な制御機能が必要になる。本講では,生体システムへの工学的アプローチを通して,各機能について学習していく。



1 【A4-3】  生体のメカニズムや運動機能を解析するための工学的手法について理解できる。
2 【A4-3】  生体を構成する基本要素,情報伝達に関する基本事項を理解できる。
3 【A4-3】  生体の運動機構の解析を行うための基本事項を習得する。
4 【A4-3】  筋運動制御系の構成とシステムを構成する要素の特性を理解できる。
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1 生体のメカニズムや運動機能を解析するための工学的手法について概説できるか,レポートと定期テストにて評価する。
2 生体を構成する基本要素,情報伝達に関する基本事項を理解できているか,レポートと定期テストにて評価する
3 生体の運動機構のモデリングができるか,レポートと定期テストにて評価する。
4 上肢を対象として,筋運動制御系の構成と筋肉の特性を理解できるか,レポートと定期テストにて評価する。
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成績は,試験80% レポート20% として評価する.
テキスト 自作テキスト
参考書 生体とロボットにおける運動制御:伊藤ほか著(コロナ社)
筋運動制御系:星宮ほか著(昭晃堂)
関連科目 応用ロボット工学,機械力学
履修上の
注意事項
機械力学を理解して受講すること。

【授業計画( バイオメカニクス )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 はじめに。生体工学の概要
生体の運動制御系を工学的にあらわした場合の機能について学習していく。
2 筋のメカニズムと力学モデル
筋の収縮の仕方,力学モデルについて学習する。
3 脊髄反射系
運動制御系の中で下位レベルにある筋および脊髄反射系について学習する。
4 運動サーボ系
運動サーボ系について学習する。
5 筋の可変粘弾性
パラメータ調節機構の基本的な筋の粘弾性について学習する。
6 解析の準備
生体運動を理解するための座標変換,力学の運動を概説する。
7 運動の機構
ヒトの骨格系もモータによって駆動される多関節リンク機構と見なすことができる。リンク機構を記述するための運動学を学習する。
8 運動の力学
リンク間の力・モーメントの記述の仕方,アームの動的挙動を記述する運動方程式を学習する。
9 運動の制御方法1
アームの制御は大まかに二つわけることができる(環境と接触無し,環境と接触有り)。ここでは自由空間におけるアームの制御方法を学習する。
10 運動の制御方法2
アームの制御は大まかに二つわけることができる(環境と接触無し,環境と接触有り)。ここでは接触作業におけるアームの制御方法を学習する。
11 筋骨格系
筋骨格系の冗長性,および力学的特徴を学習する。
12 上肢をモデルとした筋骨格系の運動記述
上肢を対象として,作業空間・関節空間・筋空間での軌道,および力の変換について学習する。
13 上肢をモデルとした運動インピーダンス1
上肢を対象として,運動インピーダンスについて概説する。
14 上肢をモデルとした運動インピーダンス2
運動インピーダンスを反映した冗長アームの逆運動学問題について学習する。
15 上肢をモデルとした運動インピーダンス3
筋の冗長性が手先操作性にどのように影響を及ぼすのかを学習する。


中間試験は実施しない.定期試験を実施する.