【 2005 年度 授業概要】
科   目 機械力学 ( Dynamics of Machinery )
担当教員 長 保浩,朝倉 義裕
対象学年等 機械工学科・5年D組・後期・必修・1単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A2(20%) A4-3(60%) A4-4(20%) (c),(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
機械の運動の基礎事項である運動の法則と機械の力学モデルについて解説する.その理論的背景のもとで質点および剛体の運動方程式の導出について説明する.次に,運動方程式を解法して1自由度系の自由振動の特性および強制振動における共振現象を教授する.



1 【A2】  機械力学の基礎知識(運動の法則,仕事とエネルギおよび質点の運動)を理解できる.
2 【A2】  剛体の運動に関連して,慣性モーメントと力のモーメントを理解し,運動方程式を導出できる.
3 【A4-3】  1自由度系の自由振動を解析して振動応答の特性を理解できる.
4 【A4-4】  1自由度系の強制振動で調和外力の周波数に対する力の振動倍率の変化を理解できる.
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1 運動の法則や仕事とエネルギを理解できているか,また質点の運動方程式を導出し解法できるかを評価する.
2 慣性モーメントと力のモーメントを理解できているか,また剛体の運動方程式を導出できるかを評価する.
3 1自由度系の自由振動の運動方程式を解法して,その振動応答の特性を理解できるかを評価する.
4 1自由度系の強制振動における力の振動倍率の変化を理解し,振動遮断対策について論理的な手順で設計ができるかを評価する.
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到達目標に対する試験および演習・レポートで総合的に判断する.割合は定期試験50%,中間試験30%,演習・レポート20%で評価し,60点以上(100点満点)を合格とする.
テキスト 「演習で学ぶ機械力学」 : 小寺忠,矢野真功著 (森北出版)
参考書 「機械力学」 : 原文雄著 (裳華房)
関連科目  
履修上の
注意事項
関連科目は工業力学,応用物理,バイオメカニクス

【授業計画( 機械力学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 運動の法則
慣性の法則,運動の法則および作用・反作用の法則について説明し,例題を用いて理解を深める.
2 仕事とエネルギ
仕事の定義および保存力の場合には,運動エネルギとポテンシャルエネルギの和は一定となるといった基本事項を機械工学の視点から詳説する.
3 力のつりあい
物体に2つ以上の力が作用しているとき考え方を,ベクトルの概念を用いて論理的に説明する.
4 質点の運動方程式(1自由度)
運動を1自由度に限定して,質点に複数の力が作用するときの運動方程式の導出について説明する.
5 質点の運動方程式(2自由度)
質点が平面運動をするときの運動方程式の導出について説明する.
6 慣性モーメントと力のモーメント
慣性モーメントの定義および代表的な形状の剛体の慣性モーメントを説明する.また,力のモーメントの定義を解説する.
7 剛体の運動
剛体に力が作用した時の運動方程式の導出し,それを解法する.
8 中間試験
1〜7週目までの範囲で中間試験を行う.
9 1自由度不減衰系の自由振動
1自由度不減衰系の自由振動問題を解法する.
10 1自由度減衰系の自由振動
1自由度減衰系の自由振動で特性方程式の根の形により,過減衰,臨界減衰または粘性振動となることを詳説する.
11 1自由度系の強制振動
1自由度系の強制振動問題で自由振動解と特解の導出およびそれらの和である一般解の挙動について説明する.
12 1自由度系の強制振動(共振)
1自由度系の強制振動の応答特性をもとにして共振について解説する.
13 1自由度系の強制振動(力の伝達率)
1自由度系の強制振動の応答特性をもとにして力の伝達率にについて解説する.
14 機械の起振力の絶縁(防振設計)
力の伝達率をもとに機械の防振設計を具体的な事例を交えて解説する.
15 多自由度系の振動
多自由度振動系の方程式の導出および応答について概要を説明する.


中間試験を実施する.
定期試験を実施する.