【 2005 年度 授業概要】
科   目 振動工学 ( Vibration Engineering )
担当教員 岡林 卓
対象学年等 機械工学科・5年D組・前期・選択・1単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A4-1(20%) A4-3(40%) C1(40%) (d)1,(d)2-a,(d)2-b,(d)2-d,(e),(f),(g)
授業の概要
と方針
身近な振動現象を理論的に理解し,振動工学に対し関心を深めてもらう事を方針とする.微分方程式の解法などの厳密な理論は省き,物理的に理解できるように出来るだけ具体的事例で簡易な説明にしたい.



1 【A4-3】  振動が原因の大事故の事例から事故原因究明の実験・研究が技術の進歩発展に大きく寄与したことを理解させる。そのために、ビデオや他の事例を参考に説明する。
2 【A4-3】  身近な課題として、空気振動による「音響振動」で、音色の仕組みや人の声形成を理解する。
3 【A4-3】  1自由度の振動事例で振動工学の基礎が理解できるように努める。
4 【A4-3】  微分方程式の解法、エネルギー法、ベクトル表示での解法などの理解に努める。
5 【A4-3】  回転運動物体の振動現象の特徴・防振対策・回転機械時の配慮事項を理解させる。
6 【A4-3】  不安定振動の原因となる自励振動現象の特徴と防振対策や自励振動による楽器の説明で現象理解させる。
7 【A4-3】  地震計や周波数分析器の振動測定機器の原理と振動原因究明への重要性を理解させる。
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1 演習問題(含む宿題)での理解度チェックを行う。
2 シラバスで示した音響振動の授業内容の理解度を演習や試験で確認する。
3 振動工学の基礎事項(外力、質量、速度、加速度、減衰および位相角)の理解度を演習や試験で確認する。
4 簡易解法であるエネルギー法、ベクトル表示法を物理的に理解できるように重点的に説明・演習・試験する。
5 危険速度を境に不釣合い力による遠心力と変位の方向が180度ずれる現象をを理解させる。
6 身近で起こる自励振動の事例を通して現象の理解に努め、また大事故の原因がこの振動である事を理解させる。
7 地震計の製作が振動工学のスタートである事の認識とそのメカニズムの理解に努める。
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中間・定期試験70%,宿題・演習・レポート学習態度30%で評価する.但し遅刻・欠席や学習態度の悪い者は最大マイナス15点(100点満点で)とする.
テキスト 振動工学入門(改訂版) 山田伸志 監修 (パワー社)
参考書 適宜、プリントで補う。
関連科目  
履修上の
注意事項
 

【授業計画( 振動工学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 振動工学の概要
ビデオ「振動の世界」で波と船、耐震建築、吊り橋のカルマン渦でのフラッターでの崩壊、航空機・自動車・鉄道車両の耐震対策や実機での振動実験などを学ぶ。過去の振動による重大事故例を説明し振動対策の重要性を説明する。SI単位と工学単位の換算や長所・短所の説明。テキストでの振動工学の基礎を説明する。
2 音響振動(1)
プリントにて音の発生と伝播、音の特性、複合音〈基音と倍音)、音の減衰、人間の声の出るしくみ、骨伝導音、無響室と残響室などの説明し理解させる。
3 音響振動(2)
音の大きさと強さ、周波数分析、音圧とWattとdb値の関係の説明と演算。
4 演習問題
3回の授業で学んだ事項に関して演習問題に取り組み、結果を発表させ理解度を確かめる。
5 1自由度非減衰振動(1)
運動方程式の解法、ネジリ振動、単振子・剛体振子・曲げ振動系の説明。
6 1自由度非減衰振動(2)
エネルギー法による解法、等価バネ定数・等価質量の説明。1自由度非減衰振動関連の演習問題実施。
7 1時由度減衰振動
運動方程式の解法、減衰比の説明で減衰振動の理解に努める。演習問題実施。共振曲線・位相曲線の説明。           地震計の構造説明。
8 中間試験
 
9 1自由度強制振動
運動方程式の理論解法およびベクトル表示による解法を説明する。演習問題実施。
10 回転体の振動
危険速度、洗濯機の棒新対策、撹拌翼の振動現象の説明。演習問題実施。
11 自励振動
自励振動の特徴。乾性摩擦に因る自励振動の例(バイオリン、回転軸の揺れ回り)の説明。カルマン渦に因る振動事例の説明。
12 振動測定と解析
振動計、周波数分析器(FFTアナライザアー)の説明。機械の振動特性の測定方法の説明。
13 演習問題
期末試験範囲の内容での演習問題に取り組む。
14 演習問題の回答と復習
 
15 演習問題の回答と復習
なお、毎時間宿題を出して理解度チェックする。


・中間試験を実施する。
・定期試験を実施する。