科 目 | 材料学特論 ( Advanced Material Engineering ) | |||
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担当教員 | 和田 明浩 | |||
対象学年等 | 機械工学科・5年C組・前期・選択・1単位 | |||
学習・教育 目標 |
工学系複合プログラム | JABEE基準1(1) | ||
A4-1(100%) | (d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g) | |||
授業の概要 と方針 |
今日では金属,セラミックス,プラスチックス,あるいはこれらを複合化した複合材料が構造用材料,機能性材料として広く利用されている.本講義では,これらの各種材料の基本的な性質を説明するとともに,それらの材料特性がミクロ的組織・構造とどのように関連しているのかを理解させる. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A4-1】 金属材料の構造を理解し,その代表的な強化方法について説明できる. | 2 | 【A4-1】 平衡状態図に基づいて材料組織の変化を説明できる. | 3 | 【A4-1】 材料の内部構造変化について熱力学的に考察できる. | 4 | 【A4-1】 合金,セラミックス,ポリマーの性質をその内部構造と関連付けて理解できる. | 5 | 【A4-1】 複合材料の設計概念を理解できる. | 6 | 【A4-1】 代表的な材料試験法について説明できる. | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 金属材料の構造および代表的な強化方法に対する理解度を中間試験および提出課題で評価する. | |
2 | 平衡状態図に基づいた材料組織の変化に対する説明能力を中間試験で評価する. | |||
3 | 材料の内部構造変化を熱力学的に考察する能力を中間試験で評価する. | |||
4 | 合金,セラミックス,ポリマーの性質に対する理解度を定期試験よび提出課題で評価する. | |||
5 | 複合材料の設計概念の理解度を定期試験で評価する. | |||
6 | 代表的な材料試験法に対する理解度を定期試験で評価する. | |||
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8 | ||||
9 | ||||
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総 合 評 価 |
到達目標1〜6の中間試験と定期試験80%,到達目標1,4の提出課題20%の割合で評価する. | |||
テキスト | 「材料学」,久保井徳洋,樫原恵蔵著(コロナ社) |
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参考書 | 「金属材料学概説」,中野信隆著(コロナ社) 「材料工学の基礎」,大西忠一ほか4名著(朝倉書店) |
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関連科目 | ||||
履修上の 注意事項 |
2年「材料工学」および3,4年「材料力学」の内容を理解していることを前提に授業を進める. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 原子の構造と原子間結合 |
原子の基本構造および原子間結合の種類について復習し,原子の結合状態・充填状態の相違が如何に材料特性に影響するかを概説する.また,この授業で1年間の授業の進め方,試験およびレポートの説明を行う. | |
2 | 金属材料の構造 |
金属材料の構造を支配している主要因子について解説する.また,内部構造の相違により生じる性質の変化について概説する. | |
3 | 金属材料の強化法 |
加工硬化,固溶強化,析出強化,結晶粒の微細化による強化などの各種強化法が転位の移動とどのように関連しているかを説明する. | |
4 | 平衡状態と状態図 |
2元合金を例にとり,状態図の読み方について復習する.また,状態図を利用して金属の内部組織の変化を予測する方法について説明する. | |
5 | 状態図のケーススタディ |
状態図を利用した組織制御について具体例を示して解説し,その有用性を認識させる. | |
6 | 構造変化の駆動力 |
金属の内部構造変化を引き起こす駆動力について,熱力学の観点から解説する.ただし,ここでは厳密な数学的取り扱いを行うのではなく,現象を熱力学的に解釈する方法について紹介する程度とする. | |
7 | 構造変化の速度論 |
金属の内部構造の変化速度を支配する要因について,熱力学の観点から解説する.ただし,ここでは厳密な数学的取り扱いを行うのではなく,現象を熱力学的に解釈する方法について紹介する程度とする. | |
8 | 中間試験 |
金属の強化法と平衡状態図および,内部構造変化を熱力学的に考察する能力を評価する. | |
9 | 合金鋼 |
中間試験までに習得した知識を活用して,ステンレス鋼など代表的な合金鋼の特性について解説する. | |
10 | 軽合金 |
中間試験までに習得した知識を活用して,アルミニウム合金,チタン合金,マグネシウム合金など代表的な軽合金の特性について解説する. | |
11 | セラミックス |
セラミックスに特有の性質をその内部構造と関連付けて解説する.また,代表的なセラミックスの特徴,用途について概説する. | |
12 | ポリマー |
ポリマーに特有の性質をその内部構造と関連付けて解説する.また,代表的なポリマーの特徴,用途について概説する. | |
13 | 複合材料1 |
複合材料の設計概念について解説し,代表的な複合材料の特徴と用途を紹介する. | |
14 | 複合材料2 |
複合則を用いた初歩的な材料設計について解説する.また,複合則の適用範囲について説明する. | |
15 | 材料試験 |
引張試験,衝撃試験,疲労試験,クリープ試験など代表的な材料試験法について解説する. | |
備 考 |
中間試験および定期試験を実施する. |