【 2006 年度 授業概要】
科   目 専攻科特別研究I ( Graduation Thesis for Advanced Course I )
担当教員 専攻科講義科目担当教員
対象学年等 応用化学専攻・1年・通年・必修・7単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
B1(15%) B2(10%) B4(5%) C2(70%) (d)2-a,(d)2-b,(d)2-c,(e),(f),(g)
授業の概要
と方針
授業で習得した知識と技術および卒業研究の経験を基礎とし,さらに高度な専門工学分野の研究を行う。専門知識の総合化により,研究開発およびデザイン能力を高める。研究課題における問題を学生自ら発見し,広い視野をもって理論的,体系的に問題解決する能力を養う。



1 【C2】  設定した研究テーマについて,専門知識をもとに研究遂行能力を養う。
2 【B1】  研究の経過を整理して報告し,研究内容を簡潔に発表する能力を身に付ける。
3 【B2】  研究内容に関する質問に対して的確に回答できる。
4 【B4】  特別研究に関係した英語の論文を読む能力を身に付ける。
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1 研究活動と報告書および発表会の内容を評価シートを用いて評価する。他の項目と合わせて合計100点とする。
2 特別研究発表会30点(内容と構成10点,発表10点,質疑応答10点)として評価する。他の項目と合わせて合計100点とする。
3 特別研究発表会30点(内容と構成10点,発表10点,質疑応答10点)として評価する。他の項目と合わせて合計100点とする。
4 報告書を評価シートを用いて評価する。他の項目と合わせて合計100点とする。
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成績は,特別研究発表会30% 研究遂行能力、報告書作成能力70% として評価する.項目(2)については評価シートを用いて評価する。
テキスト  
参考書  
関連科目 各分野における参考文献等
履修上の
注意事項
専門的なテーマについて,学会発表ができる成果を目指して研究を行うので,テーマに関連のある本科専門科目,ならびに卒業研究において基礎を身に付けておくことが必要である。

【授業計画( 専攻科特別研究I )】
内容(目標、準備など)
研究は下記から1テーマを選び担当教官の指導のもとで行う.

(1)相平衡・相間物質移動とその工業装置の特性解析
相平衡としては減圧下の気液平衡実測とその液相非理想性の導出,物質移動としては液液系の物質移動実験として単一液滴内への移動係数の実測,装置としては液液抽出装置(Kaar カラム等)の流動特性・物質移動特性におよぼす各種因子の影響について解析する.

(2)人工抗体分子の創製
黄色ブドウ球菌S.aureus由来のProtein A のZドメインのコンビナトリアル変異により,がん遺伝子産物などを標的とした,アフィニティーリガンド分子を創製し,人工抗体分子としての機能を検討する.

(3)気相中の化学反応に関する研究
気相中での化学反応において,反応分子の自由度が化学反応に与える影響について,速度論と動力学の両面からの解明を試みる.必要に応じて実験や量子科学計算を用いる.

(4)光合成色素の励起状態の物理化学
光合成色素の一つ,カロテノイドの補助集光・光保護作用の機能発現の機構を物理化学的視点より研究する.色素蛋白やカロテノイドを単離精製(生化学・有機化学)して種々の分光法を応用(物理化学)したり,理論計算(物理学)を行って,カロテノイドの励起状態の特性を調べ上げ,光合成系での機能発現の機構を考察する.

(5)(1)M-Cσ結合を有する有機金属錯体の合成と応用 (2)ポリアセン化合物,ポリキノリノール化合物の合成
抗腫瘍活性剤,有機EL素子,有機デバイスへの展開を目的とした新規有機化合物および新規有機化合物の合成を行う.キノリール誘導体とPdやPtなどの遷移金属から生成するM-Cσ結合を有する有機金属錯体を合成する.ペンタセンに代表されるようなポリアセン化合物やポリキノリノール化合物を合成する.

(6)(1)セルロースの超臨界水分解による水素ガスの製造 (2)ポリ塩化ビニルの超臨界水分解によるケミカルリサイクル
超臨界水のもつ優れた特性を廃プラスチックのケミカルリサイクル技術へ応用し,原料モノマーや他の有用な物質へ変換する方法の確立を目指したものである.

(7)グルコース残基を側鎖に持つポリウレタン
グルコース残基を側鎖に持つポリウレタン及びセグメント化ポリウレタンを新たに合成し,その生分解性,生体適合性及び吸水性を調べる.そのデータを基に,生体ポリマーや細胞培養材料としての可能性を検討する.

(8)液晶性ポリウレタンの合成とその性質
側鎖にビフェニル基や芳香族アゾ化合物を含むポリウレタンを新たに合成する.得られたポリマーの熱的性質を詳細に調べ,その液晶性を検討する.


中間試験および定期試験は実施しない.